アストンマーティンの新たなフラッグシップとして2001年に誕生し、初代はボンドカーとしても活躍したヴァンキッシュ。その後、DB9やヴァンテージと同じく新たなプラットフォームを採用した第二世代へ移行し、全方位で洗練された性能を手にしたヴァンキッシュに、さらなる進化を遂げた『ヴァンキッシュS』が発表された。
この最新世代のヴァンキッシュは、押し出し成形アルミニウムのハニカムモノコックに、カーボンファイバー製のパネルを接着固定した最新のボディシェル「VHアーキテクチャー」を採用。アストンマーティン自慢の6リッターV12自然吸気をフロントミッドに搭載し、優れたダイナミクス性能を実現している。
今回はそのヴァンキッシュに、エンジン、シャシー、エアロダイナミクスのすべての面で性能強化を施し、さらに驚異的なパフォーマンスを実現すべく改良が行われた。
最初のハイライトであるエンジンは、インテークシステムの改良により吸気効率を改善。これにより従来比27PSアップの600PS/630Nmの最高出力を実現。そのパワー増大に合わせて、8速のトルコン式ATである「タッチトロニックⅢ」はキャリブレーション調整を行い、より素早く精密なシフトフィールを生み出している。
同様に、サスペンション、ダンパー設定、スプリング・レート、アンチロールバーのブッシュもリセッティングされ、しなやかな乗り心地を犠牲にすることなく、よりスポーティでダイレクトなハンドリングとした。
エクステリアでも新たなエアロダイナミック・パッケージを採用し、視覚的に『S』だと識別できる装備が奢られた。
カーボンファイバー素地を露出させた新しいフロントスプリッターとリヤディフューザーによって、フロントのリフトが大幅に低減。さらに4本出しのエキゾースト・パイプを組み合わせることによりアグレッシブな外観を演出した。さらには、カーボンファイバー・ボンネットルーバー、新しい鍛造5スポーク・ダイヤモンド旋削ホイール、印象的なペイント・グラフィック・パックなどを含む新しいオプションを選択すれば、さらに独自の魅力的なスタイルを作り出すことも可能となっている。
そしてインテリアにも豊富な選択肢が用意され、新設定された「フィログラフ」キルト・レザーや、「サテン・チョップド・カーボンファイバー」フェイシア・パネルといった新しい素材と仕上げによる幅広いカスタマイズが提供される。
ボディタイプはクーペとオープンのヴォランテが用意され、本国を含め、ドイツ、北米などの主要市場へのデリバリーは、この12月から開始される予定となっている。
ウェブサイト:www.astonmartin.com