トップへ

ポルシェ マカオGTワールドカップ プレビュー

2016年11月15日 11:11  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

VLNに参戦するポルシェ911 GT3 R(チーム・マンタイ)
2016年11月15日

FIA GTワールドカップ(マカオ/中国)
世界で最も壮観なストリートサーキットを走る2台の911 GT3 R
 ドイツ.ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)は11月20日、伝説的なマカオのストリートサーキットにて開催されるFIA GTワールドカップにおいて、2台の911 GT3 R(最高出力500PS)を投入します。

 市販車であるタイプ991の911 GT3 RSをベースにしたこのカスタマースポーツレーシングカーは、世界各地で行われるGT3レースのためにヴァイザッハで設計され、2016年にデビューしました。

 この中国の特別行政区で行われもっとも多くの注目を集めるレースに911 GT3 Rで参戦するドライバーは、ニュージーランド出身のアール・バンバー(カーナンバー911)とフランス人のケビン・エストレ(カーナンバー912)です。

 ファクトリーチームとして、今年のGTシーズン最終戦である12月10日開催のセパン12時間レース(マレーシア)を前に、ここマカオのGTワールドカップに参戦するのはポルシェの長年のパートナーとして数々の成功を収めてきたマンタイ・レーシングです。

レースについて
 過去にポルトガルの植民地であったマカオは香港の西方約65キロにあり、世界で最も壮観なモータースポーツイベントが行われる場所です。

 全長6.115キロメートルのサーキットは高速のストレートとタイトなコーナーで組み合わされ、ドライバーにとっては非常にタフなコースとなっています。

 1954年にマカオで初めて自動車レースが開催されました。世界でも有数の観光の街として栄えたマカオは1999年に中国に返還され、今では世界でも最も裕福な地域のひとつとなっています。

ポルシェのドライバー
 ポルシェを駆って2015年のル・マンで総合優勝に輝いたニュージーランド人のアール・バンバーは、アジアのサーキットを熟知しています。

 2013年と2014年にポルシェ・カレラカップ・アジアに参戦し、2013年に初めてマカオのレースに出場したバンバーは、長い間クアラルンプールに住んでいましたが、現在は北京に居を構えています。

 ケビン・エストレ(フランス)は、2013年にポルシェ・カレラカップ・ドイツで優勝し、2015年にマカオのレースに初出場しました。今シーズンはADAC GTマスターズで911 GT3 Rに搭乗し、4勝をマークしています。

ポルシェ911 GT3 R
 911 GT3 Rの開発にあたり、エンジニアは特に軽量なデザイン、空気力学的効率の向上、燃料消費量の低減、操縦性の向上などを重視しました。

 最新鋭の4リッター水平対向6気筒直噴エンジンを搭載したこのモデルは、2016年1月のデイトナ24時間レースでデビューを果たしました。

 911 GT3 RはデビューシーズンにIMSAスポーツカーチャンピオンシップ、ピレリ・ワールド・チャレンジ、過酷なノルドシュライフェ(北コース)で行われるニュルブルクリンクのVLN長距離耐久選手権など、国際的なレースシリーズで数々の成功を収めています。

日程
 ギア・サーキットを18周するこのレースは11月20日の現地時間で午後0時55分にスタートします。全12周で争われる予選レースは11月19日の現地時間午後0時10分に行われます。

レース前の関係者コメント
フランク-シュテファン・バリザー博士(ポルシェ モータースポーツ部門責任者):
「マカオでのレースは、現代の自動車メーカーにとっては間違いなく最も大きなチャレンジのひとつです。このレースは短くてとても緊迫したレースです。ドライバーは戦略を練る時間がなく、スタート時からチャンスを掴まなくてなりません。

 コースはとても見ごたえがあり、レース全体を通じて高い集中力が求められます。タイトなコーナーは非常にタフです。私たちの911 GT3 Rにとっては厳しい試練となるでしょう」

サシャ・ピルツ(GTカスタマーレーシングマネージャー):
「911 GT3 Rはデイトナ24時間レースなどの伝統的なレースや国際スポーツカー選手権など、最初のシーズンでその実力をいかんなく証明し、直近ではGTマスターズの最終戦で優勝を飾りました。マカオの曲がりくねったサーキットですばらしいパフォーマンスを見せることによって、911 GT3 Rの実力を明確に示したいと思います」

アール・バンバー(911 GT3 R #911):
「私にとって今回はとても特別なレースになります。長年にわたってアジアで911 GT3カップを戦ってきました。マカオは2013年のレースが初出場でしたが、とてもすばらしい体験でした。ワークスチームと新しい911 GT3 Rでマカオに戻るのを今から楽しみにしています。

 コースの設定はユニークで素晴らしく、とても難しいサーキットです。間違いなく予選の結果が勝利を左右するものになるでしょう。マカオではオーバーテークが難しく、スターティンググリッドでの有利な位置が成功の鍵を握ります」

ケビン・エストレ(911 GT3 R #912):
「マカオのストリートサーキットは私にとってトップスリーに入る最高のサーキットです。高速で非常に難しく、バンプやブラインドコーナーが数多くあります。

 エスケープゾーンがなく、壁とガードレールがすぐ目の前にあります。スタートからフィニッシュまで集中力を保つことが重要で、わずかなミスも許されません。

 このレースには多くのファンが詰めかけて素晴らしい熱気に包まれます。ほとんどのドライバーにとってはこれが今シーズン最後のレースとなるため、誰もがここで勝利を飾って冬のシーズンオフを迎えようと必死になるでしょう」