いつの時代も中高年世代は若者を批判するものだ。若者にとってはうっとうしいことこの上ないが、11月12日、発言小町に寄せた「最近の若い人はガッツがない」という投稿が物議を醸している。
「最近の若い人たちは、なんだか無気力でガッツが足りない気がします。すぐにペシミスティックなことばかり言って、めそめそしていませんか?(中略)今の20~30代の人たちの親世代は、もっと苦労して子育てをしたんです」
「うちは車もなかったですが、子育てと野良仕事をしながら、頑張りました」
トピ主は、「お金がないから結婚できない」という考えに対して、「(結婚すれば)苦労は半分になる。お金がないならお金がかかる暮らしをしなければいい」などと主張。
「私が若いころには、ゲームなんかなくても、夫とおにぎりを分け合うだけで、楽しい時を過ごせました」
さらに、待機児童問題についても、「保育園に入れられないと悩むお母さんがいますが、わが子とその分だけ一緒にいられる贅沢を噛みしめたらどうでしょうか?」と煽りまくる。今の20~30代の人たちの親にあたる世代はもっと苦労していたとし、
「洗濯機も性能がよくなかったし、ルンバなんかありませんでした。うちは車もなかったですが、子育てと野良仕事をしながら、頑張りました。大丈夫、なんとかなるものです。皆さん、もっと頑張ってください」
と結んだ。あまりの内容に釣りかと思ってしまうレベルだが、「若い世代」からは非難ごうごうだ。20代の女性は、
「トピ主さんも今の時代に産まれて、子育てをする立場で同じことを思えるのでしょうか。気持ちが分からないからそのようなことな言えるんでしょ」
と憤る。30代の女性も、
「今は結婚をすること自体も本当に難しいのですよ。その苦労も知らないでよく言いますよ。家電が発達したことによって仕事が楽になったわけではありません。(中略)若い世代が頑張ってないなんて想像力の欠如も甚だしいです」
と怒りをあらわにした。
昔のように「頑張ればこれから良くなる」という時代ではない
トピック内では、「昭和って希望が持てた時代だと思います。苦労もお金がないことも、今だけだって」「『今は低い給料だけど、頑張ればこれから良くなる』という人が大多数だった頃とも違います」など、トピ主とは生きる時代が違う、としいう指摘も目立つ。
いまや働く人の3人に1人は非正規社員だ。給与格差も深刻で、厚生労働省の2015年の資料で時給を比較すると、正規社員では1958円に対し非正規社員では1258円と大きな開きがある。高度経済成長期やバブル景気のころのように、会社の中でただ頑張っていれば給料が上がる、という時代ではない。
トピ主はその後、「私は何か間違ったことを言っていますか?」などと再度投稿したが、「頑張ってにこにこしていたら、雇い止めにならないって聞きました」「子どもの笑顔を見たら、そのうち苦労なんかふっとぶ」などと書いており、前時代的な価値観で凝り固まっている。
労働や生活環境など、トピ主の世代と若い世代では生きている時代がまったく違う。もはや「笑顔でなんとかなる」「頑張ればいい」という精神論では、何も変わらない。
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