FIA世界耐久選手権(WEC)第9戦は19日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで6時間の決勝レースが行われ、ロイック・デュバル/ルーカス・ディ・グラッシ/オリバー・ジャービス組8号車アウディR18がポール・トゥ・ウィンを飾った。
シリーズ最終戦となったバーレーン戦。既に撤退を発表しているアウディを待っていた結末は、ワン・ツーフィニッシュという最高の結果だった。
現地時刻16時にスタートした決勝レースでは、序盤からアウディ勢が速さを見せる。ホールショットを奪った8号車に続き、マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組7号車アウディがポイントリーダーのロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リエブ組2号車ポルシェ919ハイブリッドを抜き去り、レース開始から約20分でワン・ツー体制を構築。
開始から50分を過ぎたところで、ジャニがドライブしていた2号車ポルシェがGTEのポルシェと接触し、左リヤホイールを破損してしまう。ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉組6号車トヨタTS050ハイブリッドとタイトル争うポルシェ陣営のピットに緊張感が走るが、ジャニは冷静にマシンをピットまで運び、順位は落としたものの、タイヤ交換を行いレースを続行。
一方で、アウディ勢は8号車と7号車ともに非常に順調にレースを進め、ピット戦略の違いやフルコースイエロー導入などをきっかけに、何度か首位の座を入れ替えながらも、ライバルメーカーに付け入る隙を与えず、レース終盤まで盤石のレース運びを展開した。
6号車トヨタTS050は逆転タイトルを獲得すべく2位以内のフィニッシュを目標に終始奮闘し続けたが、ポジションアップは叶わず、最終的にはアンソニー・デイビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴組5号車とのチームメイトバトルの末に5位でレースを終えている。
その後もアウディ勢はワン・ツー体制を堅持し続けフィニッシュ。16年限りでのWEC撤退を発表し、ラストレースとなった最終戦バーレーンで完璧なレース展開を披露し、有終の美を飾った。3位表彰台を射止めたのはティモ・ベルンハルト/マーク・ウエーバー/ブランドン・ハートレー組1号車ポルシェ919ハイブリッド。キャリア最後のレースを戦い終えたウエーバーに惜しみない声援が送られた。
全9戦のレースを終え、ドライバーズタイトルに輝いたのは2号車ポルシェ。ポルシェはドライバー、コンストラクターともに連覇を達成した。
LMP2はR.ルシノフ/A.ブランドル/W.スティーブンス組26号車オレカ05・ニッサンが、43号車リジェJSP2・ニッサンとの激しいバトルを制しポール・トゥ・ウィンを達成。
LM-GTEプロクラスは95号車アストンマーチン・バンテージが勝利しタイトルを獲得、アマクラスは88号車のアブダビ-プロトン・レーシングが勝利を飾り、クラス3位でフィニッシュした83号車フェラーリ458イタリアがタイトルを獲得した。