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LEXUS TEAM ZENT CERUMO スーパーGT第8戦もてぎ 決勝レポート

2016年11月13日 22:41  AUTOSPORT web

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ZENT CERUMO RC F
いよいよ2016年のSUPER GT最後のレース、第8戦の予選・決勝日がやってきた。11月13日(日)のツインリンクもてぎの天候は快晴。逆転チャンピオンに挑むLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、12日(土)の第3戦で得られたデータをもとに、午前9時05分からの公式予選に挑んだ。

 15分間での勝負となる第8戦の予選を担当したのは石浦宏明。前日はウエット路面で、コンディションが良化していく傾向だったこともあり、ZENT CERUMO RC Fはコースオープン後すぐにコースインしたものの、この日は完全にドライコンディション。いつものレースと同様に、チームはしばらく石浦をステイさせ、予選が残り8分30秒になった段階でZENT CERUMO RC Fをコースインさせた。

 石浦はしっかりとタイヤをウォームアップさせ、アタック開始。残り3分を切る段階で、1分37秒521で4番手につける。さらにアタックを展開した石浦は、翌周には1分37秒270をマークし、タイムを縮めた。

 しかし、同じレクサスRC F勢では#39 RC Fが1分36秒491という驚異的なタイムをマーク。さらに#6 RC Fも36秒台に入れてきた。石浦の1分37秒270というタイムは、最終的に7番手。クルマの部分でも石浦自身の部分でもいまひとつタイムを詰め切れず、チャンピオンを争うライバルたちに先行を許してしまった。

 迎えた午後1時30分からの決勝レース。栃木県警の白バイ、パトカーの先導によるパレードラップ、そして1周のフォーメーションラップを経て、3万6000人のファンが見守るなかでスタートが切られた。スタートドライバーを務めたのは、予選と同じく石浦だ。

 石浦は序盤からしっかりと前を走る#36 RC Fに食らいついていき、7番手でチャンスをうかがっていく。ペースも悪くないのだが、ライバル勢もしっかりとクルマを仕上げてきており、なかなかオーバーテイクのスキは訪れない。そうしているうちに、チャンピオン争いのライバルである#1 GT-Rも後方に迫ってくるが、石浦はしっかりとポジションをキープ。膠着状態のまま周回が重ねられていく。

 上位陣がピットに向かったのは、19周を終えてから。本来であれば19~21周あたりがピットタイミングとしては好機だったが、トップを争うマシンはいずれもレクサス勢。当然、レクサス陣営の一翼を担うLEXUS TEAM ZENT CERUMOにとって、そちらのピットタイミングを優先せざるを得なかった。隣のピット同士が同時にピットインしてしまうと、どちらもタイムロスしてしまうからだ。

 そのため、ZENT CERUMO RC Fは25周を終えてピットへ。石浦から立川祐路に交代しピットアウトする。立川はチャンピオン獲得に向けZENT CERUMO RC Fをプッシュしていくが、ポジションを争っていた#1 GT-R、#46 GT-Rが今シーズン初めてのタイヤ無交換作戦を敢行したこともあり、各車がピットストップを終えてみるとZENT CERUMO RC Fは9番手にポジションを下げてしまった。

 立川はGT-R勢のタイヤが消耗することを狙いプッシュを続けていくが、この日のZENT CERUMO RC Fには、最後までいまひとつ速さが足りなかった。結局、ポジションを上げられないまま9位で今季最後のチェッカーフラッグを受けることになってしまった。

 4月の開幕戦からチャンピオンを目指し戦ってきたZENT CERUMO RC Fだが、最終的なシリーズ順位は52ポイントの6位。必勝を義務づけられたLEXUS TEAM ZENT CERUMOにとっては不満の残る順位となった。2017年、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはニューウェポン、レクサスLC500を投入し、タイトル奪還を目指しオフシーズンに突入する。

ドライバー/立川祐路
「今日は展開としては厳しい状況でした。今週末は思ったように展開が運びませんでしたね。非常に残念で悔しい思いでいっぱいですが、今シーズンチャンピオンを獲った#39 RC Fは安定したレースをしてきていたと思うので、我々は来年負けないようにしたいです。僕たちは落としてしまったレースが多かったですが、調子がいいときも悪いときも、きちんと戦えるように今からがんばらなければいけません。1年間応援ありがとうございました。来年またがんばります」

ドライバー/石浦宏明
「予選ではもっとタイムを縮められると思っていたのですが、しっくり来なかった部分もありますし、自分でももっと詰められた部分はあったと思います。決勝レースでも周囲にライバルがいたことで、自分が速い部分もいけなかったり、うしろから迫ってきたライバルを抑えていたところもありました。チャンスをうかがいながら前のマシンを追い、自分のパートではしっかりと走ることはできたと思います。残念ながらまわりのレクサス勢との関係もあり、思うようなタイミングでピットに入ることができませんでしたが、第3戦から前にいることができればこういう状況にはならなかったと思っています。この悔しさは2017年に晴らしたいと思います」

高木虎之介監督
「午前の予選の段階で厳しくなってしまいましたね。予選でポールポジションなり2番手を獲っていれば分かりませんでしたが、あのポジションでは淡々と走って終わってしまいます。今年は最後までチャンピオン争いができていましたし、1勝、それも重要な鈴鹿1000kmで優勝を飾ることができたので、そこは評価したいと思います。ただシーズン後半がきびしかったですね。ウエイトを積んだときにも乗り越えていかないといけません。SUPER GTの難しさを改めて感じた1年でした。今年の反省点を活かして、また来年がんばります」