世界ラリー選手権(WRC)にタイヤを供給しているピレリは今季限りで同シリーズへの関与を取りやめると発表した。
2008年から3シーズンに渡り、WRCのオフィシャルタイヤサプライヤーを務めたピレリ。一度活動を終了した後、14年シーズンに同シリーズへ再参戦を果たしたものの、上位チームへのタイヤ供給契約を勝ち取ることができていなかった。
ピレリでモータースポーツディレクターを務めるポール・ヘンベリーは、WRCからは手を引くものの、世界中で行われている国内ラリー選手権への関与は継続すると強調している。
「ラリーというカテゴリには我々も情熱をもって取り組んでおり、今後も変わらず関与していく」
「世界中で開催されている300位上のラリーイベントにタイヤを供給するためにも、我々は来季のWRCに向けたホモロゲーションに参加しないことを決断した」
加えて、ヘンベリーはWRCの代わりとしてヨーロッパ・ジュニアラリー選手権へ参戦することを認めた。
「ジュニアラリー選手権は、若いドライバーにチャンスを与えていくという我々のフィロソフィーに合致するイベントだ」
「また、若いラリードライバーの多くは、ローカルの選手権からキャリアをスタートさせる」
「そういったイベントにも我々の最新スペックタイヤを投入することで、ピレリのブランド価値を高めることができるはずだ」
現在、WRC最上位クラスでピレリを使用しているのはプライベーターのロレンツォ・ベルテリのみ。昨シーズンはロバート・クビカもピレリを装着し速さをみせていたが、今季は参戦しておらず、これもピレリがWRCへの興味を失った一因とみられている。
ピレリ撤退により、来季WRCへ参戦するタイヤメーカーはミシュランとDMACKの2社のみ。両社はすでにFIAへ17年用タイヤの登録を済ませている。
なお、来季もミシュランはワークス参戦する全チームへタイヤを供給するとされており、DMACKは1~2台のフォード・フィエスタRS WRCにタイヤを供給する見込みだ。