ツインリンクもてぎでの最終戦で幕を閉じた2016年のスーパーGT。シーズン開幕前はチャンピオン候補と目されていたカルソニックIMPUL GT-Rはランキング8位で終了。今年も悲願のタイトルを手にできなかったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが今シーズンを振り返った。
2日連続で決勝が行われる変則的なスケジュールとなった最終戦。オリベイラは2レースとも後半スティントを担当した。第3戦ではレース終盤にS Road CRAFTSPORT GT-Rの本山哲と90度コーナーで接触してしまうシーンもあり、上位に食い込めず7位でフィニッシュ。
第8戦ではアンダーカットを狙い19周目にピットインし、序盤3番手を走っていたKeeper TOM’S RC Fを逆転するが、今週末はレクサス勢の方が明らかにスピードがあり、接近戦のバトルでも競り負けていく展開に。最終的に8位でフィニッシュした。
レースを終えたオリベイラは「今週末はレクサス勢の方が速いということは明確だった。序盤の彼らとのバトルの中でアンダーカットを狙ったけど、後半のタイヤチョイスなどもあって、良いペースで走ることができなかった」とコメント。シーズン前半は日産勢が有利と思われていたが、今回は完全に完敗という様子だった。
昨年はあと一歩というところでチャンピオンがとれず、今年こそという期待が大きかったが、終わってみれば理想とはかけ離れた結果に。シーズン全体を振り返ったオリベイラは3度のリタイアが大きく影響したと語った。
「昨年とは対照的なシーズンになってしまったね。昨年はコンスタントにポイントを重ねていくことができたから最終戦でもチャンピオン争いに加わることができた。みんなも知っての通り、シーズンを戦っていく上でポイントを稼いでいくことが重要で、一度もリタイアがなかったしね」
「でも今年は3度もリタイアしてしまった。しかも大量得点のチャンスがある中でね。第2戦富士はトップを走りながらタイヤバーストに見舞われたし、鈴鹿1000kmでも優勝すれば25ポイント獲得できるチャンスがあった中、マシンから炎が上がってストップを余儀なくされたし、SUGOでも不運でリタイアとなった。あと、タイでもペナルティを受けて表彰台を獲得できなかった。チャンピオン争いをしていく上で、理想には程遠いシーズンになっていまった」
来年からマシンが新しくなるGT500クラス。2014年に導入されたレギュレーションではニッサンGT-R勢が圧倒的な強さを見せたが、来年から導入される新マシンについては、このように分析している。
「2017年マシンはGT-Rもテストが始まっているけど、レクサスの方がとても速い。ニッサン勢としてはまだまだやらなければいけないことがたくさんあるよ。僕はまだ新しいマシンでのテストをしていないから、何とも言えないけど、テストに参加した時に少しでも良い方向に持っていけるようにしたいね」
そして最終戦が終わると、注目が集まるのが来シーズンの体制。スーパーGTもスーパーフォーミュラも来季に向けて、ドライバーの移籍が多々あるのではないかという情報が入っており、オリベイラに関しても今年同様の体制になるのか、それとも別のプランがあるのか、気になるところ。
これについては「来年も両カテゴリーで参戦することになると思うけど、今は何とも言えないし、まだ決まってはいないから、詳細についてはもう少し待ってほしい」とのこと。
いずれにしても、オリベイラも語っていた通り、今年はリタイアを余儀なくされるレースが多く、彼らしいアグレッシブな走りが100%発揮されないまま終わってしまう形となった。来年は新しくなったGT-Rで、ずっと彼が目標としていたチャンピオン獲得を目指す姿を期待したい。