メルセデスのニコ・ロズベルグは、F1タイトルがかかった最終戦アブダビGPにも、これまで同様のアプローチをとり、あくまで優勝を目指して戦うと語った。
圧倒的に有利な状況にいるロズベルグは、ブラジルGP直後には、最終戦をどのように戦うか決めかねていると述べていた。
前戦ブラジルGPを終えた時点で、ロズベルグはライバルのルイス・ハミルトンを12ポイント差でリードしている。ハミルトンは優勝すれば25点を獲得することができる。しかしハミルトンが今季10勝目を飾ったとしても、ロズベルグは3位でフィニッシュすれば、初の世界タイトルを獲得、34年前の父親ケケと同様の成功を成し遂げることになる。
一週間を家族や友人と共にリラックスして過ごした後、ロズベルグは最終戦では、3位のポイント獲得を目指して安全にレースをするのではなく、「全力で」勝ちに行くことを選択したという。
「シーズンを勝利で締めくくるために、すべてをかける」とロズベルグ。
「ブラジルGPのレースの後には、『普通のひとつのレースとして戦う』と冗談を言っていた。でも、考えれば考えるほど、それが言うほどおかしな考えではなくなってきた」
「このレースを他のレースと同じように戦わなければならない」
「グランプリの週末にいい仕事をすることはいつだって簡単なことではない」
「F1において簡単なことは何ひとつない。だから(アブダビGPも他と)少しも違いはないんだ。いい結果を出すために全力で戦う必要がある」
ロズベルグは昨年のアブダビGPで優勝しており、予選ではハミルトンがチームメイトとなって以来、2013年から2015年のすべてのアブダビGPでハミルトンより上位を獲得している。
しかもロズベルグは、過去7回のアブダビGP参戦のなかで、予選でチームメイトに敗れたのは1回のみという、圧倒的速さを見せてきた(2010年にはミハエル・シューマッハーが予選8位、ロズベルグは9位で唯一負けている)。
「昨年ここのコースで勝利したという素晴らしい思い出があるし、これまで大抵はここで強さを発揮している。だから自信を持つのに十分すぎるほど理由があるよ」とロズベルグは語った。
「レースが近づくにつれ、気分が高まってくるね」
ハミルトンは、2016年にはマシンの信頼性の低さに足を引っ張られたことを改めてほのめかし、今週末に4度目の世界タイトルを獲得できる可能性は低いと述べているものの、諦める気持ちは全くないという。
「完璧なシーズンではなかったから、今週末はどうやったとしても、とても困難な戦いに直面することになる」とハミルトンは言う。
「でも僕は諦めることはできないし、そのつもりもない」
「何が起こりうるかは誰にも分からない。たとえ可能性が低いとしてもだ」
「今週末もいつものレースと同じように戦うよ」
「僕は勝ちたい。シーズンをいい形で終えるためにすべてをぶつけるつもりだ」
メルセデスチームのボス、トト・ウォルフはこう付け加えた。「シーズン最後のレースで、F1タイトルが我々の2名のドライバーの間で争われる。この3年で2回目のことであり、彼らが好敵手であることが分かる」
「このような忍耐の戦いの後にこれを制した者は、疑いなしに実力で勝利を勝ち取ったと言えるだろう」
「我々はどちらが勝者となるか熱く見守っている。2人の健闘を祈る」
【2016年アブダビGP F1ドライバーズタイトル獲得の条件】
■ロズベルグのタイトル獲得条件
・ロズベルグが3位以上なら無条件で決定
・ロズベルグが4位、5位、6位で、ハミルトンが2位以下の場合
・ロズベルグが7位か8位で、ハミルトンが3位以下の場合
・ロズベルグが9位か10位で、ハミルトンが4位以下の場合
・ハミルトンが4位以下の場合
■ハミルトンのタイトル獲得条件
・ハミルトンが優勝し、ロズベルグが4位以下の場合
・ハミルトンが2位で、ロズベルグが7位以下の場合
・ハミルトンが3位で、ロズベルグが9位以下の場合