ザウバーF1チームの代表モニシャ・カルテンボーンは、ブラジルGPでチームの「奇跡」のポイント獲得劇を見守っていた時、「100歳老ける」ような緊張を味わったと語った。
インテルラゴスでのレース前の段階で、ザウバーは今シーズンに入ってから1ポイントも獲得しておらず、このままではチームの歴史上初めてコンストラクターズ選手権でトップ10に入れず、分配金の面で圧倒的に不利な立場に立たされることになりそうだった。
しかしブラジルGP決勝は雨に見舞われ、大混乱の展開になり、フェリペ・ナッセは母国GPを9位でフィニッシュした。おかげでザウバーは2ポイントを獲得、アブダビでの最終戦を前にランキングでマノーを逆転した。
「緊迫したレースでした。何が起こるか全く分からない状況だったのです。何事にも巻き込まれたくありませんでした」とカルテンボーンは語った。
「私たちとしては、あの位置にとどまることがすべてでした。何が起きても、レースに残らなければならなかったのです」
「マノーも同様のアプローチをしていて、(エステバン・オコンは)私たちより後ろを走っていましたが、そう遠くない位置にいたのです。つまりあらゆる側面からプレッシャーがありました」
「こういった状況だとレースの間に100歳も年を取ったような気分になります。ですが重要なのはひたすらレースに集中することでした。他のチームには彼らがやるべきことをさせておき、私たちは自分のコンセプトから外れないようにすることが重要でした。そして実際そうすることができたのです」
ザウバーは今年序盤は財政難に陥っており、そのためにマシン開発をほとんど進めることができなかった。7月下旬にロングボウ・ファイナンスからの買収が決まったものの、その後も大きな進歩は見られず、ブラジルGP前にはザウバーがトップ10内に入るのは極めて難しいように思われた。
「素晴らしい気分です」とカルテンボーンは語った。
「新しいオーナーが来てから、物事が改善しているのを感じます。優秀なスタッフを集め、パフォーマンスが徐々に改善してきています」
「私たちは奇跡は起こせませんでしたが、これは奇跡のようなものです。今この瞬間を楽しみたいと思っています」
「弾みがついているのは明らかです。来年はいい状態に戻ることができるでしょう」