2016年11月22日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部
NASCARスプリント・カップ・シリーズ最終戦ホームステッド
トヨタがスプリント・カップ・シリーズで
初のマニュファクチャラーズタイトル獲得
NASCARは3シリーズ全てでチャンピオンを決定する最終戦がフロリダ・ホームステッドで開催。
スプリント・カップ・シリーズではカール・エドワーズとカイル・ブッシュが終盤までタイトルを争ったが、惜しくもドライバーズタイトル獲得はならず。しかし、トヨタは参戦10年目にして初めてマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得した。
エクスフィニティ・シリーズではダニエル・サレスが今季3勝目を挙げ、NASCAR史上初となるメキシコ人によるチャンピオンに輝いた。同シリーズではオーナー、マニュファクチャラー、ルーキーの全ての部門でトヨタがタイトルを獲得した。
キャンピング・ワールド・トラック・シリーズもドライバーズタイトル獲得は逃したが、前戦決めていたマニュファクチャラーズタイトルに続き、オーナーとルーキータイトルを獲得した。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第36戦 Ford EcoBoost 400
開催日:11月20日
カップ・シリーズで初のマニュファクチャラーズタイトル獲得
2年連続ドライバーズタイトル獲得はならず
11月20日(日)、米国南東部フロリダ州ホームステッドのホームステッド・マイアミ・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第36戦「Ford EcoBoost 400」が開催された。
36戦で争われているシリーズも最終戦を迎えた。シーズン終盤の10戦で、選抜された上位ドライバーによってタイトルを争う“チェイス”は当初の16人から4人まで絞られ、今大会で最上位フィニッシュを果たしたドライバーがシリーズチャンピオンとなる。
トヨタ勢では前年度チャンピオンであるカイル・ブッシュと、カール・エドワーズの2名がこの4名の中に入っており、2年連続チャンピオン獲得を目指し挑んだ。
20日(日)午後3時24分に1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。10番手グリッドからスタートしたエドワーズが序盤から好調にポジションを上げ、17周目に3位へ。その後のイエローコーションから2位で再スタートを切ると、32周目に首位に立った。
その後もエドワーズは首位を争い、“チェイス”コンテンダーのトップをキープ。カイル・ブッシュもピット毎の車両調整でポジションを上げ、終盤には上位争いに加わった。
213周目、残り55周での再スタートが切られたときには、トップ5に“チェイス”コンテンダーの4人が入る激戦に。しかし、その後は長いグリーンランとなり、カイル・ブッシュとエドワーズが4位以下を引き離しての2位争いに。
首位の車両は“チェイス”コンテンダーではなかったため、トヨタ勢でのタイトル争いとなるかと思われた。
残り25周というところでエドワーズがカイル・ブッシュをかわし2位へ浮上。これまで2度にわたってランキング2位に終わっているエドワーズにとって悲願の初タイトルを目指しての快走が続いた。
しかし、残り15周というところでクラッシュ車両によりイエローコーション。上位勢は全車ピットへ向かったが、ここでカイル・ブッシュはピット作業で手間取りポジションダウン。エドワーズは2位をキープ。残り10周での再スタートが切られた。
最前列イン側のエドワーズは、すぐ後につけていた“チェイス”を争うジョーイ・ロガーノ(フォード)の追い上げを抑えようとイン側へラインを変えたが、抑えきれずにスピンし、イン側の壁にクラッシュ。大混乱となった後続も次々にクラッシュする大波乱の展開となり、エドワーズのタイトルへの希望はここで潰えることとなってしまった。
この多重クラッシュの影響で、コース清掃のためレースは赤旗に。30分ほどの中断の後に再開され、残り5周で再スタートが切られたが、ここでも後方車両のスピンにより1周でイエローコーション。レースは最後の2周“オーバータイム”で決されることとなった。
先の再スタートで出遅れ、ポジションを落としたカイル・ブッシュはこの最後の2周での逆転に賭け、ピットイン。
タイヤを4本交換し、13位へと後退し再スタート。好ダッシュを見せポジションを上げていったが、首位争いには届かず、6位でチェッカー。
カイル・ブッシュ、そしてトヨタにとっての2年連続チャンピオン獲得はならなかった。
しかし、今季トヨタは3マニュファクチャラー中最多となる16勝を挙げ、マニュファクチャラーズチャンピオンを決定。
2007年に最高峰スプリント・カップ・シリーズ(当時はネクステル・カップ)に参戦を開始して以来、10年目にして初めてマニュファクチャラーズ部門でのタイトルを獲得することとなった。
また、エクスフィニティ・シリーズ、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズでも同部門タイトルを決めており、今季のトヨタは3シリーズ全てでマニュファクチャラーズチャンピオンとなった。
2月からの長かったシーズンもこれで終了。来年2017年シーズンは、2月26日(日)に米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる伝統の「Daytona 500」で幕を開ける。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「序盤は厳しいレースを強いられたが、その後勝てるかも知れないというところまで浮上できた。しかし、最後のひとつ前の再スタートで大きく遅れてしまった。
残り2周では厳しいことは分かっていたが、あの時点で遅れを取り戻すにはピットインしてタイヤを交換するしかなかった。
チームはシーズンを通して本当によくやってくれた。今週末はハンドリングなどで苦戦したが、最後まで全力を尽くした」
NASCAR XFINITY SERIES
第33戦 Ford EcoBoost 300
開催日:11月19日
ダニエル・サレスがドライバーズチャンピオン獲得!
トヨタはエクスフィニティ・シリーズの全タイトル制覇
11月19日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第33戦(最終戦)「Ford EcoBoost 300」がホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催された。
今季よりエクスフィニティ・シリーズでも採用されることとなった、終盤で選抜された上位ドライバーによりタイトルか争われるプレーオフ“チェイス”も最終戦となり、残った4名のうち最上位フィニッシュしたものがシリーズチャンピオンとなる。
トヨタ勢では今季シリーズフル参戦2年目となる24歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスと、昨年キャンピング・ワールド・トラック・シリーズでルーキーながらチャンピオンに輝き、今季よりエクスフィニティ・シリーズにフル参戦、今季最多の4勝を挙げている20歳のエリック・ジョーンズがこの4名の中に残っており、タイトル争いに臨んだ。
19日(土)午前中の予選に続き、午後3時49分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
今季3度目のポールポジションを獲得したサレスは好スタートを切り首位をキープ。3番手グリッドにつけたエリック・ジョーンズはスタートで前車に阻まれる形で出遅れ、ハンドリングにも苦しみ、前半戦は10位前後で周回を重ねた。
中盤には接触で車両前部に穴が空くというトラブルにも見舞われたエリック・ジョーンズだったが、修復し、セッティングも調整していくことで徐々にポジションを取り戻し、残り20周というところでサレスに次ぐ2位に浮上。
サレスとの差をじりじりと詰めていき、トヨタのチームメイト同士でのタイトル争いの様相に。しかし、ハードにサレスを攻めていたエリック・ジョーンズは残り12周で壁にヒット。そのまま2位で走行を続けたが、サレスとの差は僅かに広がってしまった。
残り10周でスピン車両によりイエローコーション。上位勢はピットへ向かったが、1台がコース上に残り、更にピットに入った中でも、“チェイス”を争うエリオット・サドラー(シボレー)が2本タイヤ交換作戦を採ったためポジションを上げてトップでピットアウト。サレスが3位、エリック・ジョーンズが4位で残り3周での再スタートが切られた。
ピットに入らず首位に立ったコール・ウィットはアウト側を選択。このウィットが再スタートで失速したため、その直後にいたエリック・ジョーンズも行き場を失い大きくポジションダウン。
イン側の最前列サドラーを、その後から好ダッシュを決めたサレスが第2ターンでパス。首位に立ったサレスは後続を退けて逃げ切り、トップでチェッカー。今季3勝目を挙げ、念願のドライバーズチャンピオンに輝いた。
本シリーズではトヨタにとって2009年のカイル・ブッシュ以来のドライバーズタイトル。そして、NASCAR史上でも初めての、メキシコ人(ラテン・アメリカ圏出身)ドライバーによるトップ3シリーズにおけるチャンピオン獲得となった。
トヨタはまた、マニュファクチャラーズ部門でも6年ぶりのタイトルを獲得。
サレスの19号車はオーナーズタイトル(車両オーナー:ゼッケンにかかる選手権)、そして、エリック・ジョーンズは9位に終わったものの、昨年のトラックに続き、エクスフィニティ・シリーズでもルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。
トヨタはエクスフィニティ・シリーズのタイトルを全て制覇することとなった。
来季の開幕戦は、2月25日(土)にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催される。
ドライバー ダニエル・サレス:
「夢が叶った。今の気持ちはなんと語っていいのか分からない。支えてくれた全ての人、そして家族に感謝する。
メキシコでレースを始めて、その後両親がアメリカでレースをするチャンスをくれた。英語を学び、新しい生活を始めて夢を追い続けた。
皆のおかげでここまでやってこられた。チームを本当に誇りに思う。メキシコの皆にも感謝する。本当に信じられない」
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第23戦 Ford EcoBoost 200
開催日:11月18日
ウィリアム・バイロンが今季7勝目、ルーキータイトル獲得
ドライバーズタイトルは惜しくも逃す
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第23戦「Ford EcoBoost 200」が11月18日(金)にホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催された。
今季よりトラック・シリーズでもシーズン終盤のプレーオフ“チェイス”が採用。最終戦となる今大会に“チェイス”コンテンダーとして残った4名のうち、最上位でフィニッシュしたものがチャンピオンとなる。
トヨタ勢ではルーキーのクリストファー・ベル、2回のチャンピオン経験を持つベテラン、マット・クラフトン、ティモシー・ピーターズの3名がこの4名の中に残っており、タイトルを目指し最終戦に臨んだ。
18日(金)午後8時22分に1.5マイルオーバルを134周(201マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
今季最多の6勝を挙げながらも、前戦無念のリタイアで“チェイス”から脱落した18歳のウィリアム・バイロンが今季3度目、2週連続となるポールポジションを獲得し、序盤をリードしたが、その後はハンドリングの不調に苦しみ5位前後までポジションダウン。
“チェイス”コンテンダーでは4番手スタートのクラフトンがポジションを上げていき、20周目に首位浮上。その後も上位争いを繰り広げた。
残り25周というところでこの日4度目のイエローコーション。全車ピットへ向かい、クラフトンが“チェイス”勢最上位の2位でピットアウト。残り20周での再スタートが切られた。
最前列イン側から再スタートを切ったクラフトンは、接触寸前のバトルを展開。しかし、ハンドリングの調整が上手く働かず、“チェイス”のライバルであるジョニー・ソーター(シボレー)の先行を許してしまった。
最後のピットで8位まで順位を落としていたバイロンは、再スタート後ハイペースで追い上げ、残り10周で首位浮上。その後は独走態勢となり、2位に2秒以上の大差をつけトップでチェッカー。今季7勝目を挙げた。
“チェイス”コンテンダーは、クラフトンが7位、ベルが8位、ピーターズが9位でフィニッシュ。ライバルのソーターが3位でフィニッシュしたため、ドライバーズタイトル獲得はならなかった。
しかし、最終戦の勝利で、バイロンの駆る“トヨタ・タンドラ”9号車はオーナーズチャンピオンを獲得。カイル・ブッシュ・モータースポーツにとって4年連続のタイトル獲得となった。また、バイロンはルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。
来季の開幕戦は、2月24日(金)にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー ウィリアム・バイロン:
「素晴らしい気分だ。信じられない。チームがシーズンを通して懸命にやってきてくれたおかげだ。
先週は残念な、自分ではどうしようもないアクシデントに見舞われたが、シーズンを通してずっと我々には最高の“トヨタ・タンドラ”があった。
ポールポジションを獲得出来たのも彼らのおかげだ。来シーズンこのチームと共に戦えないのが残念だ。本当に素晴らしいスタッフの揃ったチームだった」