今週末に行われる、2016年のWEC世界耐久選手権フィナーレとなるバーレーン戦に先立って、GTEプロクラスに参戦し直近ラウンドで2連勝を飾っているフォードGTに、“ダブルパンチ”となる性能調整が課されることとなった。
チップ・ガナッシ・チームUKが走らせる2台のフォードGTは、この最終戦で最低重量が20kg引き上げられ1268kgとなる。さらにバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)規定に則り、ターボのブースト圧にも制限が加えらえれることとなった。これによりエンジンのパワーカーブが変化し、求める出力特性が得られない状況となる。
フォードGTのBoP変更は、6月のル・マン24時間の週末で予選から決勝の間に実施された燃料タンク容量の変更以来、初めて。また、最低重量の引き上げにより、フォードの車重はライバルのフェラーリ488GTEと同等となった。
フォード・チップ・ガナッシ・チームUKの代表を務めるジョージ・ハワード・チャペルは、この変更に対して次のようにコメントした。
「性能調整は我々が予想していたものよりもかなり大きな変化ではあるが、我々はFIAとACOの仕事を尊重する」
ハワード・チャペルによれば、ブーストカーブの変化はエンジン出力の3~4%の減少をもたらし、加算された20kgのウエイトと組み合わせると、毎ラップ1秒の損失になるという。
「バーレーンでは、ここまでのシーズン同様に全力を挙げ、この変化を受け入れた状況でバランスのとれたレースができるよう願っている」と、チャペル。
ちなみにGTEプロのライバル勢は、全車ル・マン24時間の後にBoPによる調整を受けており、直近ではフェラーリ488GTEに対し、ターボブーストの削減が課された。アストンマーティン・バンテージGTEとポルシェ911RSRは大径のエアリストリクター装着を許されている。
チップ・ガナッシ・チームUKのアンディ・プリオール/ハリー・ティンクネル組67号車フォードGTは、富士と上海で2連勝を達成したものの、ランキング5番手。ランキング首位はアストンマーティンのニッキー・ティーム/マルコ・ソーレンセン組95号車アストンマーチン・V8バンテージで、AFコルセのダビデ・リゴン/サム・バード組71号車フェラーリが12ポイント差で追っている。