20日、バーレーンでFIA世界耐久選手権(WEC)ルーキーテストが開催。バイコレスから参加したロバート・クビカが好タイムを記録した。
バイコレスのCLM P1/01・AERをドライブしたクビカは、レギュラードライバーのピエール・カッファーが18日のWEC第9戦フリー走行2回目でマークしたタイムを上回る1分47秒222のラップタイムを刻むなど、好調ぶりをアピールした。
この日、合計で27周を走行したクビカは「自分がLMP1カーをドライブできるかどうかのテストとしては問題なかった100パーセント快適とは言えないけれど、多くの発見があったよ」と語り、「1分47秒222を記録できたし、もっと速く走れるはずだ。それなりに満足しているよ」とコメントしている。
F1でのキャリアを終えた後、主な活躍の場をラリーに移していたクビカだが、「この半年間をサーキットでのレースに戻るために費やしてきたことは周知のとおりだ。ラリーでは良いチャンスがないからね」と、改めてサーキット・レース復帰を念頭に置いていることを強調している。
ル・マン24時間レースへの参戦を望むか問われたクビカは「ル・マンは唯一無二で魅力的なイベントだ。もし参戦するなら新たなチャレンジになるし、自分のドライビングをアジャストする必要があるよね」と述べている。
なお、イタリア出身の元インディカードライバー、フランチェスコ・ドラコーネもバイコレスをドライブ。こちらは1分52秒993のタイムを記録している。
LMP2王者の若手もテストに参加。LMP1-Hのトップタイムを記録
このルーキーテストでは若手ドライバーにLMP1-Hの走行機会が与えられており、2016年シーズンに36号車アルピーヌA460・ニッサンでクラスタイトルを獲得したグスタボ・メネゼスがポルシェ919ハイブリッドをドライブ。テストでLMP1-Hをドライブした3名のなかで最速タイムを記録した。
メネゼスは「ポルシェは今日のために素晴らしい準備をしてくれたし、僕も良い仕事ができた。わずか30周でこのモンスターマシンに適応しなければならなかったことを考えると、自分が示したパフォーマンスには満足している」とコメントしている。
ポルシェのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、「彼のパフォーマンスは見事で、すぐにスピードを示してみせた」とメネゼスのパフォーマンスに満足しているようだ。
そのほか、フランス出身のポール・ループ・シャタンはアウディR18をドライブ。ドライブシャフトのトラブルから、わずか9周の走行に留まったものの、1分43秒910のベストタイムを記録している。
今季、31号車リジェJSP2・ニッサンをドライブしたブラジル人のルイス・フェリペ・デラーニは、トヨタTS050ハイブリッドをドライブし、ベストタイムは1分44秒292だった。
なお、このルーキーテストでは4度のル・マン王者であるヤニック・ダルマスが特別顧問として招聘され、LMP1-Hの全車をテストドライブする予定だったが、アウディには上述のトラブルがあったため、全車に乗り込むことは叶わなかった。