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マカオGP:日本勢は山下をのぞき初日“下位”からのスタート。2日目巻き返し狙う

2016年11月17日 21:41  AUTOSPORT web

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クラッシュした坪井翔(TEAM TOM'S)
第63回マカオグランプリは11月17日、マカオのギア・サーキットでFIA F3ワールドカップのプラクティス1と予選1回目が、GTワールドカップはプラクティス1が行われたが、F3で予選1回目4番手となった山下健太(スリーボンド・ウィズ・Tスポーツ)をのぞき、日本勢はいずれもリザルトとしては下位に沈むことになった。

 公道を封鎖し、バンピーで狭く、一歩間違えば即クラッシュに繋がり、走行時間がどんどん削られてしまうマカオGP。今回、全日本F3勢は山下をのぞく5名がマカオ初走行で、プラクティス1ではいずれも慎重にコース、そして初めてのピレリタイヤを覚えながらの走行となった。

 一方、マカオ3年目となる山下がプラクティス1では3番手につけ、その後の予選でも4番手につけたが、コース習熟をしなくてもいい分、本人も「今日はいい1日になりました」と順調なすべり出しをみせている。また、この日のF3、GTの上位の顔ぶれを見ても、やはりマカオでは複数年経験があると、その分初日はアドバンテージがあるようだ。

 逆にマカオが初めてのメンバーは、プラクティスで牧野任祐(TODA RACING)がリスボアでクラッシュ。走行時間を失ってしまい、クルマは直ったものの「クルマが信頼できない状態」と思ったように攻められていない様子。苦しんでいるコメントを残したのは「ドライブしづらかった」というヤン・マーデンボロー(B-MAX Racing Team)も同様だ。

 また、坪井翔(TEAM TOM'S)も事前のシミュレーターと実際に走行してのすりあわせはすぐにできたというが、予選では終盤セット変更でフィーリングが良くなった段階で、モーリッシュでクラッシュしてしまう。少しずつ攻めていたという坪井だったが、思わぬクラッシュとなってしまった。

 一方で「順調」というのは佐々木大樹(B-MAX Racing Team)だ。順位としては27番手だが、「ニュータイヤを入れても、絶対にクルマを壊さず、距離を稼いでコースを覚えることに集中した」という。イェ・ホンリー(B-MAX Racing Team)も「とにかく安全にいった。あの順位は理由があるよ」とコメント。初挑戦の5人にとっては、やはり予選2回目が勝負どころとなりそうだ。

 そして、GT3カーで争われるGTワールドカップも同様の印象のプラクティスだった。マカオに慣れたメンバーがコースイン直後からハイペースで周回していたのに対し、HubAuto Racingのフェラーリ488 GT3を駆る吉本大樹も、コースイン直後にネジを踏んでしまい(!)タイヤ交換を強いられたものの、その後は安全優先で走行した。

 予選に向けて吉本に話を聞くと「これからクルマで2秒、ドライバーで3秒は上げられます」という。ただ、それでも上位のワークス勢には届かないため「そこをこれから考えていきます」と吉本。

 F3にしてもGTにしても、ガードレールに囲まれるマカオではひとつのクラッシュが大変な遅れとなってしまう。ただ、最後に前にいるクルマが讃えられるのがレースだ。走行2日目以降の日本勢の巻き返しに大いに期待したい。