第63回マカオグランプリは11月19日、FIA GTワールドカップの予選レースが行われ、ポールポジションスタートのエドワルド・モルタラ(#7 アウディR8 LMS)がスピンを喫する波乱の展開のなか、2番手スタートのローレンス・バンスール(#8 アウディR8 LMS)がポルシェ勢をおさえ優勝を飾った。
12周で争われたスタートは、いきなりの波乱で始まった。スタート直後、ポルシェ911 GT3 Rらしいスタートダッシュで2列目の#911 アール・バンバー、#912 ケビン・エストーレがフロントロウの2台のアウディに迫っていくと、ポールポジションスタートのモルタラがまさかのスピン! イン側のガードレールにヒットしてしまう。
幸い後続の車両はすべてモルタラを避けることができたが、これで首位はバンスールに。バンバー、エストーレとポルシェ勢が続くことになった。さらに1周目、ニコ・ミューラー(#15 アウディR8 LMS)がリスボアでクラッシュしてしまう。翌周、コースに復帰したミューラーは1コーナーでクラッシュしてしまい、これでセーフティカーが導入される。
セーフティカーは9周目に解除され、バンスールを追うポルシェ勢は首位を狙いにいくが、バンスールはしっかりと首位をキープ。上位はそのままの順位でフィニッシュし、バンスールが予選レース優勝、バンバー、エストーレというトップ3となった。
思わぬスピンとなったモルタラは、ピットに戻ってリヤウイングを修復した後、決勝レースに繋げるべく前を猛追。ただ、ファイナルラップでダリル・オーヤン(#99 ポルシェ911 GT3 R)と接触してしまっている。
HubAuto Racingのフェラーリ488 GT3を駆る吉本大樹は、「ローリングスタートのときの90km/hという速度がちょうどフェラーリと合っていて、蹴り出しが良かった」とスタートで好位置をキープ。予選13番手スタートから9位でフィニッシュし、20日の決勝に向けシングルポジションを獲得。マニュファクチャラー登録以外のマシンの4位となった。
「まだ課題はあって、ピレリタイヤは一度熱を入れて冷ますと柔らかくなるようで、レース中はいろんなところで底打ちをしてしまっていた。明日はみんなアグレッシブに来ると思いますが、スタートでしっかり順位を上げて、マニュファクチャラー登録車以外にもポディウムがあるので、そこに乗りたいですね」と吉本は翌日に向けて上位を見据えた。