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F1ブラジルGP予選:タイトルがかかった1戦、緊迫のポール争いはハミルトンが制す

2016年11月13日 02:51  AUTOSPORT web

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F1第20戦ブラジルGP ポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン
11月12日、ブラジルGP土曜日のインテルラゴスは朝から霧雨に包まれていた。午前のFP3は路面の一部が湿ったダンプコンディションで始まり、霧雨が降り続く中でもかろうじてドライへと移った。同じようなコンディションのまま予選開始の午後2時を迎え、気温は19度、路面温度は27度、セッション中の降水確率は70%という状況。強い陽射しに恵まれた金曜日とは全く異なるコンディションに、各チーム・各ドライバーの対応力が問われることになった。 

 いつ雨が降り出してもおかしくないコンディションだけに、Q1の開始1分前から各車がソフトタイヤを履いてピット出口に並び始める中、先頭でコースインしたのはルイス・ハミルトン。これにタイトルを争うニコ・ロズベルグが続いたが、ハミルトンはターン12の立ち上がりでトロロッソに引っかかりながらもトップタイムを記録した。

 1回目のアタックではこれにロズベルグ、マックス・フェルスタッペン、キミ・ライコネン、ダニエル・リカルドと続き、3強チームの後方にはウイリアムズ勢が続いた。しかし中団はかなり接戦で予断を許さない。準備が遅れたセバスチャン・ベッテルだが5分を経過したところでようやくコースイン。ベッテルは無事にアタックを完了して5番手タイムを記録し事なきを得た。

 Q1が残り4分を切り青空が出てきたところで中団以下の各車が2回目のアタックへ。FP3からアンダーステアに苦しんでいたジェンソン・バトンは2周連続でアタックしたもののいずれも上手くまとめられず17番手タイムに終わり、0.017秒差でQ1敗退となってしまった。その他、ケビン・マグヌッセン、マノー勢、ザウバー勢がQ1を通過することができなかった。

 コースの各所で渋滞が発生しており、ターン4でジョリオン・パーマーのアタックを妨害したかたちになったフェリペ・ナスルとエステバン・オコンは予選後に審議が行なわれる。

 Q2でも各車がソフトタイヤでコースイン。セクター2と3でベストタイムのハミルトンがロズベルグを0.135秒上回ってトップタイムを記録。0.596秒差で3番手にフェルスタッペン、ターン12でややワイドになりながらもベッテルが0.772秒差で4番手につけた。

 3強チームの後方には7位バルテリ・ボッタス、8位フェルナンド・アロンソ、その後ろに中古ソフトのフォースインディア勢が続き、地元のフェリペ・マッサはフロントタイヤを上手く温められず11番手に留まった。

 残り3分を切ったところで7位ボッタス以下の各車が2回目のアタックへ向かうが、サーキットには再び雨粒が落ちてくる。一足先にクリアなトラックで2回目のアタックを行なったパーマーは、ターン1、8、10などでタイヤをロックさせターン11でコースをはみ出すなどオーバードライブでミスが目立ち12番手に。

 ここまで好調だったウイリアムズはボッタスはターン4で僅かにロックアップ、マッサはまたしてもタイヤを上手く機能させられず「1回目のランと何もかもが違う、なぜだか全く分からない!」と13位に終わった。

 会心のアタックで7位に飛び込んだアロンソと12位エステバン・グティエレスまでが0.1秒差の中にひしめく僅差の中で、ウイリアムズ勢とトロロッソ勢、パーマーがQ2で脱落。ロマン・グロージャンがフォースインディア勢に割って入る9番手タイムで大健闘のQ3進出を果たした。


 懸念された本格的な雨は降らないままQ3がスタート。1回目のアタックではハミルトンがただ一人1分10秒台の1分10秒860を記録し、ロズベルグに0.162秒差を付けて再びトップに立った。

 3位フェルスタッペン、4位ベッテル、5位リカルド、6位ライコネンという順に変わりはなく、フォースインディア勢が中古のソフトタイヤで走る中でアロンソが7番手タイムを記録した。

 残り3分を切り、Q3はいよいよ最後のアタックへ。全車が新品のソフトタイヤを履いてコースへと向かう。多くのドライバーがタイムを更新できない中、「すごく平均的なラップだったしサプライズだ」というライコネンが3位に飛び込んだ。一足先にクリアな状況でアタックをしたグロージャンが7位。8位・9位にフォースインディア勢、アロンソは10位に終わった。

 メルセデスAMG勢同士のポールポジション争いは緊迫したが、やはり最後のアタックでもハミルトンがセクター2と3で最速タイムを叩き出し、ロズベルグに0.102秒差を付けてポールポジションを奪い取った。
 過去2年にわたってロズベルグがポールトゥウインを飾っているインテルラゴスで、明日の決勝でロズベルグが勝てば自動的にタイトルが決まるという状況の中、是が非でも優勝をもぎ取らなければならないハミルトンはその第1条件をまずはクリアしたと言える。