20日に6時間の決勝レースが行われたFIA世界耐久選手権(WEC)第9戦バーレーンに逆転のドライバーズタイトル、そしてアウディと争うマニュファクチャラーランキング2位の座をかけて挑んだTOYOTA GAZOO Racing。しかし、決勝結果は4位、5位と苦戦。逆転王座には届かなかった。
トヨタは予選で、セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デイビッドソン/中嶋一貴組5号車TS050ハイブリッド、ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉組6号車TS050ハイブリッドの2台ともにベストタイム抹消の不運があり、後方グリッドからのスタートを余儀なくされる。
迎えた決勝、5番手スタートの6号車トヨタは可夢偉がスタートを担当。序盤から前を走る7号車アウディR18を追いかけるが、オーバーテイクには至らず。逆に6番手スタートのチームメイト5号車に追い上げを受ける展開となってしまう。
その後、前を走るポイントリーダーの2号車ポルシェ919ハイブリッドが下位クラスのマシンと接触してリヤタイヤをパンク。緊急のピットインを余儀なくされたことで、5号車、6号車ともにひとつずつ順位を上げる。
しかし、トップ2を占めるアウディ陣、3番手の1号車ポルシェとはレーススピードに絶対的な差があり、これ以上のポジションアップは叶わず。最終的にトップから1周遅れで5号車が4位、6号車が5位でフィニッシュした。
ポイントリーダーの2号車ポルシェが6位に入ったこともあり、ドライバーズランキングで17点差を追い上げることは叶わず。また、アウディがワン・ツー・フィニッシュを達成したため、マニファクチャラーランキングの逆転もならなかった。
4位に入った5号車の一貴は「今日はレースペースでアウディにまったく届かず、想定より厳しいレースになってしまった」と振り返る。
「しかし、マシンの感触は良く、チームの働きも見事でした。その点では満足いくレースでしたね」
今年がLMP1フル参戦初年度で、最終戦までタイトル獲得の可能性を残してきた可夢偉は「5位フィニッシュというのは残念なシーズン終幕。十分な実力を発揮することができなかった」と悔しさを滲ませた。
「WEC最後のレースを勝利で飾ったアウディと、タイトルを獲得した2号車ポルシェを祝福する。僕たちはシーズンを通して彼らと素晴らしい戦いを繰り広げることができた」
「しかし、最終戦の今日は残念ながら僕たちの速さが及びませんでしたね。来年は、さらに力強くなって戻ってきます」
可夢偉のほか、TOYOTA GAZOO Racingの佐藤俊男代表も「来シーズンの準備に全力を傾け、ふたたび上位争いを繰り広げるべく、さらに戦闘力を上げて帰って来たいと思います」とコメントしているように、すでにトヨタは2017年シーズンへ向け動き出しているという。
2017年のWEC開幕戦シルバーストンは4月16日。14年シーズン以来となるチャンピオン獲得、そして今年、目前で手から滑り落ちた悲願のル・マン24時間制覇に向け、すでに戦いは始まっている。