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スーパーGTもてぎ:6番手スタートのVivaC戴冠。土屋武士“ラストラン”に花を添える

2016年11月13日 16:41  AUTOSPORT web

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2016年のスーパーGT300クラスチャンピオンを手にしたVivaC 86 MC
2016年のスーパーGT第8戦決勝レースが13日、ツインリンクもてぎで行われ、GT300クラスはVivaC 86 MCが予選6番手から逆転優勝。シリーズタイトルを手にした。

 今シーズン最終戦の決勝レースは、気温が20℃を超え、暑さも感じられるコンディションでスタート。ポールシッターの31号車TOYOTA PRIUS apr GTを筆頭に、LEON CVSTOS AMG-GT、マネパ ランボルギーニ GT3のトップ3は予選から順位を変えず、さらにグッドスマイル 初音ミク AMG、SUBARU BRZ R&D SPORTを含めた上位5台は団子状態で後続との差を広げていった。

 一方、VivaC 86 MCのスタートドライバーを努めた土屋武士は、序盤はペースを抑えていたのか、ポジションを落とす展開となってしまう。

 10番手まで後退したVivaC 86は16周を終えてピットイン。ここでタイヤ無交換作戦に出て作業時間を短縮し、同タイミングでピットに入ったLEON AMGの背後でコースへ復帰する。

 VivaC 86はピットアウト直後からLEON AMGを猛追。タイヤ交換し冷えたタイヤを装着しているLEON AMGに反撃を許さず、3コーナーでオーバーテイクを決め、ポジションをひとつあげてみせる。

 その翌周、トップを走っていた31号車プリウスもピットインすると、チームはタイヤ無交換作戦を敢行。クラス首位を維持したまま戦列へ復帰する。ほぼ全車がピット作業を済ませた31周目時点で、トップは31号車プリウスで変わらず。2番手にVivaC 86、3番手にLEON AMGというポジションでレース後半戦に向かっていく。

 31号車プリウスとVivaC 86のギャップは1.6秒ほどあったものの、VivaCの松井孝允が一気にペースアップし、32周目には1秒差、さらに33周目には0.3秒差まで迫っていく。

 そして34周目、松井が31号車プリウスの中山雄一の背後に迫ると、V字コーナーのブレーキングで松井が一瞬マシンをアウトに振るフェイント。これに中山が反応した隙を見逃さず、松井が中山のインに飛び込んでオーバーテイクに成功する。

 交わされた中山も続くヘアピンからダウンヒルストレートにかけて反撃を試みるも、前を行く松井は90度コーナーの飛び込みできっちりブロック。これでVivaC 86が総合首位に躍り出た。前がクリアになった松井は、その後徐々に2番手以降との差を広げていく。

 レース終盤には中山もラストスパートをかけて1秒差まで詰め寄るが、オーバーテイクには至らず。VivaC 86が第7戦タイに続く、今季2勝目を挙げ、シリーズチャンピオンを獲得した。来季はスーパーGTの第1ドライバー登録を行わないという土屋武士にとっても嬉しい戴冠となった。

 決勝ではトップ争いのほか、3位争いもヒートアップ。17周目とライバルより早いタイミングでピットインし、暫定3番手までポジションを上げていたB-MAX NDDP GT-Rと、26周目にピットインしてB-MAX GT-Rの目前でコース復帰を果たした初音ミク AMGが、20周近くに渡って激しい接近戦を展開した。

 ストレートスピードで勝るB-MAX GT-Rのヤン・マーデンボローとブレーキングで勝る初音ミク AMGの谷口信輝は、何度かサイド・バイ・サイドの争いを繰り広げた後、45周目のV字コーナー飛び込みで、谷口がマーデンボローを交わして3番手に浮上。そのまま逃げ切って、開幕戦以来となる今季2度目の表彰台を手に入れている。

 谷口に交わされたマーデンボローのB-MAX GT-Rは、その後、Hitotsuyama Audi R8 LMS、Excellence Porscheにも逆転を許し、6位で今季最終戦を締めくくった。