マカオFIA GTワールドカップは大荒れ。大クラッシュのバンスールがウイナー

第63回マカオグランプリのFIA GTワールドカップは11月20日、18周の決勝レースが行われ、2回の赤旗中断を挟む大波乱の展開となり、4周でレース終了。大クラッシュを喫したローレンス・バンスール（#8 アウディR8 LMS）がウイナーとなった。

　2015年からFIAによるワールドカップとして開催されているマカオでのGT3レース。19日の予選レースを経て、いよいよ決勝を迎えた。スプリント、そして山側ではチャンスがないことからスタートに賭けるドライバーは多かったが、ポールポジションスタートのバンスールが首位をキープする。

　その背後では、アール・バンバー（#911 ポルシェ911 GT3 R）がマーロ・エンゲル（#1 メルセデスベンツAMG GT3）を牽制し、接触しかける。1周目、後方ではリッキー・カポ（#17 BMW Z4 GT3）がフィッシャーマン・ベンドでクラッシュ。これでタイヤバリアが破損してしまい、赤旗中断となってしまった。

　レースは14時15分にピットレーンからマシンが発進し、セーフティカー先導のもとレースが再開されていったが、再開後1周目、ふたたび大きなアクシデントが起きる。バンバーがバンスールをかわしトップに躍り出るが、マンダリンでイン側の縁石に乗ってしまいアウトにはらんだバンスールは、ガードレールにクラッシュ。マシンが宙を舞ってしまい、バンスールのアウディは逆さに落下してしまった。

　これでふたたび赤旗中断。幸い、バンスールは自力でマシンから降りることができたが、サーキット中が凍り付くようなクラッシュとなってしまった。この処理のため、レースはそのまま赤旗終了となってしまう。

　最終的な順位は赤旗終了前のものとなったため、ウイナーはバンスールとなった。メディカルチェックのため表彰式も遅れたが、「正直に言うと、ここに立っているのは変な気持ちだし、すごく怖かったよ。クルマが逆さまになったんだからね」とバンスール。バンバーはスタート直後のアクションで5秒のタイムペナルティが課され、結果は4位に。2位はケビン・エストーレ（#912 ポルシェ911 GT3 R）、3位はマーロ・エンゲル（メルセデスベンツAMG GT3）となった。

　吉本大樹が駆るHubAuto Racingの#89 フェラーリ488 GT3は、9番手からスタートしたものの、1周目のリスボアまでの位置取りでふたつポジションを落としてしまう。クンフー・チェン（#11 アウディR8 LMS Cup）を追い、アンドレ・クート（#55 ランボルギーニ・ウラカンGT3）を抑えながらの走行となった。

　しかし、最終的に赤旗終了となり、11位という順位でレースを終えている。マニュファクチャラー以外のマシンのウイナーはアデリー・フォン（#10 ベントレー・コンチネンタルGT3）だった。