18日、FIA世界耐久選手権(WEC)の今季最終戦、第9戦バーレーンの公式予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racingは5号車、6号車ともにアタックラップでトラックリミット違反があり、ベストタイム抹消。それぞれ、予選6番手、同5番手から決勝レースへ臨む。
ドライバーズランキングでは、6号車トヨタTS050がトップの2号車ポルシェ919ハイブリッドと17点差、マニュファクチャラーランキングでは2番手のアウディと15点差という状況で最終戦に臨んでいるTOYOTA GAZOO Racing。逆転王座獲得に向け、重要な意味を持つ予選では不運に見舞われてしまう。
予選セッションで、5号車トヨタTS050ハイブリッドは中嶋一貴とアンソニー・ビッドソンを、6号車TS050は小林可夢偉とマイク・コンウェイを起用して臨んだ。5号車はデイビッドソンがアタックラップ2周目にベストタイムを記録したが、13コーナーの立ち上がりで4輪が脱輪。タイム抹消の裁定を受けてしまう。
デイビッドソンは急きょ、追加でアタックを行ったものの、タイヤグリップのピークは過ぎており、タイム更新はならず。LMP1-H最後方の6番手グリッドに終わった。
「不満の残る結果」と語るのは、ベストタイムを記録していたデイビッドソン。
「アタック自体は満足いくものだったが、13コーナーのはみ出し判定でペナルティを受けた」
「もう1周、アタックに臨んだがタイヤグリップの頂点は過ぎていたんだ。ただ、レースペースには手応えを感じている。決勝では今日の想いを晴らすよ」
一貴も「決勝レースを見据えて準備をしてきた。必ず上位争いをしてみせる」とコメントし、決勝レースに向けて自信を覗かせた。
逆転タイトルの可能性を残す6号車は、まずは可夢偉がアタックしてタイムを刻むと、即座にコンウェイとドライバーチェンジ。そのコンウェイは5周目に昨年のポールタイムを上回るタイムを叩き出したものの、こちらは4コーナー出口でタイヤが脱輪したと判断され、僚友と同じくタイム抹消のペナルティとなってしまう。
当初は、ふたたび可夢偉にステアリングを引き継ぐ予定だったが、ペナルティを受けたコンウェイがアタック続行。しかし、1分40秒台の壁を破ることができず5番手で予選を終えることとなった。
「マシンポテンシャルを最大限に引き出していただけにタイム抹消は残念だ」とコンウェイ。
「個人的にはコースアウトはしていなかったと感じていたけど、判断を尊重する。フロントロウを狙える手応えがあったから残念だよ」
同じくアタッカーを担当した可夢偉は「今日の結果は残念だけど、6時間もの長い決勝では予選順位にあまり意味はない。最後まで全力を尽くす」と語り、すでに決勝へ向け気持ちを切り替えているようだ。
2014年シーズン以来の王座奪還がかかるWEC第9戦の決勝レースは、19日の現地16時、日本時間22時にスタートする。