ハースF1チーム代表ギュンター・シュタイナーとエステバン・グティエレスが、ブラジルGP決勝中、ガレージ内で見せた緊迫したいさかいのシーンについて説明した。シュタイナーは、再びトラブルに見舞われたグティエレスが怒りを示すのは当然だと述べている。
ブラジルGPの週末、ハースは来季ケビン・マグヌッセンがロマン・グロージャンのチームメイトとして加入することを発表、グティエレスが同チームのシートを失うことが確定した。そのレースでグティエレスのマシンには電気系統のトラブルが発生、残り11周というところでレースを終えた。今季グティエレスはしばしばテクニカルトラブルに見舞われており、ここまでの20戦のうち5回リタイアしている。
ガレージに戻ったグティエレスは怒りに満ちた様子で床にグローブを叩きつけた。またその後、国際映像で、ガレージから出て行こうとするグティエレスの腕をシュタイナーがつかんで制止するといった緊迫した場面も放映された。
話題になったこの一件について聞かれたシュタイナーは「彼はいいレースをし、思いどおりの走りをしていただけに(リタイアしなければならなくなり)苛立っていた」と語った。
「電気系統のトラブルが発生し、ポジションを落とした。その後、巻き返したにもかかわらず、また問題が起きてしまった」
「彼は来年のハースのシートをつかめなかった。そのこともあって彼は感情的になっていた」
「話をしたが、彼は大丈夫だったよ。時には『もうやめよう』と言わなければならないことがある。感情的になっても意味がないからね。彼はきちんと行動できたと思う」
「彼に落ち着くよう言った。場所を移して話をしよう、とね。あの時は、彼の行動がエスカレートする前に、そう言う必要があった。あとは問題なかった。彼も落ち着いてくれた」
「彼の言動を尊重する。人は皆、感情を持っている。感情がなければここにいるべきではない」
悪天候の中でリタイアするマシンが続出し、下位チームにもトップ10に入るチャンスが訪れたにもかかわらず、今回もまた入賞を逃したことに本当にがっかりしたと、グティエレスは認めている。
シーズン序盤、チームメイトのグロージャンが連続して入賞していた時期にも、グティエレスにはテクニカルトラブルが相次いた。グティエレスは今年5回、11位でフィニッシュしているが、一度もポイントを獲得できずにいる。
グティエレスは、ブラジルGPのガレージ内での一件について聞かれ「あれはタイミングが悪かった」と答えた。
「悪いタイミングで彼が近づいてきた。でもあの後すぐ、僕らは笑って話したよ」
「もちろん、僕は誰かに対して怒っていたのではなく、あの状況に怒っていた」
「今年はずっとこんな感じだった。ああいうことが頻繁に起こった。特にチャンスがあるときに限ってね」
「ブラジルでもまたチャンスがあったのに、僕には制御できないことが起こった。これは受け入れがたい」
「でも前に進み続けるよ。絶対に諦めない。今回もまた僕という人間、僕の強さを試すような出来事が起きた。僕はそうとらえて、この試練を切り抜けてみせる」