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S耐最終戦:3号車ENDLESS ADVAN GT-Rが残り6分で逆転勝利

2016年11月21日 14:31  AUTOSPORT web

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スーパー耐久最終戦オートポリを逆転で勝利した3号車ENDLESS ADVAN GT-R
スーパー耐久シリーズの最終戦がオートポリスで11月19~20日に開催され、グループ1ではYUKE TANIGUCHI/峰尾恭輔/山内英輝組の3号車ENDLESS ADVAN GT-Rが、そしてグループ2では元嶋佑弥/小河諒/村田信博組の13号車ENDLESS ADVAN 86が、それぞれ総合優勝を飾った。

 オートポリスが舞台となったスーパー耐久シリーズ最終戦は、土曜日が悪天候に翻弄されてスケジュールは大きく乱れた。早朝は雷を伴う暴風雨、そしてやんだと思えば今度は霧が……。

 午前中のフリー走行やサポートレースが中止となり、ST-4クラスとST-5クラスによるグループ2の予選は行われたものの、その他のクラスによるグループ1の予選が中止になり、決勝のグリッドはクラスごとランキング順に決められることとなった。

 幸い、日曜日になると天候は回復。早朝の路面はまだ濡れたままだったため、グループ2の決勝レースは、ST-5クラスが全車ドライタイヤを装着したが、ST-4クラスにはウエットタイヤを装着した車両もいた。

 予選でポールポジションを獲得して1ポイントを加え、決勝を待たずしてチャンピオンを決めていた、元嶋佑弥/小河諒/村田信博組の13号車ENDLESS ADVAN 86はウエットタイヤを装着してスタート。

 序盤のレースをリードしたが、10周ほどするとドライタイヤとのタイムが逆転するようになり、元嶋はまもなく小河と交代。その後、トップを走ったのは77号車CUSCO with Key’s86の大嶋和也で、ほぼ2時間走り、代わった木下隆之は1周だけで山田英二にバトンタッチ。奇襲作戦を取るも、トップへの返り咲くことはできなかった。

 ENDLESS ADVAN 86は再びトップに立つもピットインし元嶋にハンドルを託す。代わってトップに立ったのは41号車TAKUMI×HERO’S SSR ings S2000の石川京侍で、スタート時には植松忠雄がドライタイヤを選択。ふたりで築いたマージンで逃げ切りなるか注目された。そして、再び植松が乗り込んだのはラスト6分。

 だが、逃げ切るまでのマージンを築くことができずENDLESS ADAVAN 86が逆転に成功し、チャンピオンに華を添えることとなった。

「シーズンの締め括りを優勝で飾れて、本当に良かったです」と小河。3位は脇阪寿一/脇阪薫一/松田晃司組の52号車埼玉トヨペットGreenBrave 86が獲得、2戦連続で表彰台に立つこととなった。

 一方、ST-5クラスではランキングトップの、69号車BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITの大野尊久が、3周目に追突されて最下位に落ちる一大事があるも、そのあとの追い上げも凄まじく、3位でゴール。3連覇を達成して、大野と梅本淳一、窪田俊浩が男泣きする光景も。

「土曜日までは最悪で、過去最悪のポジションで、決勝もドカーンと当てられて、そこから追い上げて、最後は完璧な仕事をしてくれたチームに心から感謝!」と梅本。

 優勝はチームメイトでもある、19号車BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FITの古宮正信/松田智也/吉本晶哉組でシリーズ終盤のレースを3連勝で飾った。

「チャンピオンが獲れなかったのは残念ですが、誰もできなかった連勝ができたので、それには満足しています」と古宮。2位は17号車DXLアラゴスタNOPROデミオSKY-Dの谷川達也/井尻薫/野上達也組が獲得し、一時はトップも走行した。

 午後からのST-XからST-3で構成されたグループ1の決勝レースは、ランキング順のグリッドとなり、前戦でチャンピオンを決定していたチームが、それぞれのクラスの最前列に並んだ。

 スタートを迎える頃は路面も限りなく乾いており、全車がドライタイヤでの戦いになった。スタートから飛び出したのは、24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢。逃げ続けて内田雄大につなぐが、代わってトップに立った3号車ENDLESS ADVAN GT-RはTANIGUCHIにスイッチしても、そのポジションをキープする。

 内田は逆転を果たせず、早めに平峰一貴にバトンを託すことに。これを見たENDLESS ADVAN GT-Rはタイヤ無交換で前に出る作戦を採るも、峰尾は平峰の背後でコースに戻る羽目となり、じわじわと差を広げられてしまう。

 そのまま逃げ切るかと思われたスリーボンド日産自動車大学校GT-Rだが、残り6分となったところで突然ピットインへ。ガス欠症状に見舞われ、やむなくトップを明け渡すことになり、チャンピオンとしての花道を飾ることは許されなかった。

 大逆転優勝をENDLESS ADVAN GT-Rが果たして、今季2勝目をマーク。「最後に24号車(スリーボンド日産自動車大学校GT-R)と対等に戦えるようになって、最後に優勝できたので、感無量です」と峰尾。3位は5号車Mach MAKERS GTNET GT-Rの白井剛/星野一樹/藤波清斗組が獲得した。

 ST-1クラスでは108号車CARGUYの木村武史/野間一/林裕介組がランボルギーニウラカン・スーパートロフェオを持ち込み、777号車D’station Porsche 991の星野敏/荒聖治組と真っ向勝負。

 決勝ではCARGUYが一時トップを走るも、ハンデキャップが厳しく再逆転を許すことに。「ウラカンはすごく速かったけど、勝てて良かった。ノーミスで終わったので、いい終わり方です」と星野は満足そうな表情を見せていた。

 ST-2クラスは3台のランサーエボXがすべてリタイアを喫し、59号車DAMD MOTUL ED WRX STIの圧勝となるかと思われたものの、終盤に足まわりが壊れて修復に4周を要してしまう。大逆転優勝を飾ったのは、7号車恒力技巧☆新菱オートDXLエボIXのカルロス本田/佐藤勝博/下山久寿男組。「S耐を20年やってきて、初めて勝てました」と本田は大喜びだった。

 そして、ST-3クラスでは38号車MUTA Racing TWS IS350の阪口良平が最初に逃げて、堀田誠が貯金を守り、また阪口が最後に引き離すという、いつもどおりの展開に。

「なんとか6戦5勝という結果でシーズンを終えることができました。オートポリスはZが速いと思っていたんですが、トラブルもあったことで我々は逃げられたのかな、と。最高の1年間になりました」と堀田。

 一方、中山雄一から嵯峨宏紀へのバトンタッチを、ラスト10分まで引き延ばして2位獲得を狙った62号車DENSO Le Beausset RC350だったが、マージンは十分でなく、15号車岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の長島正明/田中徹/田中哲也組が逆転し2位を獲得した。