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ホンダ MotoGP第18戦バレンシアGP Moto2/Moto3クラス予選日レポート

2016年11月13日 17:31  AUTOSPORT web

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尾野弘樹
2016.11.12 ロードレース世界選手権 最終戦 バレンシアGP 予選

[Moto2] 総合首位のザルコが接戦を制しポールポジションを獲得。中上は9番手

2016年11月12日(土)・予選
会場:バレンシア・サーキット
天候:晴れ
気温:21℃
コースコンディション:ドライ

Moto2 レポート
 Moto2クラスは、前戦マレーシアGPで2年連続タイトルを獲得したヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が、2戦連続今季7回目のポールポジション(PP)を獲得しました。ザルコは、セッション前半に、サーキットベストタイムを更新する1分34秒879をマーク。初日のフリー走行から安定したラップを刻んでいましたが、予選では、13年にポル・エスパルガロがマークした1分34秒957をブレイクしました。今大会がMoto2クラス最後のレースとなるザルコは、喜びを爆発させていました。

 2番手にはトーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)で、わずか1000分の6秒差でPPを逃しました。ルティは、フリー走行でトップタイムをマークし、連続周回でもザルコを上回るハイペースを刻んでいただけに、悔しい2位となりました。そして3番手には、初のPPを狙ったフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が入りました。今回、フロントローに並んだ3選手がサーキットベストタイムを更新する1分34秒台をマークするというすばらしいアタック合戦となりました。

 以下、マティア・パシーニ(Italtrans Racing Team)、アレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)、フリアン・シモン(QMMF Racing Team)と続き、初日3番手の中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は、思ったほどタイムを更新できず9番手へとポジションを落としました。決勝日のウォームアップでセットアップを見直し、追い上げのレースに挑みます。

 今大会はPPを獲得したザルコから1秒差に20台という接戦となり、決勝でも今季最も激しいバトルが予想されます。

Moto2 コメント
ヨハン・ザルコ(Moto2 ポールポジション)
「Moto2クラス最後のレースでポールポジションを獲得できて、本当にうれしいです。いい思い出になりました。今日は、新品のタイヤでスタートして、序盤からいいラップを刻むことができました。それから、いいフィーリングだったので周回を楽しみました。そのあと、さらに新品タイヤで走行しましたが、思ったよりもタイムを出すことができませんでした。今大会は初日のフリー走行からいい走りができましたし、とてもうれしいです。前戦マレーシアGPでタイトルを獲得しました。今大会はリラックスしています。全力で優勝を目指します」

トーマス・ルティ(Moto2 2番手)
「予選のアタックでは、4つのセクターのうち3つの区間でベストをマークしました。しかし、走り終えたときにファステストラップをマークして、ポールポジションを獲得したかったです。レースペースがとてもよかっただけに、ポールポジションを取りたかったです。しかし、11コーナーで大きなスライドを喫してタイムをロスしました。わずか1000分の6秒差でした。明日は、(アレックス)リンスと(フランコ)モルビデリと総合2位争いになります。優勝を目標に総合2位を目指します」

フランコ・モルビデリ(Moto2 3番手)
「フロントローを獲得できてとてもハッピーです。決勝に向けて自信がありますし、とても楽しみです。昨日、今日と、すべてのセッションで速く、安定したペースで走ることができました。今日は初めてのポールポジションを獲得できるんじゃないかと思っていました。それは果たせませんでしたが、優勝争いに加われるペースがあるので、明日はスタートから全力で勝利を目指します。今年はすばらしいシーズンになりました。最終戦を最高のかたちで終えたいです」

中上貴晶(Moto2 9番手)
「FP2からフロントのジオメトリーを変えたのですが、その結果、バランスもよくなりタイム短縮につながりました。しかし、周りのタイムアップに比べればそれほど伸びがなくて、ポジションを落としてしまいました。一番の問題は、コーナーの出口でスピードを乗せられないことでした。コーナリングスピードも遅く、1分35秒3は限界でした。トップグループに比べると0.2秒くらい遅いので、このままでは厳しいレースになると思います。明日のウォームアップでセットアップの変更を試し、決勝に挑みたいです」


2016.11.12 ロードレース世界選手権 最終戦 バレンシアGP 予選

[Moto3] カネットがポールポジションを獲得。尾野は3番手から決勝に挑む

2016年11月12日(土)・予選
会場:バレンシア・サーキット
天候:晴れ
気温:21℃
コースコンディション:ドライ

Moto3 レポート
 Moto3クラスは、今季、最も激しい戦いとなりました。午前中のフリー走行では、トップタイムから1秒差に27台がひしめく大接戦。午後の予選でも、PPを獲得したアーロン・カネット(Estrella Galicia 0,0)から1秒差に26台という今季一番の接戦となりました。

 シーズン終盤戦に入って調子を上げているアーロン・カネット(Estrella Galicia 0,0)は、ホームグランプリで初のPPを獲得しました。カネットは、第16戦オーストラリアGPで初表彰台獲得の3位でフィニッシュ。続く第17戦マレーシアGPでは、レース中の多重クラッシュに巻き込まれて左手を負傷。今大会は痛みを堪えての熱走となり、見事PPを獲得しました。決勝では、地元ファンの声援を力に変え、初優勝に挑みます。

 3番手は尾野弘樹(Honda Team Asia)で、第15戦日本GPのPPに次ぐ好リザルトを獲得しました。日本GPは、フリー走行中のペナルティーのため4番グリッドからのスタートとなりましたが、今大会は今季初のフロントローからのスタートになります。

 以下、1秒差に26台という大接戦の中で、ニッコロ・アントネッリ(Ongetta-Rivacold)が6番手、総合2位のエネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Moto3)が9番手、チームメートのファビオ・ディ・ジャンアントニオ(Gresini Racing Moto3)が12番手。総合3位で今季3勝目を狙うホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が17番手という結果でした。

 今季、最もタイム差が接近しているMoto3クラス。決勝レースに大きな注目が集まっています。

Moto3 コメント
アーロン・カネット(Moto3 ポールポジション)
「ホームグランプリで初めてのポールポジションを獲得することができて、とてもうれしいです。いいペースで走っているライダーが大勢いるので、明日はとにかく走りきることに集中します。目標は、トップグループについていって24ラップを走りきることです。しかし、マレーシアで痛めた左手の痛みがひどいので、明日は痛み止めを飲むかどうかドクターと相談しなければいけません。いずれにしても、シーズン最後のレースなので全力を尽くします」

尾野弘樹(Moto3 3番手)
「今日はいい位置で走ることができました。(リビオ)ロイ(RW Racing GP BV)と(ファン・フランシスコ)ゲバラ(KTM)の後ろについて、いい距離で追いかける感じになりました。タイムは出たと思っていましたがフロントローに並べるとは思っていませんでした。今日のフロントローはもてぎのときよりもうれしいです。今大会は、フリー、予選としっかりセットアップを詰めることができました。アベレージもよく、レースタイヤのフィーリングもよかったです。シーズン最後のレースなので、明日の決勝は表彰台、優勝を目指していきたいです」

エネア・バスティアニーニ(Moto3 9番手)
「もっといいグリッドを得られると思っていましたし、とても残念です。最後のアタックに出るタイミングをミスしてしまいました。コース上にはだれもいなくて、失敗しました。とてもフィーリングがよかっただけに残念です。今日はフロントのフィーリングが完全ではなくて、完ぺきなアタックができませんでした。しかし、決勝に向けていいペースがあるので、決勝になればいいレースができると思います。ポールポジション争いができると思っていただけに残念でした。明日は、このチームで走る最後のレースなので、いいリザルトをチームにプレゼントしたいです」

ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(Moto3 11番手)
「11番グリッドを獲得できてうれしいです。しかし、今日のベストタイムは単独で出したものでした。最終ラップのアタックでは、セクター2までベストタイムを出していました。その後、8コーナーでミスをしてしまい、最終的に11番手になりましたが、今日の結果には満足しています。今日は大きなステップを刻むことができました。決勝でいいレースをする準備はできています」