フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネは、セバスチャン・ベッテルとの関係には何も問題がないことを強調し、ベッテルの「情熱的」な性格が誤解されたことが、不仲説の原因だとしている。
先月、アリバベーネはベッテルの来季について触れた際に「自分で自分の地位を確立する必要があり、チームの問題よりも自身のドライビングに集中すべき」と語っていた。その後のメキシコGPではダニエル・リカルドに対して危険なディフェンスを試みたとしてペナルティを課されるなど、波乱に満ちた週末を過ごしている。また、このとき無線で暴言を吐いたことについても問題視されていたが、FIA会長のジャン・トッドとレースディレクターのチャーリー・ホワイティングに謝罪の手紙を書くことで、さらなるペナルティは免れた。
一連の出来事は、ベッテルとフェラーリの間に緊張感が生じていることの兆候ではないとアリバベーネは言う。
「何度も言っているように、セバスチャンとの間に問題は何もない。彼は感情的になりやすく、ときにはドイツ系というよりは、ラテン系みたいなところがある。特にドライビング中は、とても感情的で情熱的だ。緊張感があると考える者もいるが、それは違う。我々は互いに正直だ」
2015年シーズンは3勝を挙げて強さを発揮し、ベッテルとフェラーリの関係は良いスタートを切ったものの、今季は未勝利でレッドブルの後塵を拝す形となっている。アリバベーネは、ベッテルが感情を爆発させた原因はスランプによる苛立ちではなく、フェラーリで成功したいという強い気持ちの表れであると話す。
「彼は自分の仕事に、すべてを注ぎ込んでいる。数ヶ月前、ときには行き過ぎの部分があると話したが、それは批判ではない。彼が全力で仕事をするので、例えばメキシコのようなときには『落ち着いて、冷静に前を見てプッシュするんだ』と言ってやらねばならない。悪いことなどひとつもない」
バーニー・エクレストンは以前、ベッテルはフェラーリのサポートが必要だといった趣旨のコメントをしたことがあったが、これについてもアリバベーネは一蹴している。
「我々は皆、バーニーのことを知っている。翌日には反対のことを言っていたよ。もし私が間違っていなければ、彼は私にこそ助けが必要だと言ったのだ。私はフェラーリのレース部門の一員であり、数百人のスタッフに囲まれている。我々はチームなのだ。その必要はない我々にはマッティア・ビノット率いる新たな技術グループがある。彼らは熱心で、とてもよく働いていくれている」