来季もザウバー残留を望んでいるフェリペ・ナッセの契約延長は、どうやらスポンサー絡みの問題で遅れているようだ。一方、チームメイトのマーカス・エリクソンは、このままチームに留まる可能性が高い。
ナッセのスポンサーであるブラジル銀行では、今年に入ってから頭取が交代し、それに伴って数人の重役のポストに異動があった。その結果、銀行側とナッセのマネジメントの交渉がスムーズに進まなくなり、ザウバーとの契約交渉の遅れにつながっているらしい。
しかし、ザウバーは約2週間後に迫ったアブダビでの最終戦までに、来季のドライバーラインナップを決めたいと考えており、ナッセの問題が解決するのをいつまでも待つことはできないとの姿勢を示している。
「(交渉の停滞に)不平を言うつもりはない。この世界ではよくあることだ」と、ナッセは言う。
「ザウバーが、僕にとって魅力的なチームであることに変わりはない。大勢の新しいスタッフを迎えて、再編成が進んでいるし、状況は確実によくなりつつある」
「僕には、あらゆることがいい方向へ進んでいるように見える。2017年の新車にも力を入れていて、来年は今年とはまったく違うシーズンになりそうだ」
一方、エリクソンは、一時はニコ・ヒュルケンベルグの離脱で生じたフォース・インディアの空席を狙っていると公言していた。だが、結局そのシートにはエステバン・オコンが収まっており、エリクソンと彼のスポンサー(ザウバーの新オーナー、ロングボウ・ファイナンスとも関係が深いと考えられている)は、すでに来季の契約についてザウバーと基本的に合意したと見られている。つまり、彼がこのチームで3年目のシーズンを迎えるのは、ほぼ確実ということだ。
まだ正式な発表はないものの、現在の状況について質問されたエリクソンは、「もうそれほど多くの選択肢があるわけでもない。その(ザウバー残留)可能性が高くなってきた」と語っている。
「すべての手続きが完了するまで、僕からは何も言えない。ただ、以前から言っているように、ザウバーは正しい方向へ進み始めている。チームは優秀な人材を大勢雇い入れているし、その流れは来年も続くはずだ。そう考えると、僕にとって(残留が)とても魅力的な選択肢であることは間違いない」
「シーズン序盤にはずいぶん苦戦を強いられたし、正直言って将来の見通しも暗かった。だから、2、3カ月前までは、残留が最善の選択とは言えなかった。でも、シーズン後半に入ってチームは大きく進歩した。これからザウバーは確実に前進し、強いチームになっていくだろう」