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ワタミ好調の理由は「ワタミ隠し」か 新業態で店名変更、「鳥貴族」を思わせる店も

2016年11月15日 11:41  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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ブラック企業として悪名が広まり、顧客離れが起こっていた居酒屋チェーンのワタミ。今期は15年ぶりに業績が前年を上回り好調だというが、その要因が「ワタミ隠し」にあると話題になっている。

ワタミは「和民」「わたみん家」など一目でワタミグループだと分かる店舗を「三代目鳥メロ」「ミライザカ」などの新業態に次々と転換。11月10日放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では「ワタミ隠しで業績回復!?」と報道され、ネットで物議を醸していた。(文:okei)

「名前が変わっても労働の中身が変わらないと意味ない」

ワタミが同日発表した中間決算報告では、赤字額が縮小し2017年3月期は1億円の黒字見通しだという。「和民」を改装した新店舗は、椅子に以前のまま「W」が刻まれているほかは、看板はもちろん、ワタミを感じさせるものは一つも無い。清水邦晃社長は、「一部の店舗では、以前の和民の倍ぐらい売れているところもあります」と手応えを語っていた。

これには、ツイッターで次々と皮肉の声が上がっている。

「『ワタミの名前隠したら業績あがったんすよ』とかテレビで言ったら元の木阿弥じゃねえの」
「名前が変わっても労働の中身が変わらないと意味ないんすよ」
「そのうち社名も変更して隠蔽はかりそうだな」

ほかにも、「ちょっと待て その飲食店 ワタミだよ」などと、新しい店舗名を並べて晒すようなツイートが続出し、トゥギャッターにもまとめられている。中にはこんな悪感情をはっきり語る人もいた。

「なぜ私がワタミが嫌いかというと、過労死事件からの一連のブラック企業批判のことを『風評被害』と言ったからだ。まるで自分たちが被害者かのような言い方である。頭おかしい」

ワタミのブランドイメージが回復する日は来るのか

依然としてブラックのイメージが強いワタミではあるが、「どんな働き方に変わったか分からない状態で批判するのは軽率」という意見や、「新規出店、業態の転換はワタミのサイトやIRで発表されており隠していないのでは?」と、冷静に指摘する人もいた。

確かに、企業としては儲からない店舗は改めていくのが当たり前なのだから、隠蔽とは心外だろう。街で飲み屋を選ぶときに運営会社まで気にする人はそれほどいない。名前さえ変えれば売り上げがあがるなら、結局商売上手ということになる。

ただ、この好調は「新規の目新しさ」ゆえで、サービス等が悪ければ再び客離れするという見方もあった。従業員が疲弊する働き方を今も強いているとすれば、おのずとその影響が何らかの形で表に出てくるだろう。

新業態の「三代目鳥メロ」は低価格帯の焼き鳥店で、売上絶好調の「鳥貴族」にも似ている。番組では労働問題には一切触れていなかったが、取材した相内優香アナは、清水邦晃社長に「鳥貴族のマネしました?」と冗談めかしてえぐり込む質問をしていた。「ワタミ隠し」とはっきり表現してしまうところいい、テレビ東京の容赦ない切り込み方にも驚かされた。業績好調でもワタミに対する風当たりはまだまだ強い。

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