ヨハン・ザルコ [Moto2] 来季MotoGP参戦のザルコ、有終のポール・トゥ・ウイン
2016年11月13日(日)・決勝
会場:バレンシア・サーキット
天候:晴れ 気温:22℃
コースコンディション:ドライ
観客:11万50人(3日間:20万2505人)
Moto2 レポート
Moto2クラスは、フロントローからスタートした3選手、ヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)、トーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)、フランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)、そして2列目からスタートしたアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)の4台がトップグループを形成。終盤は、ザルコとモルビデリの一騎打ちとなりました。
2人は何度もポジションを入れ替える激しいバトルを展開しましたが、終盤、タイヤにトラブルを抱えたモルビデリが後退。
ザルコがシーズン7度目のポールポジション(PP)から7勝目を達成し、2年連続となるチャンピオンタイトルの獲得に華を添えました。
優勝争いから後退したモルビデリは、ルティとの2番手争いとなり、先着したルティが総合2位でシーズンを終了。シーズン終盤戦に入って5戦連続で表彰台に立ったモルビデリは総合4位。
レース中盤までトップグループに加わったリンスは、5位でチェッカーを受けて総合3位。今大会を4位でフィニッシュしたサム・ロース(Federal Oil Gresini Moto2)は総合5位でシーズンを終えました。
予選9番手から6位でフィニッシュした中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は総合6位でシーズンを終えました。過去最高となる6位でシーズンを終えた中上は、今季、初優勝を含む4度の表彰台に立ちました。来季はタイトル争いが期待されます。
以下、ジョナス・フォルガー(Dynavolt Intact GP)が総合7位、ロレンソ・バルダッサーリ(Forward Team)が総合8位、ハフィズ・シャーリン(Petronas Raceline Malaysia)が総合9位、シモーネ・コルシ(Speed Up Racing)が総合10位でシーズンを終えました。
なお来季は、ザルコ、リンス、ロース、フォルガーの4人が、MotoGPクラスに戦いの場を移します。
Moto2 コメント
ヨハン・ザルコ(Moto2 優勝)
「Moto2クラスでの最後のレースで優勝できてとてもうれしいです。昨日はポールポジションを獲得してハッピーでした。
しかし、フランコ(モルビデリ)とトーマス(ルティ)がいいペースで走っていたので、彼らといいレースをして勝たなくてはいけないと、自分に言い聞かせました。
フランコは若く、アグレッシブな走りをします。最後まであきらめない彼の走りに拍手を送りたいです。そして、彼のようなライダーと最後まで戦えるマシンを用意してくれたチームに感謝したいです」
トーマス・ルティ(Moto2 2位)
「最終戦で2位になれて、そして総合2位でシーズンを終えられてとてもうれしいです。レース終盤、フランコがリアタイヤに問題を抱えていることが分かりました。
彼をパスできるだろうと考えましたが、それは大変なことでした。今日の結果が本当にうれしいです。2017年シーズンに向けて、とても励みになりました」
フランコ・モルビデリ(Moto2 3位)
「今日はレースをとてもエンジョイできました。しかし、2周を残してリアタイヤにトラブルが出て、2番手争いから後退しました。今日はザルコといいレースができました。
何度も彼を抜けました。終盤は彼のペースについていけず、ルティにも抜かれ、3番手をキープすることにしました。今年はすばらしいシーズンになりました。チームに感謝したいです」
中上貴晶(Moto2 6位)
「最後のレースで6位となり、ランキングも6位で終われました。リザルトとしては最低限の仕事はできたと思います。ウォームアップでフロントのセッティングを変えたところ、マシンのフィーリングがよくなりました。
しかし、決勝はコンディションが変わり、フィーリングも変わりました。トップ争いに加われず、トップグループから大きく離されました。来年に向けて学ぶことが多いシーズンでした。来年は必ずチャンピオンを獲得できるよう、これからスタートするテストにしっかり取り組んでいきたいです」
Moto3 レポート
ポールポジションのアーロン・カネット(Estrella Galicia 0,0)から1秒差以内に27台という大接戦の予選となったMoto3クラスは、決勝も激戦となりました。
トップグループは10台以上に膨れ上がり、ライダーたちは最終ラップまで激しくポジションを入れ替えました。
ホンダ勢では、エネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Moto3)がトップグループに加わり4位でフィニッシュ。総合2位でシーズンを終えました。
チームメートのファビオ・ディ・ジャンアントニオは5位でチェッカーを受けて総合6位。ルーキーとしてはすばらしい結果を残しました。
ヤコブ・コーンフェール(Drive M7 SIC Racing Team)が7位でフィニッシュして総合8位。14番グリッドから9位でフィニッシュしたホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が総合3位でシーズンを終えました。
初のPPを獲得したカネットは、グリッド上でエンジンストールのためにピットスタートとなり、19位でフィニッシュ。
予選3番手から決勝に挑んだ尾野弘樹(Honda Team Asia)は、セットアップが決まらず21位。チームメートでルーキーながら2勝を挙げたカイルール・イダム・パウィは25位でした。
尾野弘樹エネア・バスティアニーニ(#33)、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(#4)、尾野弘樹(#76)
今年はライダーズタイトル、コンストラクターズタイトルの獲得が期待されたMoto3クラスですが、選手たちのケガに泣いたシーズンでした。来季はタイトル奪還を目指します。
Moto3 コメント
エネア・バスティアニーニ(Moto3 4位)
「厳しいレースでした。オープニングラップからいくつかのコーナーで思うように走れず、今日は優勝争いは難しいだろう、と思いました。
しかし、表彰台争いに加われたし、ラスト2周まではいいレースができていました。ただ、2コーナーでギアがニュートラルに入ってしまい、表彰台争いから後れました。表彰台に立てなかったのは残念ですが、最後までバトルを楽しめたし、レース内容はよかったと思います。
そして、総合2位でシーズンを終われてよかったです。今大会は、このチームで走る最後のレースでした。長年、自分を支えてくれたチームのすべてのスタッフに、心から感謝したいです」
ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(Moto3 5位)
「優勝を目指していましたが、今大会はとてもハードな戦いとなりました。信じられないペースでしたが、全力で周回を重ねました。
序盤からプッシュしすぎたこともあり、フロントタイヤが消耗し、ついていくのがやっとでした。今日はルーキー・オブ・ザ・イヤーを狙っていましたが、獲得はできませんでした。
しかし、すばらしいシーズンを過ごせたし、がっかりはしていません。今日もすばらしいレースができたし、レースをこなすたびに成長できました。チームに感謝しています。来シーズンを楽しみにしています」
ヤコブ・コーンフェール(Moto3 7位)
「レース前はこのリザルトを想像できませんでした。予選24番手から7位でフィニッシュできて、とてもうれしいです。今日は本当に楽しめました。
トップグループに加われたし、前のライダーを抜いていくのはとても気持ちがいいものでした。マシンの状態はとてもよかったです。気持ちのいいレースができました」
尾野弘樹(Moto3 21位)
「序盤からフロントが切れ込み、ペースを上げられませんでした。ウォームアップでフロントに硬いスプリングを入れたところあまりよくなかったので、決勝は元の状態に戻しました。
それが結果的によくなかったのかもしれません。フルタンクではフロントのフィーリングがよくありませんでした。今年は苦しいシーズンでしたが、だからこそいろいろ学べたし、自分にとってはためになりました」