WRC:マキネンもVWドライバー獲得に意欲。「3人全員に興味がある」
トヨタのWRCワークス・プログラムを統括するトミ・マキネンが、2017年のドライバーラインアップに向けて、今季限りでWRCから撤退するフォルクスワーゲンの契約ドライバー全員にアプローチしたいと語った。
2016年シーズンをもってWRC世界ラリー選手権からの撤退を表明したVWだが、これによりシリーズ4連覇中の王者セバスチャン・オジエを筆頭として、ヤリ-マティ・ラトバラ、アンドレアス・ミケルセンのトップドライバー3名が、移籍市場に放出される形となった。
すでにトヨタは来季のエースドライバーとしてユホ・ハンニネンの起用を発表しているが、ハンニネンのミッションは完全なるニューマシンであるヤリスWRCの開発プログラムを遂行すること。このため、来季チャンピオンシップへの全戦エントリーが確約されている。
また、トヨタのプログラムにおいて予算は問題とならないため、チーム代表のマキネンは元VWのワークスドライバー3名の獲得に乗り出すとみられていた。
「我々としては、あらゆる可能性について話し合う機会を検討している」と、マキネン。
「当然、あの3人のドライバーには非常に興味がある。2018年シーズンに向けてのチームビルディングが最大のテーマだが、できるだけ早い段階での成功も成し遂げたい。その意味でも、彼らの中から候補者としてチーム加入を検討するの当然だし、それが我々の希望を実現する助けになるだろうと思う」
ただし、マキネンによればオペレーションの都合で17年に常時3カーエントリーを維持することは現実的ではなく、一方でハンニネンのタスクを考えれば、フルエントリーの枠は残り1台が妥当だという。
「4月のコルシカには3台目のエントリーを行う計画だが、それでも我々としては常時2台体制でのシーズンとなるはずだ。そのなかの限られたイベントで、3台目の投入を検討していくことになるだろう」
「ユホがすべてのラリーでドライブすることは間違いないし、我々は彼のフィードバックを必要としている。彼がどのようにドライブし、我々のテストとどのように異なったかを分析する必要があるからね」
現在、シュコダ・ファビアR5でWRC2に参戦しているエサピッカ・ラッピは、ハンニネンと並んでトヨタの2台目のシートを確保することが期待されていたが、この2014年ERC欧州ラリー選手権王者は、VW撤退の余波で自分のキャリアの見通しに悪影響が出ると考えている。
「彼ら3人は、現状でもっとも優れたラリードライバーたちであり、その彼らが自由の身なんだ」と、地元フィンランド・メディアに語ったラッピ。
「キャリアの実績面で、僕が対抗するのは難しい。彼らの動向が自分に影響を及ぼすことは間違いないと思うよ」