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F1ブラジルGP決勝トップ10ドライバーコメント

2016年11月15日 13:11  AUTOSPORT web

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ニコ・ロズベルグ、ルイス・ハミルトン、マックス・フェルスタッペン
2016年F1第19戦メキシコGP決勝でトップ10に入ったドライバーたちがレースを振り返った。

■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=1位
 ブラジルGPで初めて勝てたよ! 1991年にアイルトン(・セナ)が勝ったのを見て、「いつか僕も同じことをしたい」と思ったのを覚えている。あの日、彼の気持ちに共感したけれど、彼が本当はどういう気持ちだったのか、やっと今日理解することができた。

 今年、ブラジルGPが44回目を迎えた。(自分のカーナンバーと同じ数だから)僕にとっては特別な勝利だよ。ブラジルのファンの前でここで勝てた、この瞬間を僕は決して忘れない。

 ずっとここで勝てずにいたけど、今日は比較的楽で、僕のキャリアの中でも一番楽に勝てたレースといってもいいぐらいだった。

 もちろんこのコンディションだからミスしやすい状態ではあったけど、かなりリラックスして、完全に状況をコントロールして走っていた。雨のレースが大好きなんだ。今日は純粋に走ることに集中できた。

 1セットのタイヤがものすごく長持ちし、何の問題も起こらなかったし、マシンも素晴らしかった。

 最終戦まで(タイトル争いを)持ち越すことができてうれしい。僕にできるのは、ここ数戦のように強く戦えるよう集中することだけだ。それができたとき、今年自分が何を成し遂げたのかを、自分の心の中で確認することができるだろう。 

■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 決勝=2位
 今日はとても難しいコンディションだった。上り坂のところでアクアプレーニングが起きて、何人もがコースオフした。僕もスピンし、危なかった瞬間があったが、幸い高速ではなかったので、態勢を立て直すことができた。

 今日はルイス(・ハミルトン)の方がいい仕事をしたね。彼はこの勝利に値する。だから僕は今日は2位でよしとしなければならない。

 マックス(・フェルスタッペン)もとてもいい仕事をした。ウエットではレッドブルがかなり強力だろうことは分かっていたけれど、彼のレースはとにかくすごかった。

 チームが正しい戦略を選び、フルウエットタイヤでステイアウトさせてくれた。彼らに感謝している。

 アブダビが楽しみだよ。去年のいい思い出があるし、勝利を目指して戦うつもりだ。

(レッドブル勢がインターミディエイトに交換してもフルウエットで走り続けたことに関して聞かれ)インターで行くのにはリスクがあった。コースの一部がものすごく危険だったんだ。フェリペ(・マッサ)を含め、足元をすくわれたドライバーが何人かいる。

 僕らのような立場だと大きなリスクを冒すことはできない。だから正しい判断だった。今日は戦略が僕らの有利に働いたので、よかったよ。

■レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=3位
 今日一日をひと言で表現すると「エキサイティング」だ。ターン3のアウトからニコ(・ロズベルグ)を抜いた。ものすごく楽しかったよ。あそこでいいグリップを見つけ出した感じだった。

 その後、ルイス(・ハミルトン)を追いかけ始めたけど、最終セクターで態勢を崩してひやっとした瞬間があった。ガードレールに突っ込まずに済んでよかったよ。そういう恐ろしいめに遭った後もペースはよくて、2位を維持できた。

 だけどリヤタイヤのグリップが低下してきた。ダニエル(・リカルド)がインターミディエイトに換えた後、速いと聞いて、僕も同じプランでいくことにした。1周とちょっとぐらいはかなり調子がよかったけど、その後、雨が強くなってきて、最終セクターでグリップが得られなくなった。そのまま続けることは不可能だったから、ウエットに換えなければならなかった。

 その後のレースはものすごく楽しかった。コースのアウト側を使って何度も何度もオーバーテイクを繰り返した。他のマシンの後ろを走っていると水しぶきがすごいから、別のラインを見つけるしかなかったんだ。

 とにかく懸命に一台一台抜いていった。エンジニアが無線で話している時、観客の声援が聞こえた。応援してくれてありがとう、とブラジルのファンに言いたい。

 最後にラインを越えた時には勝利をつかんだような気分だった。(初優勝した)バルセロナと同じぐらい素晴らしいレースだったよ。  

■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=4位
 とても楽しく、かつ緊迫したレースだった。あと2周というところで、ポディウムの一角を逃したのは残念だけど、マックス(・フェルスタッペン)のペースはとにかく異次元だったからね。彼はコース上の誰よりも速くて、どうあがいても彼を背後に押さえ込んでおくのはムリだった。

 その点では少し落胆もしているものの、すばらしいレース内容と予想以上の成績は祝うに値すると思う。特に今日のコンディションの悪さを考えればね。

 こんな日には、完走しただけでも優勝したような気分になれるものだし、4位というとても大きな成果を持ち帰ることができたのだから。いつミスをしてもおかしくない状況で、アクアプレーニングに襲われるリスクは常にあった。1周を終えてフィニッシュラインを通過するたびに、ホッとひと息ついていたほどだ。

 この成績は僕だけでなく、チームにとっても重要な意味がある。選手権の4位争いでライバルに差をつける大量得点になったからだ。まだアブダビで何が起きるかわからないけど、今日のこの結果には満足していいと思う。

■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=5位
 もちろん理想的な一日ではなかった。レース序盤でスピンした。アクアプレーニングが起きたんだ。でもそれは僕ひとりじゃない。

 終盤にはうまく挽回できたと思う。ここで順位を取り戻すのは簡単ではなく、(カルロス・)サインツを抜くのにてこずった。かなり走りこんだ後にマシンの感触がよくなってきた。その理由は分からないが、その時にはもう遅すぎた。

(マックス・)フェルスタッペンとのバトルの話をすると(注:ベッテルはフェルスタッペンに抜かれる際にコースからはみ出し、無線で「押し出された」と不満を示していた)、僕としては彼とサイド・バイ・サイドで戦っていて、彼は僕を見たと思う。

 まだ僕のノーズが少し前に出ていた。彼の方がずっと速かったからコーナーで抜かれた。厳しいオーバーテイクの動きではないが、あれが完全に正しいやり方だとは思わない。

 でも今日は一切文句は言えないかもね。何人かアクアプレーニングが起きていたのに、ラッキーにも僕はクラッシュせずに済んだんだから。

■スクーデリア・トロロッソ
カルロス・サインツJr. 決勝=6位
 雨乞いの踊りが効いたみたいだね(笑)。本当にすごいレースだった。超ハッピーだよ。昨日の予選15位から6位でフィニッシュなんて、自分でも信じられない。

 僕はインターミディエイトでは危険すぎると感じたので、エクストリームウエットのまま走らせてくれとチームに頼み、結果的にそれがうまく行ったんだ。今日はピットストップをしないという戦略と、ミスをせずにいいペースで走れたことがすべてだった。この困難なコンディションの中でそれをやり遂げたのだから、なおさらいい気分だね。

 コースコンディションは最悪で、時間帯によってはクルマをコース上にとどめておくことさえ難しい状況だった。特にアクアプレーニングが起きやすいターン13、14といったあたりは、本当にトリッキーだったよ。しかも、セーフティカーランの後の再スタート直後は、まったく何も見えないまま300km/hでレースをするのだから、すごくリスキーだった。

 とはいえ、僕としてはレースを心から楽しめたのも事実だ。僕は雨のレースが好きなんだよ。カートのレースをしていた子供の頃から、ウエットではいつも速かったし、今日も例外ではなかった。

 そして、ウエットでトップランナーと互角のペースで走れたことは、チームとして誇りに思っていいと思う。それは僕らのシャシーがとても優れていて、さらに週末を通じて最高の仕事をしたことを意味するからだ。その意味で、チームのみんなにおめでとうと言いたい。

 今回はあまり期待できそうにないと思っていたのに、また8ポイントを獲得できたのはすばらしいことだ。最高にうれしいよ。実際、このシーズン後半戦ではサプライズがたくさんあったし、こういうサプライズならいつでも歓迎だ!

■サハラ・フォース・インディアF1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=7位
 過酷なレースだったし、僕としては笑うべきか泣くべきか、よくわからない感じだ。ポディウムに上がれる可能性もあったのに、そのチャンスを逸してしまったからね。

 クルマは文句なしの状態で、気持ちよくドライブでき、プッシュしたりオーバーテイクを仕掛けたりできるスピードもあった。レース中には何度かヒヤリとする出来事があった。

 特に際どかったのは、キミ(・ライコネン)が僕の目の前でクラッシュしたときだね。彼のクルマのパーツをまともにヒットして、かなりのダメージを負ったんだ。そして、ひとまずレースを続けることはできたものの、さらにデブリを踏んでパンクしてしまった。

 タイヤ交換でフィールドの後方に沈んだのは、本当に残念だった。あのパンクがなければ、信じられないような順位でフィニッシュしていたかもしれない。

 今日は自分自身とチームを誇りに思うよ。僕らはすばらしい仕事をした。ただ、少しだけ運に恵まれなかったんだ。

■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=8位
 フラストレーションがたまるレースだった。戦略に関して一度もツイてたと感じることがなかった。タイヤを換えるたびにセーフティカーや赤旗が出たんだ。それでポジションを落とし続けた。でも何が起こるかは当然予想できない。今日の僕らは不利な立場にいる気がした。

 でも一番苦労したのは視界の問題だ。バイザーが常に曇ってしまって大変だった。バイザーを開けて拭こうとしたんだけど、そんなこと今まで一度もなかった。それがレースの妨げになった。マシンには8位以上の力があるだけにがっかりだ。前が空いている時には速かったからね。

 今日のコンディションは難しかった。たとえばキミ(・ライコネン)の事故の時、彼が前でクラッシュしたのが見えなかった。ピットに戻ってきてビデオを見て初めて、彼がクラッシュしたって知ったんだ。

 それを考えると赤旗を出すという判断は正しかったと思う。レースを最後まで走り切ることができてよかった。何人かクラッシュしたけど、誰もけがをしなくてよかったよ。ファンには長い午後を過ごさせてしまったね。残ってくれて本当にありがとう。

■ザウバーF1チーム
フェリペ・ナッセ 決勝=9位
 今、僕がどれだけうれしいと思っているか、言葉に表せないよ。今日の天気予報を見た時から、チャンスはあると思っていた。実際チャンスが訪れ、それをつかむ準備もできていた。

 今日の僕らはとてもいい仕事をした。チームは路面コンディションについて貴重な情報を絶えず知らせてくれ、僕は彼らにフィードバックをした。

 厳しいレースで、路面コンディションがところどころですごく難しかった。でも走りきった時、チェッカーフラッグを受けた僕にグランドスタンドのファンが声援を送ってくれるのを見て、最高の気分になった。

 この貴重な2ポイントを母国で獲得できるなんて、これ以上うれしいことはない。故郷のブラジルで過ごす日曜日としてこれ以上のものは望みようがないよ。

 僕らにとっては勝利のようなものだ。マシンは乗りづらく、(純粋な)パフォーマンスを考えると入賞するのは不可能だったろう。でもこういうコンディションになったことでチャンスが訪れた。厳しい一年を送ってきただけに、この2ポイントの持つ意味は大きい。

(10位のフェルナンド・)アロンソがすごい勢いで近づいてきていた。あと2周長かったら彼に抜かれていただろう。

■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
フェルナンド・アロンソ 決勝=10位
 今日はもっといい結果を狙っていた。10番グリッドからスタートして10位フィニッシュという結果だった。でも僕らより上位でリタイアがあったことを考えると、僕らは訪れたチャンスのいくつかをうまく生かせなかったということだ。

 本当に難しいコンディションだった。マシンをコース上にとどめておくのが精いっぱいな時もあった。視界がとても悪かったし、サーキットの水はけがあまりよくなかった。

 アクアプレーニングが起きて、プッシュするのが難しく、前とのギャップをなかなか縮められなかったが、最後に1ポイントつかんだ。アブダビではいい結果を出してシーズンをいい形で締めくくりたい。