トップへ

アウディ・ジャパン スーパーGT第3戦/第8戦もてぎ レースレポート

2016年11月14日 17:21  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

アウディR8 LMS(#21 Audi Team Hitotsuyama)
SUPER GTもてぎ大会にてAudi R8 LMSが初優勝を果たす
●Audi Team Hitotsuyamaが初優勝。年間シリーズではチーム、ドライバーランキング共に3位、FIA GT3勢ではトップに
●Team TAISAN SARDは最終の2連戦で6位、7位と連続ポイントを獲得

 アウディ・ジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:斎藤 徹)は新型Audi R8 LMSでSUPER GTのGT300クラスに挑戦するカスタマー(プライベート)チームを支援しています。

 11月12日(土)、11月13日(日)、ツインリンクもてぎ(栃木県 1周4,801.379m)で「MOTEGI GT 250km RACE」が開催されました。

 このもてぎ大会は、熊本地震復興支援大会として実施。地震の影響で延期となっていたオートポリスでの第3戦の振り替えレースを12日に、最終の第8戦を13日に、それぞれ予選+決勝を行うSUPER GT公式戦としては初の2日間連続でのレースとなりました。

 今大会には、#21 Audi Team Hitotsuyama(アウディ・チーム・ヒトツヤマ)と、#26 Team TAISAN SARD(チーム・タイサン・サード)の2チームが、新型Audi R8 LMSで参戦しています。

 もてぎ大会第3戦は前レースからウェイトハンディを半減、最終戦はウェイトハンディをなくしイコールコンディションにするレギュレーションが導入されました。

 前戦まで58kgものハンディが課されていたAudi Team Hitotsuyamaは、29kgまで軽減され、予選ではリチャード・ライアン選手がその利点を活かし見事に2位を獲得。

 快晴のもと250kmを約2時間で走り抜ける決勝レースの第1スティントはリチャード・ライアン選手が担当します。スタート直後、セーフティカーが入るアクシデントがありましたが冷静に2位のポジションをキープ、第2スティントの藤井選手へとドライバー交替します。

 ここでチームはタイヤ無交換作戦を実施。素早いピット作業もあって、Audi Team Hitotsuyamaがトップに踊り出ます。その後は藤井選手がタイヤをいたわりながら、首位を守り抜き、チームにとってGT300クラス初の優勝を遂げました。

 Team TAISAN SARDは、この大会より新たにドライバーとして近藤翼選手が加入し、元嶋佑弥選手とタッグを組んでルーキーコンビでの挑戦となりました。

 予選16位のポジションから、決勝レースのスタートドライバーは元嶋選手。トップチームと遜色ないタイムで周回を重ね、一時期は3位にまで順位をあげる快走をみせました。

 ピットインのタイミングでチームはリヤの2輪だけを交換する作戦で時間短縮を図り、第2スティントを担当した近藤選手もルーキーとは思えない冷静な走りをみせ、見事に6位入賞を獲得しました。


 翌13日も快晴に恵まれドライコンディションの中、最終戦が実施されました。前日の優勝によってAudi Team Hitotsuyamaは、シリーズランキング同率2位にまで上りつめており、結果次第ではシリーズチャンピオンも狙える位置につけていました。

 予選は決勝レースを見越して硬めのタイヤで藤井選手がアタックし、8位のポジションを獲得します。決勝はリチャード ライアン選手がスタートを担当。前日の好調さをキープした走りで4位にまでポジションをあげます。

 タイヤ無交換作戦も予定していましたが、思いのほか気温が高くタイヤの摩耗が進んだためピットイン時にはタイヤを4本すべて交換し、藤井選手が第2スティントに向かいました。

 ポイント上位のチームと大混戦の中、藤井選手が気迫の走りをみせ、残り周回数が5周をきったところで競合チームを追い抜き、4位にポジションをアップ。

 これにより年間シリーズランキングは3位となり、マザーシャシー、JAF GT、FIA GTと異なるレギュレーションのマシンが混走するGT300カテゴリーにおいて、FIA GT3勢の中でトップを獲得することができました。

 Team TAISAN SARDの最終戦は、予選11位からのスタート。スタートドライバーの元嶋選手はこの日も快走をみせピットインのタイミングを遅らせることで一時はトップを走りました。

 ピットイン時にはチームは表彰台獲得に向けてタイヤ無交換作戦を選びました。第2スティントを担当した近藤選手は後半タイヤの摩耗に苦しむレース展開ながらも善戦。7位となり2戦連続でのポイント獲得となりました。

Audi Team Hitotsuyama 一ツ山亮次チーム代表のコメント
「今週末は自信がありましたし、表彰台は間違いなく狙えると思っていました。土曜日は前を走るチームのピット作業をみた上で実行した作戦がうまくはまり、その意味で土曜日はパーフェクトなレースができたと思います。

 日曜日は思ったよりも気温が高くなり、作戦変更を余儀なくされましたが、リチャード選手も藤井選手もポイントランキングのことをわかっていましたから、プッシュして素晴らしい走りで、シリーズ3位を獲得することができました。

 いまのGT300シリーズは1勝するだけも本当に難しい。新型Audi R8を導入し、メカニック体制も強化。新たなパートナーであるダンロップタイヤと挑んだシーズンシリーズチャンピオンかけて争い、シリーズ3位、FIA GT3勢の中でトップをとれたのは素晴らしい結果だと自負しています」

リチャード・ライアン選手のコメント
「チームをはじめ、関わるスタッフすべての人たちに感謝します。なかなか勝てるチャンスがない中で、第5戦の富士で、わずかコンマ数秒で2位になったのがチームにとってのターニングポイントだったと思います。

 チームの中に勝てるという雰囲気が生まれ、この最終戦にもモチベーション高く挑むことができた。実はその第5戦を終えて、チームスタッフ全員に四つ葉のクローバーがモチーフになったラッキーチャームをプレゼントしたのですが、その効果もあってか優勝できて本当にうれしい(笑)

 スーパーGTが好きで、日本が好きですから、また来シーズンもこのチームで戦えることを楽しみにしています」

藤井誠暢選手のコメント
「この一ツ山レーシングとアウディジャパンのジョイントプログラムが始まって3年目ですが、これまでなかなか勝つことができず、どうしてもアウディで勝ちたかった。それが実現できて本当にうれしいです。

 今年はマシンも新型で、メンテナンスもタイヤも新しい体制でしたが、シーズンを通して常にいいレース展開ができましたし、こうして優勝もできました。

 最終戦では絶対に抜いてやろうと思ってフルプッシュしました。結果シーズン3位で、FIA GT3勢の中でナンバー1になれた、価値のある1年だったと思います。

 チームをはじめ、アウディジャパン、アウディスポーツ、ジョイントしているヨーロッパのWRT、ダンロップタイヤ、そして応援してくださるファンの皆様に感謝しています」

Team TAISAN SARD 近藤尚史チーム監督のコメント
「近藤選手はほとんどぶっつけ本番で、チームとしてもタイヤがどれくらいもつのか手探りの中での最終の2戦でした。

 土曜日はスタートラップで後ろのクルマにぶつけられてしまったのが惜しかったですね。それでも元嶋選手はいい走りを見せてくれました。近藤選手もとても初戦とは思えない素晴らしい走りで大物です(笑)

 チームとしては最終戦の目標として表彰台にのぼることを掲げていましたので、それが実現できず残念ですが、フレッシュなドライバーのコンビで、6位、7位と連続ポイントを獲得できたことは良かったと思います。

 来年のことはまだ未定ですが、ぜひこのパッケージでさらにいい体制を組んでシーズンに臨めればと思っています」

元嶋佑弥選手のコメント
「両レースとも本当にいいペースでラップすることができ、Audi R8の良さを少しづつ引き出せるようになりましたし、レース中、自分でも驚くようなタイムを出すこともでき楽しめました。

 実はチームメイトの近藤選手は同期で良く知っている仲で、お互い負けないように頑張れたのが入賞という結果にもつながったと思います。

 こういった機会をくれたチームと、高いポテンシャルのマシンを作ってくれたアウディに感謝しています。機会があれば来シーズンもぜひこのアウディでいいレースがしたいと思っています」

近藤翼選手のコメント
「はじめてのスーパーGTで、最初は驚いた部分もありましたが、土曜にはいい走りがみせられたと思います。最終戦はタイヤ無交換作戦のため、後半かなり厳しく苦戦しました。

 ただAudi R8 は、ABSやトラクションコントロールもついているのでミスもカバーしてくれますし、本当に運転しやすいマシンです。

 そしてこのもてぎはブレーキ性能に優れたAudi R8に向いているコースだと感じました。今回、とても素晴らしい体験ができましたし、機会があればぜひ来シーズンもここで走ってみたいと思いました」

アウディ ジャパン代表取締役社長 斎藤徹のコメント
「2014年からのAudi Team Hitotsuyamaとアウディの努力が、今回はじめて優勝というかたちで報われて大変うれしく思います。またTeam TAISAN SARDの若いふたりのドライバーの走りも素晴らしかった。

 アウディジャパンは、今年度からパーツ供給やサポートを改善してチームが安心して走れる体制づくりに努めてきました。今回のレースを見てもAudi R8 LMSの速さはもちろん、扱いやすく信頼性があるマシンであるということがアピールできました。
 モータースポーツの世界でもアウディの評価がさらに高まり、来年はさらに多くのAudi R8が走る姿を見ることができればと思います。

 シーズンを通してチームとドライバーランキング共に3位、FIA GT3の中ではトップという、いいかたちで今シーズンを終えることができましたし、来年のGT300シリーズもサポートを継続していきたいと思っています」

 アウディは、モータースポーツ部門である「Audi Sport(アウディ・スポーツ)」のもと、ハイブリッドレーシングカー Audi R18でルマン24時間レースをはじめとする世界耐久選手権(WEC)で数々の勝利をあげてきました。

 またAudi RS 5 DTMでDTM(ドイツツーリングカー選手権)に参戦しています。カスタマーモータースポーツとしてはGT3レースカーAudi R8 LMS を世界中のプライベートチームに供給するなど、モータースポーツ活動全般を支援しています。

 今後はさらにAudi Sportを、アウディのスポーティなブランドイメージをより一層強調するサブブランドとしてグローバルで展開するため、今年7月には、日本国内のコミュニケーション拠点Audi Sport店を全国24店舗オープンしております。