メルセデスのニコ・ロズベルグは、F1タイトルの行方が決定する最終戦アブダビGPをどのようなアプローチで戦うのかをまだ決めあぐねている。
ロズベルグは昨シーズンの世界チャンピオンでメルセデスのチームメイト、ルイス・ハミルトンを12ポイント上回っている。ハミルトンは最終戦で今季10回目の優勝を獲得すれば25ポイントを稼げるが、その場合でもロズベルグは3位でフィニッシュすれば自身初の世界タイトルを手にすることになる。
■2016年第20戦ブラジルGP終了時点のドライバーズ選手権トップ5
1.ニコ・ロズベルグ 367点
2.ルイス・ハミルトン 355点
3.ダニエル・リカルド 246点
4.セバスチャン・ベッテル 197点
5.マックス・フェルスタッペン 192点
ここまでロズベルグは一貫して、タイトル獲得の可能性についての話題を出されても、「一戦一戦を戦っていくだけだ」と答えるにとどまっていた。
だがロズベルグは、彼のキャリアで一番の山場となるレースにどのように取り組むか、今のところ迷っていると認めた。アブダビでは、タイトル獲得に最低限必要な3位を安全に確保しに行くこともできるし、全力で優勝を狙うこともできる。
「最後のレースにどういうアプローチを採るのか、まだ分からない」とロズベルグ。
「(アブダビの)木曜にはお話しできると思う。そのころまで少し考える時間があるからね」
「いつものように難しいレースウイークエンドになるだろう。いつだって試練だ。F1には簡単なことは何ひとつない」
ハミルトンはここのところ絶好調で、直近の3つのレースで優勝し、徐々にロズベルグとのポイント差を切り崩している。
しかしシーズン前半にエンジントラブルが続き、ポイント獲得を逃してきたため、4度目の世界タイトルを獲得できるかどうかは、彼のコントロールの及ばない状況にある。
ハミルトンは20戦終了時点で、ロズベルグと同じく9回の優勝を飾っている。先週末のブラジルGPでの自分のパフォーマンスには満足しているというハミルトンだが、アブダビを前に難しい立場であることを認めた。
「ブラジルでは他の全員に勝つことができてうれしかった」とハミルトンは語った。
「同じマシンに乗っているニコに勝ったのはうれしい。彼は今、ドライバーとしてベストの状態だ。その彼を日曜に全く寄せ付けなかった」
「僕らチームが歴史を作り続けていることをうれしく思っている」
「今年初めに新しく僕の担当になったメカニックたちと、とてもうまくやっている。彼らは優れた仕事をしてくれているし、よい関係にあるのがうれしいよ」
「ニコはやらなければいけないことすべてをやっている。毎戦完走し続け、僕と違ってトラブルも起きていない。だから最終戦に向けて僕は厳しい立場にいるんだ」
「(ブラジルの)日曜のような走りをしたとしても、大きな違いにはならない。今年ここまでにすでにたくさんのポイントを失ってしまったからだ」
「でも何が起こるか分からないから、諦めることはできないよ」
「可能性は低くても、何が起こり得るかは誰にも分からない」