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「フォーミュラEはトランプの考え方を変えられる」。CEOとドライバーが語るFEの役割

2016年11月21日 18:21  AUTOSPORT web

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フォーミュラEマラケシュePrix
フォーミュラEのアレハンドロ・アガグCEOは、米国大統領選挙で勝利したドナルド・トランプ氏に対し、気候変動に対する彼の考えが変わるよう、ニューヨークでのレースを観戦しほしいと考えているという。

 気候変動に対して否定的な考えを持っているトランプ氏は、バラク・オバマ氏の後継者として来年1月に米国大統領に就任する。予備選挙から一貫して気候変動抑制に関する国際協定『パリ協定』からの早期脱退を目指すと発言していたトランプ氏の大統領選勝利により、モロッコ・マラケシュで開かれている国連の気候変動枠組条約締約国会議(COP22)には激震が走った。11月12日にマラケシュで開催されたフォーミュラE第2戦は、8日から開催されているCOP22に合わせて開催されたという経緯がある。

 アガグは、フォーミュラEによって、気候変動が現実の問題であるとトランプに認識してもらえるのではないかと考えているようだ。

「もしトランプ大統領をフォーミュラEの会場にお連れできれば、持続可能性に関する彼の考え方を変えられると思っている」とアガグ。

「彼を絶対にアメリカでのレースに招待するよ。フォーミュラEはトランプ氏の考え方を変えられる」



「合衆国大統領というのは重要な役職だ。しかし、一部の人々が考えているほど悲惨なことにはならないと思うよ。私は楽観主義者だからね」

「(選挙戦勝利後の)彼の最初の演説はかなり常識的なものだった。だから持続可能性の領域についても同じように常識的な考えを持っていると期待している」

 今年の夏にはルーカス・ディ・グラッシによって、世界で2番目に大きな氷床であるグリーンランドでフォーミュラEのデモ走行が行われた。



 ここで撮影されたショートフィルムはオンラインで400万回以上再生されたほか、COP22の会場では気候変動に対する意識向上を目的としたドキュメントフィルムとして公開されている。

 グリーンランドでの撮影に参加したディグラッシは、気候変動に関するメッセージが拡散されるべきか問われ、「トランプが勝利した後だから、絶対に必要だね」と冗談めかしてコメントとすると、「すべての人が自分にできることをすべきだ。僕にできるのは電気自動車の宣伝だ」と付け加えた。

「もし僕たちが電気自動車に対する人々の認識を変えることができたら、そして、もし僕たちがパートナー企業たちの宣伝を行い、彼らの技術を発展させることができたら、さらには電気自動車をより手頃で、速く、セクシーで、経済的にすることができたら、(フォーミュラEは)一般の人々に電気自動車を買ってもらうための強力なプラットフォームになると思うんだ」

「これが(フォーミュラEが)重要である理由さ。だからこそ僕は、このシリーズの一翼を担っていることを誇りに思っているんだ」