世界ラリー選手権(WRC)第13戦は20日、SS19~23が行われ、初日からトップを死守していたアンドレアス・ミケルセン(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)が優勝した。
前日、ミケルセンにマシントラブルが発生したことでセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)が2秒差、ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20 WRC)が12秒差まで迫っていた優勝争いは、この日最初のSS19を終えた時点でも差は変わらず激戦が繰り広げられた。
しかし、続くSS20では王者オジエがまさかのスピン。15秒近くタイムを失ってしまう。オジエは総合2番手のポジションは維持したものの、ミケルセンに大きなアドバンテージを与える形となる。
また、このSS20ではパッドンがコースサイドの崖にヒットして左リヤタイヤを損傷。1分近いタイムロスとなり、総合優勝争いから脱落しただけでなく総合3番手のポジションもティエリー・ヌービルに奪われてしまった。
後方からのプレッシャーが消えたミケルセンはSS21でステージトップタイムをマークすると、20秒以上のマージンをもって臨んだSS22~23ではセーフティランに徹して完走。今年7月の第7戦ポーランド以来となる今季2勝目、キャリア通算3勝目を挙げた。
これにより、WRCラストランとなるフォルクスワーゲン・モータースポーツは通算優勝回数を43まで伸ばしている。
「シーズンを締めくくりとして、最高の結果だ」とミケルセン。
「失うものはなにもないイベントだった。普段はチャンピオンシップのことも考えて戦っているけど、今回はただ勝つことだけを念頭に置いていたんだ」
SS20でスピンしたオジエが総合2位でフォルクスワーゲンがワン・ツー・フィニッシュ。総合3位はヌービルだった。
中盤以降の争いではエリック・カミリ(フォード・フィエスタRS WRC)が総合8番手走行中にマシンを横転させるアクシデントを起こしデイリタイア。また、プライベーターのロレンツォ・ベルテリ(フォード・フィエスタRS WRC)はドライブシャフトにトラブルを抱えながらの走行で徐々にポジションを落としてしまった。
この結果、WRC2で単独首位に立っていたエサペッカ・ラッピ(シュコダ・ファビアR5)が、総合8位に食い込む快進撃をみせ、クラスチャンピオンに輝いている。