フォルクスワーゲンは、今季限りでの世界ラリー選手権(WRC)撤退を発表しているが、2016年型ポロR WRCが来シーズンもWRCを戦う可能性が浮上している。
フォルクスワーゲンは、2017年シーズンに向けて開発していた新型ポロR WRCをプライベートチームに供給することは否定しているものの、現行型車両の供給に関しては、現在複数のチームやドライバーと交渉を進めていると明かした。
フォルクスワーゲン・モータスポーツのスポークスマンは「来シーズン、現行マシンを(プライベートチームに)レンタルできないか、現在議論しているところだ」と語る。
「我々には複数の選択肢がある。我々も協力してマシンを走らせるか、あるいは、プライベートチームにマシンを託すかだ。これに関しては議論を進める必要がある」
現行のポロR WRCは、来シーズンの新型WRカーのスピードには遠く及ばないとみられるが、プライベートチーム/ドライバー向けに新設される『プライベーターカップ』の参加者にとって、セバスチャン・オジエに4年連続王座をもたらしたマシンを走らせることは魅力的な選択肢と言えるだろう。
また、これまでカスタマー向けのラリープログラムを行ってこなかったフォルクスワーゲンにとって、プライベートチームへマシンを供給することは、同社のモータースポーツに対する取り組み方の変化を表している。
フォルクスワーゲンは、すでにR5規定に沿ったラリーカーを、18年からWRC2と各国のラリーシリーズに参戦するカスタマーチームへ供給すると表明している。
一方で、フォルクスワーゲンは表舞台に出ることのない17年型ポロR WRCのホモロゲーション取得作業を継続していることも明かした。
スポークスマンは「我々はこのプロジェクト(17年WRカーの開発)を完遂させたい。計画は98パーセントまで進んでいるというのに、ゴール直前で立ち止まるようなことは望まない」と述べている。
「書類審査まで進むことができれば、我々ができるプロセスはすべて完了する」
「残念ながら、FIAからホモロゲーション承認のスタンプを得るには、他のマシンとの競争に加わる必要があり、完全な認証は受けられないがね」
フォルクスワーゲン傘下にあるチェコの自動車メーカー、シュコダはフォルクスワーゲンのプロジェクトを引き継ぎ、2017年にポロR WRCで最上位クラスへステップアップするとの憶測を否定している。