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F1 Topic:伝統の1戦も見納めか。開催継続が危ぶまれるブラジル

2016年11月21日 14:31  AUTOSPORT web

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開催権料の支払いに苦慮しているのは、ブラジルだけではない
フェリペ・マッサのラスト母国レースと、フェリペ・ナッセの今シーズン初入賞に沸いた今年のブラジルGP。しかし、その盛り上がりとは裏腹に、レース終了後、早くも暗い影が迫り始めていた。それは、来年の開催継続が厳しい状況になっていると、地元の人々がささやき始めているからである。

 最大の理由は、スポンサーを失った主催者とF1の興行権を持つFOMが、開催権料を巡って折り合いがついていないからだ。ブラジルはリオ五輪後に景気が急速に悪化。10月に行われたサンパウロ市長選でも、ブラジルGP開催に消極的だとされている民主社会党(PSDB)から立候補していたジョアン・ドリアが大差で決選投票を待たずに当選を決め、新市長に就いている。実際、当選直後に行われたテレビインタビューでも、「インテルラゴス・サーキットの民営化を積極的に進めたい」と語っていたほどだ。

 来年のカレンダーで、ブラジルGPは現在、暫定扱いとなっており、不透明な状況である。

 日曜日のレース後、これまで一度も勝利していなかったブラジルGPを制したハミルトンは「今年のブラジルGPは僕のカーナンバーと同じ44回目の開催だったから、本当にスペシャルな勝利だった」と喜びを爆発させながらも、「もし今シーズン限りで本当にブラジルGPなくなったら、本当に寂しい」と語り、伝統のグランプリ消滅を危惧していた。

 1973年に初めてF1が開催されてから、南米大陸でのF1の砦を守ってきたブラジルGP。マッサとナッサの涙は、ブラジルGPへの思いも詰まっていたのかもしれない。