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ARTA NSX CONCEPT-GT スーパーGT第8戦もてぎ決勝レポート

2016年11月13日 21:01  AUTOSPORT web

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ARTA NSX CONCEPT-GT
良い点多かったが、上手くつなぎ合わせられず
 昨日の予選・決勝での車のバランスは良かったので、チームは微調整をして最終戦の予選に挑んだ。アタックは野尻智紀。野尻はいつもと同じようにセッションの後半にコースイン。各セクターのタイムを徐々に短縮し、タイムアップをしていった。車のバランスは相変わらず良かったが、一箇所だけタイムロスしてしまい11位で予選を終えた。

 決勝のスタートドライバーは野尻。昨日のタイヤのパフォーマンスやレース全体を見て、前半に野尻がハイペースで走った方がポジションを上げられると判断したが、思い通りには行かなかった。早い段階でグリップダウンが始まり、10番手を走行中、予定より早めの20周目にピットインを行う事になった。

 第2スティントの序盤もタイヤをセーブして終盤スパートをかける予定だったが、ペースをセーブするとピックアップがひどく、我慢の走行となった。逆にペースを上げるとグリップダウンが早く来てしまうので、残り10周くらいからプッシュした。ラップタイムはコンスタントに0.5秒ほど向上したが、前車に追いつくまでには至らなかった。

 今年1年、車のバランスは良かったものの、なかなか結果につなげられない歯がゆいレースが続いた。歯車を合わせる事が出来れば良い結果も望めたと思うが、それを実現させる事は簡単な事では無かった。しかしながら、課題、改善点も徐々に解明出来てきたので、来季はトップ争いが出来るパフォーマンスが出せるように準備したい。

 今年も応援して下さった皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました。来季も宜しくお願いします。

鈴木亜久里監督のコメント
「昨日のレース後にデータを分析して今日のレースをシミュレーションして、予選やレースはポジションアップも望めると考えていたんだ。だけどなかなか上手くいかないね。2日続けてレースが出来たので、1日目の課題や改善点を翌日すぐに反映出来るので楽しみにしていたんだけど難しかったね。良いところも沢山あったんだけど、それを上手くつなぎ合わせる事が出来なかったので、来季はもう一度その辺に重点を置いて戦いたいと思います。今年1年応援していただいたファンの皆様、オートバックス、ホンダ、ブリヂストンを始めとするパートナー各社の皆様、本当にありがとうございました」

星学文エンジニアのコメント
「昨日の決勝のバランスは悪くなくて、予選になると速度域がもう少し速くなるので、微調整して野尻にアタックしてもらいました。一箇所だけタイムロスしてしまうところがあって、ホンダのトップにはなれませんでしたが、それを上手くまとめる事が出来ていればかなり良いポジションだったと思います。他メーカーに比べると、ウェイトが軽くなって差が大きくなってしまいましたが、来季はそこを埋める手を打っていかなければならないと強く感じています。決勝に関しては午前中の結果と昨日のレースペースも悪くなかったので、タイヤのチョイスだけに集中しました。野尻はウォームアップ走行から悪くなかったのですが、第1スティントの20周目手前あたりからタイヤがグリップダウンしてしまうところがあったので、早めにピットインさせました。昨日と同じバランスで走れていた事は良かったと思っています。後半の孝亮さんですが、昨日の経験からペースをセーブしながらタイヤマネージメントをしていたのですが、結果的には最後まで良いタイムが刻めなくて、他より遅れてしまったので、原因を分析して来年につなげたいと思います」

松浦孝亮選手のコメント
「後半のスティントを担当したんですけど、昨日の前半でペースを上げ過ぎて早い段階でタイヤがグリップダウンしてしまったので、走り方を研究して今日に挑みました。序盤はグリップダウンは早く来ないようにタイヤに負担をかけないように走って、終盤にプッシュしようと思っていましたが、中盤からフロントタイヤにピックアップが始まってしまい、全く自分のペースで走れませんでした。今年は最高位が6位という不甲斐無いレースで応援して下さった皆さんのご期待に沿えませんでしたが、1年間本当にありがとうございました」

野尻智紀選手のコメント
「予選は他メーカーに差を付けられていたので、ホンダのなかで前のポジションを獲れたのは良かったと思います。決勝では2周目に前の車を抜く事が出来て、ホンダのなかでトップを走っているところで孝亮さんにバトンタッチしましたが、ボクの決勝中のペースもあまり良くなくて改善しなければならない事も沢山あったのですが、そんな状況でもポジションをキープ出来た事は自分のなかでは良かったと思っています。でも順位的にはトップグループでレースをしなければならないので満足は出来ていませんが、自分の力は出し切れたと思います。今年もありがとうございました」