F1の世界で活躍し、マクラーレンのチームドクターとしてミカ・ハッキネン、キミ・ライコネン、ルイス・ハミルトンらを支えてきたことで有名なアキ・ヒンツァ医師が、58歳で亡くなった。
ヒンツァ氏は整形外科と外傷手術の専門家で、F1に関わる前には1980年代と90年代にエチオピアで医療の仕事に従事していた。
彼は1998年にマクラーレンに加入し、11年間をチームドクター、そして最高医療責任者として過ごした。
最近の数カ月はがんと闘っており、最後にグランプリの現場に姿を見せたのは、今年のイタリアGPが開催されたモンツァだった。
マクラーレンはヒンツァ医師の死を受けて以下のような声明を発表した。
「私たちは今朝、アキ・ヒンツァ医師の訃報に接し、深い悲しみの中にあります」
「アキはこの数カ月、驚くべき勇気をもってがんと闘ってきました。彼に出会った人々は皆、その不屈の精神に勇気づけられました」
「彼が最後にグランプリに姿を見せたのは、今年のモンツァです。痩せてしまった身体の中で病気と闘っていたにもかかわらず、その温かい微笑みや周囲の人々をも巻き込む笑い声は相変わらずでした」
「彼は58歳の若さで、あまりにも早く召されました。しかしその短すぎる生涯において、彼の2倍近く生きる人々よりもたくさんのことを成し遂げたのです」
「そして、その中で、彼は出会ったすべての人々の人生に光を当ててきました。彼はいつでも、人懐こくて、面白くて、優しくて、思慮深い人でした」
「敬愛する友よ、神のご加護を。これから寂しくなります。そんな言葉では表せないくらい、そしてあなたの想像を超えるくらい、寂しく思うでしょう」
マクラーレンは、ヒンツァ氏は特にハッキネン、ライコネン、ハミルトンの大きな支えになったと付け加えた。
「アキは、彼ら(ハッキネンとライコネン)が精神面や感情的な部分を強くし、不安定だった才能を統制のとれたパフォーマンスにつなげるための手助けをしました。それがマクラーレンに多くのグランプリ優勝を、またミカについて言えば1998年と1999年のタイトルという成果をもたらしたのです」
「間違いなく、アキはマクラーレン在籍中のルイスを精神面で支える重要な役割を果たしました。ストレスを抱えた時、ルイスがまず頼るのは多くの場合、アキでした」