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スーパーGTもてぎ土曜決勝:また出た近藤マジック! 最後は柳田が0.2秒差で逃げ切り涙の今季2勝目

2016年11月12日 16:11  AUTOSPORT web

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第4戦SUGO以来となる今季2勝目を挙げた近藤真彦監督と佐々木大樹(右)、柳田真孝(左)。
スーパーGTの第3戦決勝がツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスはフォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rがタイヤ無交換参戦が奏功し、今季2勝目を挙げた。

 このシリーズ第3戦は本来オートポリスで開催予定だったが、4月に起きた熊本地震の影響で中止したため、その代替で「熊本地震復興支援大会」として、土曜日に決勝が組み込まれることになった。

 午前中の予選ではハーフウエットの路面での予選となったが、そこから秋とは思えないほどの強い日差しが照りつけ、気温22度、路面温度は26度まで上昇。今週末では初めてとなるドライコンディションの中で、レースが始まった。

 スタートではポールポジションのDENSO KOBELCO SARD RC Fの平手晃平が好ダッシュを決めてトップで1コーナーへ。2番手にはau TOM’S RC Fの伊藤大輔が上がり、レクサス勢はワンツー体制になる。

 平手は早い段階からペースを上げ後続とのリードを広げに行ったが、3周目のファーストアンダーブリッジでマッハ車検 MC86が接触によるスピンのようでコース上で停車。また、同じタイミングでセカンドアンダーブリッジではARTA BMW M6 GT3が大クラッシュ。これによりセーフティカーが導入された。特にARTA BMWはフロント部分が大破していたが、ドライブしていた高木真一は自力でマシンを降り無事だった。

 マシン回収、コース清掃等が終わり8周目からレースが再開。引き続き逃げようとする平手に伊藤が食らいつき、接近戦でのトップ争いを展開。その後方ではRAYBRIG NSX CONCEPT-GTの山本尚貴を先頭とした4番手争いが激化。タイヤのピックアップのトラブルか、思うようにペースが上がらない山本に対しWeds Sport ADVAN RC Fの関口雄飛が果敢に攻め込んでいき、何度か横に並びかけるが、山本も冷静に抑え込みポジションを死守した。

 レースの3分の1にあたる18周が過ぎると、各チームが続々とピットイン。トップ争いの2台はau RC Fが先に20周を終えたところで先にピットイン。ニック・キャシディに交替する。これを見て合わせるようにDENSO RC Fも翌周にピットイン。ヘイキ・コバライネンが乗り込みコースに復帰するが、わずかの差でau RC Fが先に1コーナーを通過し逆転に成功する。

 中盤の折り返しを過ぎて、ほとんどのマシンがピット作業を済ませるが、フォーラムエンジニアリングADVAN GT-RとWeds Sport ADVAN RC Fの2台のみがピットに入らず周回を重ねていく。29周を終えたところで、Weds RC Fの関口雄飛がピットイン。国本雄資に交替するが、タイヤ無交換作戦を敢行した。

 同じようにフォーラムエンジニアリングGT-Rも34周終わりにピットに入り、こちらもタイヤ無交換。佐々木大樹から柳田真孝にバトンタッチ。作業時間の短縮ができたこともあり、トップのままコースに復帰した。

 後半も各所で接近戦のバトルが続いたが、見せ場を作ったのはDENSO RC Fのコバライネン。ピットストップで逆転されたau RC Fのキャシディに積極的に攻め込んでいく。特に3コーナーやヘアピン、90度コーナーなどハードブレーキングが求められるところでアウトから飛び込んで突破口を作ろうとするが、キャシディも負けじと応戦し、毎周に渡ってサイド・バイ・サイドのバトルが展開された。

 しかし、勢いはコバライネンの方にあり39周目にキャシディをパスし2番手に浮上。そこから6秒以上離れているトップの柳田を猛追。残り5周のところで1秒差まで接近すると、先ほどのバトル同様にブレーキングで間合いを詰めていき、並びかけるが柳田も冷静にブロック。ファイナルラップでも最後の90度コーナーでサイド・バイ・サイドのまま飛び込んでいくが柳田が0.2秒差を押さえ切りトップチェッカー。第4戦SUGO以来となる今季2勝目をマークした。

 2位にはDENSO RC F。3位にはau RC Fが続き、ランキングトップのMOTUL AUTECH GT-Rは予選12番手と後方からのスタートとなったが、序盤で順位を下げて一時ポイント圏外に。そこから後半スティントで着実なレースをみせで9位でチェッカー。なんとかポイントを獲得し、ノーウェイトで争われる明日の最終戦に臨む。

 フォーラムエンジニアリング GT-Rの近藤真彦監督による無交換作戦での勝利は、第4戦SUGO以来となる今季2度目。今回の結果により、フォーラムエンジニアリング GT-Rはドライバーズランキング7位に浮上した。タイトル争いはDENSO RC Fが合計61ポイントとなりランキングトップに浮上。MOTUL GT-Rは3ポイント差で2番手、3番手はWAKO’S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ)という上位ランキングになった。

 明日もGT500は9時05分から第8戦の公式予選が行われ、決勝は13時30分からスタート。ここにきてランキングトップが変わるという激戦のシーズンだが、明日、ついに2016年のシリーズチャンピオンが決まることになる。