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Audi Team Hitotsuyama スーパーGT第3戦/第8戦もてぎ レースレポート

2016年11月17日 14:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

リチャード・ライアン、藤井誠暢(Hitotsuyama Audi R8 LMS)
Audi Team Hitotsuyama
Press release - 2016.1115-007 15/11/2016

Race Report
Super GT 2016 Series
Round-3/MOTEGI GT 250km RACE

Audi Team Hitotsuyamaが念願の初勝利
 Audi Team Hitotsuyamaは、2016年11月12日、栃木県のツインリンクもてぎで開催されたスーパーGT第3戦「MOTEGI GT 250km RACE」で初優勝を飾りました。

 このレースは、今年4月に発生した熊本地震により中止となった第3戦オートポリス大会に代わるもので、第8戦もてぎ大会の土曜日に第3戦、日曜日に第8戦がそれぞれ開催されます。

■予選
 2レース制となったもてぎ大会では、通常ノックアウト方式で行われる予選が15分間のタイムアタックに変更されました。参加できるドライバーは1名で、第3戦と第8戦を同じドライバーが走ることはできません。

 第3戦の予選はリチャード・ライアンが担当しました。前日からの雨は上がり、雲が途切れ始めたツインリンクもてぎでしたが、路面はまだ濡れたままの状況です。「このコンディションはダンロップタイヤを履くわれわれにとって有利。

 ポールポジションを狙っていました」とはチーム代表の一ツ山亮次。実際、ウェットタイヤでコースインしたライアンは、午前8時35分から始まったセッションの前半から上位タイムをマークしています。

 予選途中で別のウェットタイヤに交換したライアンはさらに自己ベストを更新し、予選ぎりぎりのタイミングで1分55秒522を叩き出します。トップにはコンマ590秒及ばなかったものの、2番手、フロントロウのスターティンググリッドを手に入れました。

■予選結果
P1 #11 GAINER TANAX AMG GT3 平中克幸/ビヨン・ビルドハイム
P2 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS リチャード・ライアン/藤井誠暢
P3 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人/山内英輝

■決勝
 決勝が始まる午後1時過ぎまでには路面はすっかりドライコンディションに変わりました。Audi Team Hitotsuyamaはライアンにスタートを託します。

 午後1時13分に始まったレースはローリングスタート時に目立った混乱もなく、ライアンは2位のポジションを守ったまま1コーナーをクリアしていきます。

 その直後、GT300のマシンがクラッシュし、セーフティカーが導入されますが、再スタート後も、ライアンは前を走る#11 GAINER TANAX AMG GT3のビルドハイム選手と付かず離れずの距離を保ちながら、冷静なドライブで着実 に周回を重ねていきました。

「リチャードには『抜ければ抜いてもいい。ただ、タイヤを交換しないかもしれないので無理しないように』と伝えてありました。リチャードからは『タイムはまだ詰められるけど、後半のトモ(藤井)がラクに走れるようにタイヤのマネージメントをするよ』と無線が入りました。

 そんな彼の走りは、本当に安心して見ていられるものでしたね」と一ツ山。25周を終えたところで、ライアンがドライバー交替のためにピットに戻り、チームは給油作業のみを行い、Hitotsuyama Audi R8 LMSをコースに送り出しました。

「スタート時点ではタイヤ無交換作戦を決定していたわけではありませんでした。24周を終えてピットインしたGAINERの11号車がタイヤを交換しなかったので、われわれもそれに合わせたのです。

 GAINERの前に出られるかどうかというタイミングでしたが、完璧なピット作業をこなしてくれました。給油量をギリギリのラインまで計算してくれたエンジニア、そしてミスなく的確な作業をしてくれた給油マンのおかげでこちらの方が2秒以上ピットストップの時間が短かったですし、藤井もアウトラップでフルプッシュしてくれたので、11号車の前に出ることができました」(一ツ山)。

 これにより、実質的にトップに躍り出た#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSは、藤井がタイヤを労りながら、ポジションを守り続けます。

 終盤にはタイヤの状態が厳しくなり、また、#88 マネパランボルギーニGT3と#33 Excellence Porscheの追い上げもありましたが、藤井はトップを守り 切って、Audi Team HitotsuyamaにスーパーGT300クラス初勝利をもたらしました。

■決勝結果
P1 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS リチャード・ライアン/藤井誠暢
P2 #33 Excellence Porsche 山野直也/ヨルグ・ベルグマイスター
P3 #88 マネパ ランボルギーニ GT3 織戸学/平峰一貴

チーム代表 一ツ山亮次のコメント
Audi R8 LMSでスーパーGTに参戦してから5年目。アウディ・ジャパン/アウディ・スポーツのサポートを受け、リチャード・ライアンと藤井誠暢のコンビになって3年目にして、ようやく優勝することができました。

 ドライバーをはじめ、アウディ・ジャパン、スポンサーの皆さま、ダンロップタイヤ、応援していただいているファンの皆さま、そしてもちろんチームのスタッフ全員にも本当に感謝しています。

 明日はウェイトハンディがゼロになり、また予選はドライになるでしょうからフロントロウは厳しいかもしれません。それでもマシーンもタイヤもこのもてぎには合っていますので、決勝レースではチャンピオンを目指して頑張ります。

Audi Team Hitotsuyama
Press release - 2016.1115-008
15/11/2016

Race Report
Super GT 2016 Series
Round-8/MOTEGI GT GRAND FINAL

Audi Team Hitotsuyamaが チームランキング3位でシーズンを終える
 Audi Team Hitotsuyamaは、2016年11月13日、栃木県のツインリンクもてぎで開催さ れたスーパーGT第8戦「MOTEGI GT GRAND FINAL」で4位入賞を果たし、チームランキ ング3位でシーズンを終えることができました。

 初優勝の興奮も醒めやらぬなか、スーパーGT最終戦が前日と同じ1デイ方式で開催されました。シリーズタイトルが狙える位置にあるAudi Team Hitotsuyamaは、ふたたび表彰台を獲得すべく、まずは早朝の予選に挑みました。

■予選
 前日の第3戦同様、ドライバー1名が15分間のタイムアタックを行う予選には藤井誠暢が臨みました。この日は朝から雲ひとつない快晴に恵まれ、路面も完全なドライコンディションです。

 Audi Team Hitotsuyamaは前日と同様、タイヤ無交換作戦を予定しており、予選には決勝スタートで使う硬めのタイヤをチョイスし、藤井が乗る#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSをコースに送り出します。

 入念にタイヤに熱を入れたのちタイムアタックに挑んだ藤井は、5周目に1分47秒172をマークしましたが、トップからコンマ412秒遅れの8番手に留まりました。

 チーム代表の一ツ山亮次は「昨日と違ってドライコンディションでの予選になりましたので、第3戦ほど良いポジションは難しいとは思っていました。予想以上にヨコハマタイヤ勢が好調で、予選8位という結果となったものの、なんとかシングルグリッドは確保できましたので、決して悪い結果では ないでしょう」とコメントしました。

■予選結果
P1 #31 TOYOTA PRIUS apr GT 嵯峨宏紀/中山雄一
P2 #65 LEON CVSTOS AMG-GT 黒澤治樹/蒲生尚弥
P3 #88 マネパ ランボルギーニ GT3 織戸 学/平峰一貴
P8 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS リチャード・ライアン/藤井誠暢

■決勝
 初優勝を遂げた第3戦同様、この第8戦でもタイヤ無交換でレースを走りきりたいAudi Team Hitotsuyama。スタートドライバーはリチャード・ライアンが担当しました。

 1周のパレードラップののち通常のフォーメーションラップが行われ、午後1時37分にレースがスタート。危なげないスタートを切ったライアンは、前戦のようにタイヤを労り、ラップタイムをコントロールしながら周回を重ねていきます。

 ところが、チームは作戦の変更を余儀なくされる事態に直面します。「予選で使った硬めのタイヤでスタートしましたが、10周を過ぎたあたりでリチャードから『タイヤが厳しくなりそうだから、交換しないと最後までは走りきれないと思う』というコメントが無線で入りました。

 そこで思い切ってタイヤを4本替える作戦に変更しました。リチャードには行けるところまでプッシュしてもらうことにしたのです」(一ツ山)。

 ライバルの多くがピットストップを終えたところでAudi Team Hitotsuyamaはライアンから藤井にドライバー交替。タイヤを4本交換して、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSをコースに戻しました。

 この時点で実質11番手までポジションを落としたものの、新しいタイヤを手に入れた藤井は、一時はファステストラップを記録するなど果敢な走りで前を走るライバルたちに詰め寄り、39周目には6位までポジションアップを図ることに成功しました。

 その後も追撃の手を緩めない藤井は、#26 TAISAN SARD FJ AUDI R8を交わすと、今度はポイントランキングでも直接のライバルとなる#3 B-MAX NDDP GT-Rを射程圏内に。オーバーテイクポイントを探る藤井は、ブレーキング勝負で遂に3号車のインに飛び込み4位に浮上しました。

 さらに前方の#4 グッドスマイル 初音ミク AMGを追い上げましたが、レースはそのままチェッカードフラッグが振られ、4位入賞で第8戦を終えました。

 この結果、Audi Team Hitotsuyamaは NDDP RACINGとともにチームポイントを76とし、VivaC Team TSUCHIYA、aprに次ぎラン キング3位、FIA GT3勢としてはトップのポジションで2016シーズンを締めくくることになったの です。

■決勝結果
P1 #25 VivaC 86 MC 土屋武士/松井孝允
P2 #31 TOYOTA PRIUS apr GT 嵯峨宏紀/中山雄一
P3 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝/片岡龍也
P4 #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS リチャード・ライアン/藤井誠暢

チーム代表 一ツ山亮次のコメント
 第8戦は4位と、わずかに表彰台には手が届きませんでしたが、シリーズでは3位を獲得することができましたし、FIA GT3マシン、それから外国車の中ではランキングトップの座を 獲得することができました。

 GT300クラスはJAF/MC勢とFIA GT3勢のキャラクターが ここまでかけ離れてきてしまっていることを考えれば、この結果はシリーズチャンピオンにも値するのではないでしょうか。

 2016年からマシンが新型に変わったことで、そのパフォーマンスが格段に上がりましたし、ダンロップタイヤとの相性もシーズン後半にかけて非常に良くなってきました。それがこの結果を導いてくれたのは間違いありません。

 ファンの皆様を長らくお待たせしましたが、昨日のレースで初優勝できましたし、今日も追い上げる流れの良いレースをお見せできました。1年間、応援ありがとうございました。

 来年に向けてすでに体制をつくりはじめていますが、今年ここまで来たからには、来年はさらにチームを強化し、シリーズチャンピオンを必ず獲るつもりです。引き続き応援よろしくお願いします。