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「シューマッハー/ベッテル時代の喪失感に苛まれている」メルセデス代表が語るドイツGPの苦境

2016年11月15日 15:41  AUTOSPORT web

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2016年ドイツGP決勝のスタンド
メルセデス代表のトト・ウォルフによれば、ドイツGPは長年にわたるミハエル・シューマッハとセバスチャン・ベッテルの君臨が終わったあとの喪失感に苦しんでいるという。 

 ホッケンハイムでの開催が予定されている2017年のドイツGPは、カナダGPとブラジルGPとともにFIAの暫定カレンダーに組み込まれているが、正式な承認を待っている状態だ。

 ドイツGPでの観客動員数はシューマッハの引退以来減少しており、2010年から4連覇を飾ったベッテル、ひいては現在チャンピオンシップで圧倒的な成績を収めているメルセデスの成功にも関わらず、観客数は回復していない。

 今年のホッケンハイムでのレースは決勝日に57,000人のファンを集めただけで、2014年よりは多いものの、サーキットの損益分岐点である全日程で122,000人というレベルをはるかに下回っている。

 対照的に、オースティンで開催されたアメリカGPは週末3日間で269,889人という記録的な動員数を記録した。それに加え、昨年復活したメキシコGPは週末3日間で339,969人の観客を動員したと発表した。



 比較的歴史の浅い2つのGPがこのように多くの観客を引き寄せることができたのに対し、F1において豊かな伝統があり、ドイツに本拠地を置くメルセデスチームが現ワールドチャンピオンに君臨し、4人のドイツ人ドライバーが参戦しているという要素があるドイツGPが観客を増やせないのはなぜかと尋ねられたウォルフは「単純な解決策」というものはないと答えた。

「アメリカGPを例にあげると、観客の入りが大変よかった」と、ウォルフは述べた。

「オースティンでの運営は素晴らしく、ファンのために多くの革新的なことが行われた」

「どのようにして失ったファンを呼び戻せるか、我々は視野を広げて考える必要がある」



「もし単純な解決策があったとしたらとっくに見つけているだろう」

「10年もの間ドイツ人がワールドチャンピオンに君臨していたときの興奮がなくなった喪失感があり、そうした興奮は他のスポーツへ移ってしまったのかもしれない」

「我々はメキシコとオースティン、また他のサーキットがやっていることを調べる必要があるだろう」



 前回2015年のアメリカGPは豪雨で大荒れのレースとなってしまい、今年オースティンのF1アメリカGP主催者は、ファンを魅了して会場へ呼び込むため懸命に働きかけた。

 10年間のF1開催権を持っているオースティンのサーキット・オブ・アメリカズはチケット料金を値下げし、また洪水への保証とシャトルバスサービスの最長待ち時間への保証も加えて、ファンへのアピールを目指した。

 開催者はまた、若者の集客と販売促進のために、土曜日の夜に人気歌手であるテイラー・スウィフトのコンサートを開催した。

 ウォルフはレースを開催するサーキットが観客を増やすことは簡単ではないと認めたが、成功の鍵はよりよい宣伝とイベントとして総合的に向上することにあると示唆した。

「テイラー・スウィフトを呼ぶことが答えになるのなら、彼女を呼ぶといいよ」とウォルフは冗談を言った。



「F1がもはや唯一の呼び物にならないということなら、他のアトラクションを加える必要がある」

「もしテイラー・スウィフトがメキシコGPにも呼ばれ、そのおかげで土曜日の観客席が一杯になり、日曜日はチケットが完売になるのかどうかは知らないがね」

「メキシコGPでは多くの広告が打たれ、メキシコ人ドライバーたちの物語も盛んに喧伝された」

「簡単に聞こえるかもしれないが、GPを宣伝するには正しい決断を下す必要がある」