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WEC:18年導入のLMP1新規則を1年先送り。コスト削減を優先

2016年11月21日 14:51  AUTOSPORT web

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LMP1クラスへ導入予定だったハイブリッドとシャシーに関する新規則が、1年先送りとなった。
FIA世界耐久選手権(WEC)は、ハイブリッドシステムとLMP1シャシーに関する新規定の導入を、当初予定していた2018年シーズンから19年シーズンへ遅らせると明らかにした。

 新規定では、ハイブリッドシステムにブレーキ回生、熱回生に次ぐ“第3の回生方式”の採用が認められるほか、現在8MJが上限となっている1周あたりのエネルギー放出量も10MJまで引き上げられる。また、シャシーについては主にサバイバルセルやドライバーのシートポジションに変更が加えられる。

 新規定導入の先送りは、先月末発表されたアウディのWEC撤退を受けてストラテジーコミッティが急きょ決定したもの。この会合にはFIAとフランス西部自動車クラブ(ACO)、そしてポルシェ、トヨタの2メーカーも参加した。

 ACOでスポーティングディレクターを務めるヴァンサン・ボメニルは「コスト削減をより一層推し進めるためには、新たな1歩を踏み出すよりも現行のルールを維持することが最善だった」と説明する。

「我々はシリーズに参戦しているマニュファクチャラーや参戦を検討している人々の意見をつねに取り入れている」

「導入先送りは難しい決断だったが、正しい選択だったと考えている」

 ボメニルがコメントしているとおり、WECでは近年、大幅なコスト削減策が敷かれている。過去2シーズンでは、テストの回数や年間のエンジン使用数、風洞施設の使用時間、レースに帯同するスタッフ人数などに制限が加えられた。

 なお、LMP1-Hのダウンフォース削減を目的とした空力レギュレーションの改訂は、予定通り17年シーズンから施行される。

 ハイブリッドシステムとシャシーの新規定導入先送りは、12月に開催される世界モータースポーツ評議会で承認を受けた後、正式に決定する。