マクラーレン・テクノロジー・グループの新エグゼクティブディレクターに就任することが決まったザック・ブラウンが、今後マクラーレンの仕事の仕方は変わってくると述べ、マクラーレン・ホンダのタイトルスポンサー獲得を重要視していると認めた。
約35年にわたってマクラーレンを率いてきたロン・デニスが、役員会からの要求で15日付けでマクラーレン・テクノロジー・グループの会長およびCEOの座から退いた。21日にマクラーレン・テクノロジー・グループは、45歳のブラウンがエグゼクティブディレクターの職に就くことに同意し、来月、正式に就任すると発表した。デニスに代わりCEOを務める人物に関しては今も検討中だという。
ブラウンはマーケティングエージェンシーであるJMIを1995に設立して以来、モータースポーツの商業的分野で最も活躍してきた人物のひとりである。彼はマクラーレンにおいてレースとマーケティング分野の責任者になる予定だ。
「私は、マクラーレンが体現する勝利の文化に惚れ込んでいる」とブラウン。
「しかし、私が就任して全従業員と緊密に働き始めたら、確実に働き方は今までとはいくらか異なってくるだろう。それはレースチームとブランドのあり方に表れるはずだ」
「(改善は、レーシングディレクターの)エリック(・ブーリエ)と(CEOの)ヨースト(・カピート)次第である。彼らのそれぞれのチームが本当に速いマシンを作る、最終的な責任を担っている」
「私には学ぶことがたくさんあるが、他のビジネスと同様に、できる限り早く進歩を見せなければならない」
「過去24カ月に素晴らしい進展があった。しかし、グリッドポジションの予測を始められるほどかどうかは分からない。私はすぐにでも勝利を呼び戻さなければならない」
ブラウンはJMI時代に、多数のF1チームのためにスポンサーを見つけてきた。マクラーレンに関しては、ジョニー・ウォーカー、グラクソ・スミスクライン、ヒルトン、シャンドンといったスポンサー契約をまとめた。
マクラーレンはボーダフォンとの契約が終了した後、2014年以降はタイトルスポンサーがない状態が続いている。ブラウンは、タイトルスポンサーとの契約は優先リストの上位にあると語った。
「経済状態を改善することに貢献しなければならない」とブラウン。
「マクラーレンのレースカーには、スペースがたくさん余っている。ここを最高級ブランドのロゴで埋め尽くさなければならない」
「我々にはパートナーが必要だ。そして究極的にはタイトルパートナーが重要となる」
「我々は、商業パートナーにとって、より魅力的な存在とならなければならない。本来は勝てるべきであるにもかかわらずその状態に至っていないのには明らかに理由がある。だからこそ前進する必要がある」
「この問題に対処しなければならないが、それがどこに隠れているのか、私はまだ特定できていない」
ブラウンは、マクラーレンは今もF1にフォーカスしているが、ル・マン24時間への復帰の可能性も否定しないと語った。マクラーレンは1995年にル・マンで勝利を挙げている。
「他のモータースポーツへの参入について語るのは時期尚早だろう。F1が最優先なのだ」とブラウン。
「しかし我々は、GTレースを行い、インディカーとNASCARにはECUの供給を行っている」
「F1を別とすれば、ル・マンが話題に上ることがあるだろうか? もちろんだ。マクラーレンはル・マンで勝利したことがあるのだから」
ブラウンは、モータースポーツ・ネットワークで非常勤会長を務め、コスワースや自身のチーム、ユナイテッド・オートスポーツチームなど、モータースポーツ関係でさまざまな役職に就いているが、今後も引き続きそれらの役割を果たすという。
マクラーレンでの新しい役割とそれらが衝突することはないと、ブラウンは主張する。たとえばモータースポーツ・ネットワークでは編集にはタッチせず、ビジネス面に集中しているため、影響はないということだ。