F1ブラジルGPを制したルイス・ハミルトンは、FIAの安全性を最優先する姿勢に理解を示しながらも、日曜日の決勝レースの中断は「無意味だった」と主張している。
ウエットコンディションで行われたインテルラゴスではスタートがディレイとなり、セーフティカーが5回出動し、相次ぐクラッシュにより2度の赤旗が出された。このため、レースは終了までに3時間以上を要した。
いくつかの判断には確かな意味があったが、長いセーフティカーの後に提示された2度目の赤旗については、特に困惑しているとハミルトンは言う。
「コースアウトが続いていたので、最初の赤旗については理解できる。コースに戻った後の2度目の赤旗のときには、コースはインターミディエイトでもいい状態だったのに、いつまでもセーフティカーが先導していた」
「路面はずっと同じような感じだった。そのまま走り続けられたから、セーフティカーを入れることは無意味だったよ。でも安全は何よりも優先されるし、今回がそういうケースだと判断したんだろうね。幸運なことに全員が安全に走れたのだから、正しい決断だったということだ」
2位でフィニッシュした選手権トップのニコ・ロズベルグは、降水量が不安定だったため、オフィシャルは「微妙な判断」を迫られていたと話す。
「限界ギリギリだったけれど、最終的には正しい判断だった。良い仕事をしてくれたよ」
メルセデスの両ドライバーと、今回3位でレースを終えたマックス・フェルスタッペンは、2017年の新ルールでマシンがより多くのダウンフォースを獲得し、ピレリがレインタイヤを改善すれば、雨のレースはいまよりもスムーズに運ぶだろうと考えている。
「タイヤがアクアプレーニングをうまく処理できていないことが問題だ。そのことはわかっているし、来シーズンのために、この部分に取り組んでいる。前進が見られることを期待している」と、ロズベルグは述べている。
フェルスタッペンは、インテルラゴスでのアクアプレーニングは「馬力とトルクが増えたことと、ダウンフォースが足りないことの組み合わせ」が原因で発生したと考えている。この問題については「来季には解決されるだろう。より多くのダウンフォースを得ることで、ウエットでのドライビングは相当に楽になる」と話し、来季のマシンに期待を寄せた。
ハミルトンは「全体的に見て、割と楽なレースだったと言える。スピンもしなかったし、単純な展開だった。2008年のシルバーストンのほうが、よっぽどひどい雨だったよ」と語っており、インテルラゴスの実際の雨量は少なめだったと考えている。
中団グループを走っていたウイリアムズのバルテリ・ボッタスも、相次ぐレース中断を無線で批判。11位でレースを終えた後、以下のようにコメントした。
「僕は走れる状態にあったから、レース中断と赤旗の理由をたずね続けていたよ。コンディションはウエットで、つまり状況は難しく視界は悪かったけれど、それは普通のことだ。僕としてはレースの間はまったく安全だったから、なぜあんなにも止めるのか、わからなかったんだ」