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『ファンタビ』ダン&アリソンが語る、“禁断の恋”の行方 「応援せずにはいられないはず」

2016年11月23日 17:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

 「ハリー・ポッター」の新シリーズ『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が本日、11月23日から公開されている。


参考:『ファンタビ』デヴィッド・イェーツ監督インタビュー 「ハリポタ」シリーズとの大きな違いとは?


 本作の日本公開に先駆け、11月21日にはジャパンプレミアが行われ、昨日11月22日にはファンイベントも開催。この度来日した主演のエディ・レッドメインをはじめ、キャサリン・ウォーターストン、ダン・フォグラー、アリソン・スドル、デヴィッド・イェーツ監督、プロデューサーのデヴィッド・ヘイマンらは、“ファンタビ”ファンの熱烈な歓迎を受け、どちらのイベントも賑わいを見せた。


 リアルサウンド映画部では、デヴィッド・イェーツ監督に続き、ジェイコブ・コワルスキー役のダン・フォグラーと、クイニー・ゴールドスタイン役のアリソン・スドルにインタビュー。恋仲になるふたりの関係性やお互いの印象を聞いた。


※本インタビューにはネタバレ要素が含まれます。


 ジェイコブは、ニュートと魔法動物が起こした騒動に巻き込まれ、魔法の世界へと迷い込んだノー・マジ(人間)。ニュートを追いかけるMACUSA(アメリカ魔法省)の職員・ティナの家に保護され、そこで出会ったティナの妹クイニーに一目惚れしてしまう……。ダン・フォグラーは、スクリーンテストの時から、アリソン・スドルとの相性は良かったと振り返る。


「キャスティングを考えたスタッフは、一緒にいて心地良いペアを探す名人なんじゃないかな(笑)。そのおかげで、撮影当初からアリソンやエディとはすごく馬が合ったよ。それに、僕らはそれぞれが演じているキャラクターのことを心底愛していた。僕はジェイコブに家族のような親しみを感じていたから、スッと役に入ることが出来たんだ。ジェイコブのことは自然と理解できたよ。あと、クイニーに対して恋する気持ちを抱くのも、それほど難しくなかったかな。だって、彼女はキラキラしていてとても魅力的だし、あの目を見たらジェイコブが恋に落ちるのは間違いないからね!」


 チャーミングな容姿と賢さを兼ね備えたクイニーは、魔法の力で人の心を読むこともできる。ノー・マジとの交流がないクイニーはジェイコブに強い興味を抱き、彼と過ごすうちにその優しさや人柄にどんどん惹かれていく。アリソンは「ダンは普段からユニークで、コミカルな芝居がとても上手だったの。例えば、魔法で物が飛び交っている時の表情とかね。笑わせるだけじゃなくて、そこに愛らしさがあるのも彼の魅力だと思うわ」と、ダンの印象を語る。


 ジェイコブは主要人物の中で唯一魔法が使えないキャラだ。ダン・フォグラーは、デヴィッド・イェーツ監督から「ジェイコブはお客さんに一番近い立ち位置で、共感を持たれやすいキャラクター」と説明されたという。「監督から説明を受けて、ますます素の自分を出さなきゃと思ったんだ。でも、そもそも僕とジェイコブの置かれた状況は非常に近かった。僕が、「ハリー・ポッター」シリーズを生み出してきたリーブスデン・スタジオで演じる気持ちと、ジェイコブが魔法の世界に足を踏み入れることは、同じくらいの驚きがあった。だからこそ、自然体の演技もできたんだと思う」


 本作と同様に、「ハリー・ポッター」シリーズでも、ハリーやハーマイオニーたちの恋愛模様は重要なパートとして描かれていた。クイニーとジェイコブの恋愛関係についてダンは、「J・K・ローリングは、良い意味でオーソドックスなキャラクターを描く。まるで『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』のシーモアとオードリーのように、対照的なふたりが恋仲になっていく展開は、すごく魅力的で馴染みのあるストーリーだと思うよ。お客さんも、ふたりのことを必ず気に入ってくれるはずさ」と語る。


 一方アリソンは、演技をする時に、ふたりのほのぼのとした雰囲気を大事にしたという。「素直なふたりはある意味似た者同士だと思うの。ふたりがお互いのことを知り、少しずつ距離を縮めていく様子を丁寧に演じたわ。お客さんには、ふたりの恋愛をリアルに感じてもらいたかったの」


 アリソンに印象深いシーンを尋ねたところ、「強く印象に残っているのは、雨の中、ジェイコブとクイニーがお別れをするシーンね。あのシーンからは、ジェイコブが持つ高潔さや力強さを感じる一方で、彼の中にある感傷的な気持ちまで伝わってくるの。それはダンの繊細な演技があったからこそ、表現できたんじゃないかしら。きっと誰が見ても辛いと感じると思うわ」と、ダンの演技を称賛した。


 舞台となるニューヨークでは、魔法使いとノー・マジの間に大きな隔たりがあり、ふたつの種族の交流や恋愛は許されていない。魔法使いの存在を知ったノー・マジには、記憶を消す魔法をかけなければならない規則があり、ニュートらに協力するジェイコブも当然例外ではない。


 ジェイコブとクイニーの恋の結末についてダンは、「彼は事件の後、夢であるパン屋になることができ、そこで魔法動物の姿を模したパンを焼いている。クイニーとの思い出が心に残っていたのか、魔法動物との触れ合いがよほど衝撃的だったのか、忘却の魔法を受けた後でも、記憶の断片が彼の中に残っていたんじゃないかな。その残っていた記憶が、パンを焼くという創作活動を通して滲み出ている。きっとクイニーと再会した時も、夢の中に出てきた女の子と会うような、不思議な感覚を覚えるはずだよ」と、独自の考えを述べる。


 するとアリソンも、「たとえ魔法使いとノー・マジの恋愛が禁止されていても、愛し合うふたりを見たら応援せずにはいられないはずよ」と、ふたりの恋にエールを贈った。


 映画では、ニュートと魔法動物の活躍とあわせて、ジェイコブとアリソンの心温まる恋愛模様にもぜひ注目してほしい。(泉夏音)