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スーパーGT最終戦:コバライネン&平手、完勝で決めた!DENSO SARDが初のタイトル獲得

2016年11月13日 16:31  AUTOSPORT web

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スーパーGT第8戦もてぎ決勝でタイトルを決めたDENSO RC Fの平手とコバライネン。
2016年のスーパーGT第8戦の決勝がツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートしたDENSO KOBELCO RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)が今季初優勝を飾りシリーズチャンピオンを決めた。

 朝の予選で2日連続のポールポジションを獲得したDENSO RC Fは昨日同様に平手がスタートドライバーを担当。1コーナーをトップで通過すると、1周目から後続を引き離す走りを見せる。その後ろでは3番手スタートで逆転チャンピオンの可能性を残しているWAKO’S 4CR RC Fが2番手に上がり、アンドレア・カルダレッリが2秒後方につけ、平手を逃すまいと追いかけた。

 その後方ではWeds Sport ADVAN RC Fの関口雄飛が昨日同様に見せ場を作り、一時は5番手に落ちるものの、10周目過ぎからペースを取り戻し、カルソニックIMPUL GT-Rの安田裕信、Keeper TOM’S RC Fの平川亮を抜き3番手に浮上した。

 7周目からGT300との混走が始まったが、トップの2台ともミスのない走りを維持し、そのままピットストップのタイミングへ。セーフティカーのリスクなどを懸念したが、DENSOはミニマム周回数(ひとりのドライバーが走る最低周回数)に近い20周終わりに平手がピットインしコバライネンに交替する。これに対応するかのようにカルダレッリも21周終わりにピットインし、大嶋和也が乗り込む。ここでも順位は変わらずコバライネンがリードした状態で後半スティントに突入した。

 一方、ランキング2位となったMOTUL AUTECH GT-Rは9番手と後方からのスタート。少しでも上位を目指すべく、意表を付いたタイヤ無交換作戦を敢行するが、コースに戻った段階で7番手。今週末はレクサス勢のペースがよく上位に食い込めない。

 同じミシュランを装着するS Road CRAFTSPORTS GT-Rも同じ作戦を選び、ピットアウト後は4番手まで順位を上げたが、タイヤが厳しかったかコーナーでもクリップに付けない場面が目立ち、最終的に6番手まで後退。シーズン序盤はGT-R勢が他を圧倒する強さをみせていたが、このもてぎの最終戦はトップ5台がレクサス勢という展開になった。

 悲願のチャンピオン獲得へトップを快走していたコバライネンだったが、残り10周を迎えるところでペースが伸び悩み、5秒後方にいたWAKO’S RC Fの大嶋が1秒を切るところまで接近。WAKO’S RC Fも今季未勝利で優勝してDENSO RC Fが3位以下になれば逆転チャンピオンとなるため、わずかなチャンスを狙ってトップ奪還を目指す。

 しかし、コバライネンも昨日果たせなかった優勝を何としても勝ち取るべく、GT300をオーバーテイクしていき、まったく隙を与えない走りを見せトップを死守。最終ラップは1秒を切る僅差となったが、最後まで守りきりトップチェッカー。待望の今季優勝を飾るとともに、スーパーGT参戦2年目でシリーズチャンピオンを獲得。2位にはWAKO’S RC F、3位にはWeds RC Fが入り、レクサス勢が表彰台を独占。前述通りトップ5を独占する結果となった。

 ホンダ勢では、今回でラストレースとなるドラゴモデューロNSX CONCEPT-GTが終盤まで力強い走りを見せていたものの、残り7周でトラブルを抱えピットイン。チェッカーを受けることなくレースを終えた。陣営の最高位はKEIHIN NSX CONCEPT-GTの11位となった。

 優勝したDENSO RC Fの平手は2013年以来となる2度目のタイトル獲得、そしてSARDとしてはGT500で念願の初チャンピオンを手にした。一方、事前の予想では圧倒的に優位とみられたMOTUL GT-Rだが、結果的に最終戦を7位で終え、ランキング2位。前人未踏のタイトル3連覇は獲得寸前で逃した形となってしまった。

 DENSO RC Fはトップチェッカーを受けた瞬間、サインガードで出迎えた平手が涙を見せ、パルクフェルメに戻ってきたコバライネンも力強くガッツポーズ。クルマを降りたGT500のライバルたちが次々とふたりを祝福していった。