ヨス・フェルスタッペンは、息子であるマックスが雨のブラジルGPで見せたドライビングスキルは天性のものだと称賛した。
インテルラゴスのウエットレースはアクシデントが多発した波乱の展開になったが、このレースのスターのひとりがレッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。終盤にピットインして後方に順位を下げたものの、新品のウエットタイヤでオーバーテイクを繰り返し、最終的に3位でフィニッシュした。
ヨスは、父親である自分でさえも息子の素晴らしい走りに驚かされたと述べた。
「息子のことはよく分かっているし、一緒に多くのレースを経験してきた。だが(ブラジルGPの走りは)信じられないほど素晴らしかった」とヨスは語った。
「最後に追加のピットストップをした時、私は『オーケー、このレースは終わった』と思った」
「だが彼はそこからまた戦い始めた。あんな場面を私は見たことがない」
「(1993年ヨーロッパGP決勝のウエットコンディションとなった)ドニントンで(アイルトン・)セナがあんな感じだったと言う人もいる。そうかどうかは分からないが、とにかく素晴らしかったね」
「彼のドライビングとライン取りを注意深く見れば、ああいう走り方をしていたのはコース上で彼だけだったことが分かる」
「あれは教えられるものではない。すべての状況を分析するため、最初の6周、セーフティカーの後ろで走っている時に、彼はあらゆる場所をチェックしていた」
「キミ(・ライコネン)をプッシュしているように見えたが、実際はグリップを探していたのだ」
「彼は準備をしていた。(3位は)その結果だ。さらにマシンコントロールもよかった。そういったすべてが揃った結果なのだ。準備を整えたことを含め、すべてがね」
ブラジルGPで4レースぶりにパドックに姿を見せたヨスは、メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフの要請で戻ったという見方を否定した。
ウォルフはブラジルGP前にヨスに電話し、さまざまな話をするなかで、マックスの最近のドライビングにも触れた。マックスはメキシコGPでニコ・ロズベルグに接触しており、こういったことがロズベルグとルイス・ハミルトンのタイトル争いに影響することを恐れたウォルフが、マックスに慎重な行動を促すため、父に話をしたものと考えられている。
この行動をレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは批判したが、ウォルフは後悔するようなことはしていないとし、報道のなかに誤解があると主張している。ヨスも、この件は事実よりも大げさに吹聴されていると語った。
「私が戻ってきたのは、電話や何かとは全く関係がない」とヨスは付け加えた。
「ふたつの異なった見方ができるだろうが、それもいいだろう」
「トトとはとてもうまくやっているし、起こったことは問題でもなんでもない。彼は友人なんだ」
「このいきさつについて何の不満もない。F1の世界ではマックスの話で持ちきりだ。それはF1にとってもマックスにとってもよいことだ」