世界ラリー選手権(WRC)第13戦オーストラリアは18日、SS1~11が行われ、アンドレアス・ミケルセン(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)がトップタイムをマークした。
フォルクスワーゲンの撤退発表から2週間強、2016年シーズンの最終戦、そしてフォルクスワーゲンのWRC“ラストラン”となるラリー・オーストラリアが開幕した。
ラリー・オーストラリアはシドニーとブリスベンの中間に位置するオーストラリアの観光都市、コフス・ハーバーを中心に開催されるグラベル戦。道幅が狭く曲がりくねったステージや林道を駆け抜けるテクニカルなステージが設定されている。
この大会に“必勝命令”を受けて臨んでいるフォルクスワーゲン勢のうち、ミケルセンがオープニングから快走。ミケルセンは午前中に行われた5SS中4SSで最速タイムをマークして、10秒以上のギャップを構築する。
午後に行われた6SSでステージトップを奪ったのは1SSのみだったが、それでも総合首位のポジションを維持。15.4秒のリードをもって19日の走行に臨む。
ミケルセンに続く総合2番手には僚友オジエがつけた。オジエは午前中の段階では総合3番手だったものの、午後の走行で路面コンディションが改善したことでペースが向上。2番手につけていたヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20 WRC)がタイヤギャンブルに失敗してポジションを落としたこともあり、順位を逆転した。
総合3番手はティエリー・ヌービル、総合4番手はパッドンとタイヤ摩耗に苦しんだヒュンダイ勢が獲得。フォード・フィエスタRS WRC最上位となる5番手にはマッズ・オストベルグがつけている。
ミケルセン、オジエとともに、これがフォルクスワーゲンでのラストラリーとなるヤリ-マティ・ラトバラは、SS1を走行中、橋の欄干に接触。リヤサスペンションに大きなダメージを負ってしまい、総合16番手スタートと大きく出遅れたほか、この大会の路面コンディションと相性が良いとみられていたDMACKタイヤユーザーのオット・タナクは地元警察の「誤った誘導」により、SS10のスタートタイムに遅れるアクシデント。40秒のタイムペナルティが課され、総合8番手となっている。
シュコダ勢同士のタイトル争いが繰り広げられているWRC2では、ポイントリーダーのエサペッカ・ラッピ(シュコダ・ファビアR5)が快走。上位クラスの間に割って入る総合9番手となった。
19日には、SS12~18の6SSが行われる。