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TEAM IMPUL スーパーGT第3戦/第8戦もてぎ レースレポート

2016年11月16日 20:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

カルソニック IMPUL GT-R
AUTOBACS SUPER GT Round3&8
MOTEGI GT GRAND FINAL

2016年 11月11日~13日
No.12 カルソニック IMPUL GT-R
安田裕信/J.P.デ・オリベイラ

今季2勝目に届かず、ランキング8位で閉幕

 5月に開催予定だった第3戦のオートポリスが熊本地震の影響で残念ながら中止となり、今回の最終戦のもてぎラウンドにおいて、土曜日と日曜日にそれぞれ1日で予選と決勝レースを行う変則的な2連戦で行われることとなりました。

 もてぎの2レースでは、チャンピオン争いにも残っていますが、とにかく2連勝を目指してドライバー、チーム共に強い決意でサーキット入りしました。

11/12(土) 第3戦公式予選
天候:晴れ コース:ウエット
気温/路面温度:開始時11℃/12℃

 朝から晴天となった栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎ。

 公式練習が行われた11/11(金)の雨の影響で、コース上ウエット宣言が出されて第3戦の公式予選が始まりました。

 さらには、前日は1日を通して降雨となったため満足なセットアップ確認も行えず、また通常のラウンドのように朝のフリー走行がなくいきなり予選という、事実上ぶっつけ本番の予選アタックとなりました。

 GT300の予選終了後、9時ちょうどから始まったGT500予選。2人のドライバーを担当分けし、アタックする通常のQ1~Q2のノックアウト方式ではなく、1人のドライバーで15分間のベストタイムを競う方式で行われました。

 36kgのウエイトハンディが残る第3戦の予選を担当したのはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ。ライバル勢が続々とコースインするのを尻目に、ピット内でステイ。残り12分50秒、スリックタイヤを装着するチームもあった中、オリベイラはウエットタイヤを装着し、ピットアウトしました。

 難しいコンディションとなりましたが、タイヤを温めてアタックに入ります。熱を入れて周毎にタイムアップ。計測5周目で1.47.103をマークしますが、トップタイムから遅れること1.218秒。この時、4位争い4台の最後尾の位置取りとなり、無念の11位に沈みました。

 抜きづらいサーキットレイアウトのツインリンクもてぎでは、予選順位が非常に重要となるため、午後に行われるレースは苦戦が予想されましたが、追い上げを誓いました。


11/12(土) 第3戦決勝レース
天候:晴れ コース:ドライ
気温/路面温度 レース序盤18℃/24℃
レース中盤 21℃/23℃ レース終盤 22℃/24℃
決勝レース距離:4.801km×53laps=254.453km
観客動員 23500人

 予選が9時15分に終了後、慌ただしくサポートレースやピットウォーク等を挟み、お昼の12時18分にはウォームアップが開始しました。

 スタートドライバーを担当したのは安田裕信。第3戦の決勝レースは13時10分にフォーメーションラップがスタートを切りました。

 オープニングラップでは9位にポジションを上げてコントロールタワーを通過していきます。この直後の3周目、GT300マシンのスピンやクラッシュがあり早くもセーフティーカーが導入。

 パーツが散乱する激しいクラッシュであったため、コース清掃に時間を要し、マシン回収を行いセーフティーカーがピットインしたのは7周目終わり。8周目にレースはリスタートされます。安田はその後着々と順位を上げていきます。

 まずは9周目にNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(千代勝正選手)をオーバーテイクし8位へ。続く10周目には90度コーナーでNo.32 Epson NSX CONCEPT-GT(ベルトラン・バゲット選手)を料理し7位へとポジションを上げていきます。

 その後、前の6位のポジションを走行するNo.6 WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也選手)とサイドバイサイドに持ち込もうとするバトルを仕掛けるも惜しくもオーバーテイクには至らず。

 19周目から続々とマシンがピットインしていきます。カルソニック IMPUL GT-Rは22周目にピットイン。4輪のタイヤ交換と給油、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラへのドライバー交代を終えてコースへ復帰します。

 タイヤが温まり切っていないアウトラップで、先にピットインしていたNo.38 ZENT CERUMO RC Fに先行されてしまい順位を落としてしまいますが、30周目にはNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(伊沢拓也選手)をオーバーテイクします。

 全車がピット作業を終えると7位のポジションを走行。前方のマシンへ食らい付いていきたいところでしたが、タイヤのピックアップに悩まされペースを上げることが出来ず。6位のマシンとのギャップが10秒近くついてしまう苦しい展開となります。

 44周目、90度コーナーで8位を走行していたNo.46 GT-R(本山哲選手)と接触があり、2台とも揃ってスピン。しかし、マシンへの損傷と影響はなく、すぐにマシン態勢を立て直し、走行を続けます。9位以降のマシンとはさらに間隔が空いていたため、順位を落とさずに7位。そのままの順位で、第3戦のレースを終えました。

 シリーズランキングはこの第3戦終了時点、40ポイントで8位。トップとは21ポイント差となり、ランキング上位が総崩れ、かつ第8戦をポールtoウィンで決めなければいけないという厳しい状況となってしまいました。


11/13(日) 第8戦公式予選
天候:晴れ コース:ドライ
気温/路面温度:開始時11℃/14℃

 第3戦が行われた土曜日から一夜明け、いよいよ最終戦となる第8戦が行われる日曜日を迎えました。

 土曜日とほぼ同じで、怒涛のタイムスケジュール。GT500予選は9時5分より行われました。やはり15分間のアタック時間中のベストタイムでグリッドを決する方式で行われました。

 第8戦の予選と決勝はノーウエイトハンディで争われます。第8戦の予選は安田裕信が担当しました。コースコンディションは昨日とは異なり、ドライ。前半はピット内で待機し、残り時間8分半でピットアウトしました。

 コースイン後2周でタイヤを温め、計測3周目で1.37.144をマークし、暫定4位に食い込んできます。その次の周もアタックを続けますが、1.37.157でタイム更新ならず。

 またタイムを上げたマシンもいて最終的には5位となりました。この時点でタイトル争いからは脱落。しかし、レースだけのことを考えると昨日よりは良いポジションに付け、表彰台も眼中に捉える3列目から、今季最後のレースをスタートすることとなりました。

11/13(日) 第8戦決勝レース
天候:晴れ コース:ドライ
気温/路面温度 レース序盤21℃/28℃
レース中盤 21℃/26℃
レース終盤 22℃/27℃
決勝レース距離:4.801km×53laps=254.453km
観客動員 36000人

 朝こそ冷え込んだものの、決勝レース前のグリッドウォーク時には照り返しも強く、この時期としては珍しく暖かい陽気となりました。

 前日の第3戦と同じく53周で争われ、通常のレースよりは距離が短い250kmレース。今回は、来シーズンより新型車両が投入されるため、現行車両でのラストレースとなりました。


 カルソニック IMPUL GT-Rは前日の土曜に引き続き、スタートドライバーを安田裕信、2ndスティントをジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが担当することになりました。

 このレースのグリッドウォークでは、監督の星野一義が2日連続で応援にお越しいただいた、カルソニックカンセイ株式会社様の森谷弘史代表取締役社長をはじめ役員の方々と記念撮影を行ったり、日産自動車株式会社様の星野朝子専務執行役員などをはじめとする関係者の激励を受けました。

 また、今季スーパーフォーミュラではTEAM IMPULでチームメイト同士ですが、SUPER GTではライバルメーカーのレクサスに所属するNo.19 WedsSport ADVAN RC Fの関口雄飛選手とオリベイラが握手を交わし、お互いの健闘を誓う合うシーンもありました。

 レースは13時30分に1周のパレードラップがスタートし、その後1周のフォーメーションラップを経て火蓋が切って落とされました。

 5番グリッドからスタートした安田は、2周目にNo.19 RC F(関口雄飛選手)をビクトリーコーナーでオーバーテイク。4位にポジションを上げます。

 しかし、その後12周目の5コーナーでNo.19 RC F(関口雄飛選手)に再び先行を許し、5位へ。その後は、徐々にタイヤのライフに苦しみペースをなかなか上げられず、5位を走行する安田以下9番手のマシンまで数珠つなぎとなる苦しい展開となります。

 そのため、ピット内ではドライバー交代既定周回数のミニマムで安田を呼び込むべくオリベイラが慌ただしくスタンバイ。20周目にピットイン、4輪のタイヤ交換と給油、ドライバー交代を終え35.0秒でピットアウト。

 しかし、このピット作業で昨日のレース中にも、その結果に大きな影響を及ぼしたタイヤ無交換作戦を、後ろを走行していたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN RC F(佐々木大樹選手)が敢行しピット作業で前に出られてしまいましたが、すぐにコース上でかわしてポジションを戻します。

 その後はペースが優れずに苦戦。オリベイラはコース上でNo.37 Keeper TOM’S RC F(ジェームス・ロシター選手)やNo.36 au TOM’S RC F(ニック・キャシディー選手)にオーバーテイクを許し、またピット作業ではピットインのタイミングを遅らせていた中団を走行していたマシンが、相次いでタイヤ無交換でコースへと戻ったため、順位を先行され全車がピット作業を終えると8位のポジションとなります。

 その後、終盤はNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路選手)にも追われましたが抑え込み、8位でフィニッシュ。ポイントは加算しましたが、2016年の最後は苦しいレースとなりました。

 残念ながら最終的なランキングはドライバーとチーム共に8位に終わりました。このレースを以て、2016年シーズンTEAM IMPULの全レースが終了。

 今シーズン、速さはありながら、第5戦の富士でポールtoウィンを果たした以外のレースではトラブル等で落としたり、苦境の1年となりました。オフシーズンは新型車両の導入のため、慌ただしくテストも行われる予定となっています。

 スーパーフォーミュラを含め、今季もたくさんのご声援ありがとうございました。来シーズンもTEAM IMPULの熱い走りにご期待ください。


カルソニックIMPUL GT-R 2016年シーズン全戦績
第1戦 岡山 予選5位 決勝5位
第2戦 富士 予選PP 決勝11位
第3戦 オートポリス 中止
第4戦 SUGO 予選13位 決勝リタイア
第5戦 富士 予選PP 決勝優勝
第6戦 鈴鹿 予選3位 決勝リタイア
第7戦 タイ 予選3位 決勝4位
第3戦 もてぎ(オートポリス大会の代替戦) 予選11位 決勝7位
第8戦 もてぎ 予選5位 決勝8位
ドライバーズランキング 8位/チームランキング8位

TEAM IMPUL 2016-2017 Event Information
SUZUKA Sound of ENGINE 2016 11/19(土)~20(日) 鈴鹿サーキット
TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 11/27(日) 富士スピードウェイ
NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 12/11(日) 富士スピードウェイ
TOKYO AUTO SALON 2017 1/13(金)~15(日) 幕張メッセ

エンジニア・ドライバーのコメント

エンジニア 島田 次郎 Jiro Shimada
 もてぎでは不甲斐ない結果に終わり申し訳ありません。来年ももてぎでの最終戦が組まれておりシリーズへの影響度が高い状況が続きます。

 今オフには車両規則も変わりますが、この寒い時期を利用して最終戦もてぎでの戦闘力を上げて帰ってきたいと思います。年間を通してみれば、ミスによる取りこぼしが多過ぎました。今年の優勝車を見てもそうですが、毎戦ポイントを積み重ねていく事がシリーズチャンピオンに繋がります。引き締めなおして昨年の様な粘り強い戦い方を取り戻せるよう頑張りますので、また熱い声援をお願いします。


安田 裕信 Hironobu Yasuda
 マシンのポテンシャル不足で非常に悔しい最終戦となりました。今年もたくさんの応援ありがとうございました。今年は不運も多かったので来年こそいい年にしたいです。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ Joao Paulo Lima De Oliveira
 1勝出来ましたが、取りこぼしも多く苦しい1年となりました。もてぎでは最善を尽くしましたがトップには及ばず悔しい。1年間応援ありがとうございました。


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