ロン・デニスが15日付けでマクラーレン・テクノロジー・グループの会長およびCEOの座から降りることが正式に発表された。
1980年からマクラーレンに関与してきたデニスが、現在の契約期間終了を待たずにグループの会長およびCEOのポジションから追われる見込みであることはブラジルGPの週末から広く伝えられていた。
デニスは来年1月までの現職の契約を更新しない旨、役員会から通達された後、中国のコンソーシアムの協力の下、最後の手段として自身が支配株主になるべく株式買収を行おうとした。デニスはマクラーレン・グループの株式25パーセントを所有、バーレーンのマムタラカト社が50パーセント、マンスール・オジェが25パーセントをそれぞれ所有している。しかしデニスのこの動きに対抗し、マムタラカト社とオジェは契約終了前に彼を現職から外すことを決めた。
デニスは自分の契約が切れるまでの間“ガーデニング休暇”を取らされることに関して禁止命令を出すよう高等法院に求めたが、裁判所はこの手続きを却下していた。
15日の発表で、デニスはグループの会長およびCEOのポジションからこの日付けで退くこと、マクラーレン・テクノロジー・グループおよびマクラーレン・オートモーティブの役員および株主の座は維持することが明らかにされた。
デニスは声明の中で、「本日、マクラーレン・テクノロジー・グループの会長およびCEOの職を手放すよう要求された。主要株主がガーデニング休暇を取らせるという決定を下した」と述べている。また、2017年には新たなテクノロジー投資ファンドを立ち上げることも明らかにした。
「TAGおよびマムタラカト社の代表、マクラーレンの主要株主が私にガーデニング休暇を取らせる決断を強行したことを残念に思う。残りのマネジメントチームは彼らの行動によってもたらされるかもしれないビジネス上の結果に強い警告を発していた」とデニスは語った。
「彼らが述べる根拠は完全に誤ったものだ。私のマネジメントスタイルは以前と全く変わっておらず、これこそがマクラーレンを20のF1世界選手権制覇および年間8億5000万ポンドのビジネスを生む自動車およびテクノロジーグループに成長させたのだ」
「最終的にこのプロセスを通して、TAGもマムタラカト社も、マクラーレンおよびその真の成長の可能性に関する私のビジョンを共有していないことが、私には明らかになった」
「しかし私が何よりも懸念しているのは、私が築いたビジネスと3500人の従業員のことだ。私はマクラーレンの利益と価値を守り、将来を築くため、今後も2社における多数の株式保有と両役員会のメンバーとしての立場を利用していく」
「さらに、マクラーレンとの契約期間が終了した後、新たなテクノロジー投資ファンドを立ち上げる予定である」
「この数年に私に提示されながら実現できなかった多数の商業的機会を追求し、同時に現在のビジネスへも貢献するため、私の専門知識、資産、さらに対外投資を活用する」
デニスはマクラーレンのトップチームとしての地位を固め、加入以来7回のコンストラクターズタイトル、10回のドライバーズタイトルの獲得を成し遂げてきた。しかしチームは2008年のルイス・ハミルトンのドライバーズタイトル以来、チャンピオンの座から遠ざかっている。