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VSR Lamborghini SC Junior Team FIA-F4第6戦/第13戦/第14戦もてぎ レースレポート

2016年11月21日 12:31  AUTOSPORT web

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金澤力也(#19 VSR Lamborghini SC)
2016年11月19日
FIA-F4第7大会(ツインリンクもてぎ)レビュー

ファン・ドユンが見せた混戦での光る走り、金澤力也がFIA-F4デビュー
■大会概要
開催地:栃木県・ツインリンクもてぎ(一周:4.801km)
開催日:2016年11月11日(金)~11月13日(日)

■大会結果
19号車:金澤力也
11月11日(天気:曇/路面:ウェット) 第6戦予選:25番グリッド
11月11日(天気:曇/路面:ウェット) 第13戦予選:Notime(嘆願書出走により36番手グリッド)
11月12日(天気:晴/路面:ドライ) 第6戦決勝(規定周回数:12周、最大30分間):11位
11月12日(天気:晴/路面:ドライ) 第13戦決勝(規定周回数:12周、最大30分間):19位
11月13日(天気:晴/路面:ドライ) 第14戦決勝(規定周回数:12周、最大30分間):14位

63号車:ファン・ドユン
11月11日(天気:曇/路面:ウェット) 第6戦予選:14番グリッド
11月11日(天気:曇/路面:ウェット) 第13戦予選:18番グリッド
11月12日(天気:晴/路面:ドライ) 第6戦決勝(規定周回数:12周、最大30分間):18位
11月12日(天気:晴/路面:ドライ) 第13戦決勝(規定周回数:12周、最大30分間):33位(否完走扱)
11月13日(天気:晴/路面:ドライ) 第14戦決勝(規定周回数:12周、最大30分間):21位

■大会レビュー
 2016シーズンのFIA-F4第7大会は11月11日~13日、栃木県のツインリンクもてぎで37台の参加により実施され、VSRランボルギーニ・スクアドラ・コルセ・フォーミュラ・ジュニア・チーム(VSR Lamborghini Squadra Corse Formula Junior Team)は、今回がFIA-F4デビュー戦となる金澤力也(かなざわりきや/20歳)と、韓国人ドライバーとして最も経験を積むファン・ドユン(Hwang Doyun/31歳)を起用する2台体制で挑みました。

 本大会は、震災の為に中止となった第6戦の振替戦が同時開催され、1大会3レースのイベントとなりました。

 19号車の金澤は11日(金)午後に実施された予選で、ベストタイムに基づき第6戦決勝レースの25番グリッドを獲得しましたが、コースアウトして赤旗の原因となったためにセカンドベストタイムが計測できず、嘆願書出走が許可され第13戦決勝レースは36番グリッドからの出走となりました。

 迎えた12日(土)の第6戦決勝レース、路面はまだ濡れていましたが、あえてスリックタイヤを選択した金澤選手は好スタートを見せ、2周目には17番手、4周目には15番手と着実にポジションをあげつつ、路面が乾くのを待ちました。

 5周目に一旦コースオフして22番手までポジションを落としてしまった金澤選手でしたが、路面も乾き始めてペースがあがり、最終的には11位フィニッシュを飾り、無事デビュー戦を終えました。

 12日の午後に開催された第13戦では1周目に36番手から27番手までポジションをあげ、2周目に25番手、3周目に23番手と着実に前を行くマシンを仕留め、19位でチェッカーを受けました。

 13日(日)の第14戦は、第6戦レース中のファステストラップ順のグリッドとなり、14番手からのスタートでした。1周目を10番手で終えた金澤選手でしたが、オープニングラップのヘヤピンでの事故でセーフティーカーが出され、3周目からリスタートとなりました。

 金澤選手はリスタート後、いまひとつペースが上がらず、14番手までポシションをダウンしましたが、デビュー大会で3連続完走という結果を残し第14戦のチェッカーを受けました。

 63号車のファン選手は11日(金)に実施された予選で、第6戦決勝は14番グリッド、セカンドベストタイムによる第13戦決勝は18番手からのスタートとなりました。

 迎えた12日(土)の第6戦決勝レースでは、濡れた路面に対してスリックタイヤを装着するドライバーも多かったのですが、最前列のふたりと同じく、レインタイヤをチョイスしました。

 ファン選手は見事なスタートを決め、1周目には9番手、2周目には7番手でコントロールラインを通過。しかし路面が乾き始めてしまい、スリックタイヤを装着するドライバーが後方から次々とファン選手をオーバーテイク。

 ラップタイムが5秒近く遅いために、無理なブロックをすることなく、自分のレースに集中しました。結果、18位でチェッカーを受けましたが、このレースのファステストラップで第14戦のグリッドが決定される為、厳しい展開となってしまいました。
 12日午後の第13戦では好スタートを見せたものの、1周目の第3コーナーでイン側からマシンがオーバースピードで飛び込んできたため、接触を避けるために自らアウト側にコースアウトし、大きくポジションを落としてしまいます。

 なんとかコースに復帰後、再び気を取り直して前のマシンを追いましたが、最終的に33位で完走扱いとはなりませんでした。

 13日(日)の第14戦では、23番手グリッドからのスタートでしたが、ファン選手同様、第6戦でレインタイヤを装着したランキング上位のドライバーが周囲を埋め、スタート直後からクリーンでかつ激しいバトルを展開。巧みにマシンコントロールをしたファン選手は、混戦を制して21位でチェッカーを受けました。

■コメント
19号車:金澤力也
「今回のツインリンクもてぎでFIA-F4に参戦したのは、本格的に参戦予定の来シーズンを前に、自分の現時点の力量を見極め、何が自分には足らないのか、どこが強みなのかを見極めておきたかったからです。

 VSR Lamborghini Squadra Corse Formula Junior Teamとは、今年、イタリアの本拠地を訪ねて体力チェックやイタリアFIA-F4車両でトレーニングを積ませてもらっていましたし、ZAP SPEEDさんとは4輪レースデビューからお世話になっているチームなので、レースウィークに大きな緊張はありませんでした。

 練習走行の初日だけは自分の都合が合わず欠席してしまったのですが、その遅れが最後まで響きました。FIA-F4はレベルが高く、ほんのわずかなセットアップの違いで、コンマ1秒を失い、その差によって大きくグリッドが変化してしまうのです。

 予選では3周目のアタックラップ中にコースアウトしてしまいました。なんとかコースに戻ろうとダートを走っていったのですが、スタックして赤旗の原因となったうえ、第13戦の予選タイムが計測できず、嘆願書出走となってしまいました。

 大きく反省しています。自分では気が付かないうちに、プレッシャーを感じていたのかも知れません。第6戦の決勝は濡れた路面ではありましたが、後方グリッドでしたから、スリックタイヤを選びました。最初はコントロールも難しかったですが、すぐに路面が乾きはじめ、いいペースでポジションをあげられました。

 FIA-F4でのデビューレースで11位完走は、チームスタッフは喜んでくれましたが、自分の中では嬉しさと悔しさが入り混じった不思議な感覚でした。第13戦、第14戦は最初から最後まで自分のリズムとマシンのリズムをコントロールしながら、なんとか少しでも上位を目指しました。

 セットアップの変更によるマシンの変化や、路面状況の変化とタイヤのタレ具合など、今回参加した3レースで、来年の為に、本当にいい経験ができたと思います。オフシーズンはしっかりと体力トレーニングに励み、来年はタイトル争いに最初から絡めるような自分になって、FIA-F4シリーズに参戦したいと思っています。

63号車:ファン・ドユン
「今回のレースの前に、シミュレーターでしっかりと練習してツインリンクもてぎに乗り込みました。練習走行から、着実に手ごたえを感じていましたが、ずっとドライ路面だったのに予選でいきなり雨となってしまったので、少し気持ちが焦りました。
 予選は14番グリッドと、自分の中ではやや不満が残る結果でしたが、決勝レースに向けてイメージトレーニングを重ねました。

 第6戦は晴れていましたが、路面は濡れていて、自分たちの前に走ったスーパーGTではスリックタイヤよりレインタイヤが正解だったので、スタート直前にレインタイヤに交換しました。それが今週最大の失敗でした。

 レース序盤はペースが良く、トップも見える位置までポジションアップしたのですが、残念ながら予想以上に早く路面が乾いてしまい、あとはなす術がありませんでした。

 第13戦は気を取り直していいスタートを見せられたのですが、第3コーナーでイン側のマシンがはらんできて、接触寸前まできたので自分からダートに飛び出して、接触を避けました。

 アクシデントにならなくて本当に良かったです。でも、それで僕のレースは終わってしまいました。第14戦は、スターティンググリッドが後方だったので、思いっきりいくしかないと開き直り、最初から最後まで予選のつもりで走りました。

 周囲には、僕と同じく第6戦でレインタイヤを履いてベストタイムが遅かったランキング上位ドライバーがいたので、彼らとのバトルを楽しみました。やはり上位を走るドライバーたちはバトルも上手く、攻撃的でしたが自分のドライビングも負けていなかったので、やはり予選が課題なのだと痛感すると共に、自分の速さに自信を持ちました。

 レース後、イタリアのVSRからこの1年間の成長ぶりを褒められ、12月にイタリアのバレルンガ・サーキットでランボルギーニ・ウラカン・スーパートロフェオ車両で僕をテストしてくれるというお話を頂きました。

 本当に嬉しいし、大きなチャンスだと思います。僕にとっての今シーズンは終わりましたが、しっかりとトレーニングを積んで、ランボルギーニでステップアップができるよう頑張りたいと思っています。

 応援してくださったファンの皆さん、VSR、ランボルギーニのスタッフ、そしてVSR Lamborghini Squadra Corse Formula Junior Team、ZAP SPEEDの全員に感謝したいと思います。ありがとうございました」