多分、「子どもは風の子」とか、「健全な肉体を培う」みたいな考え方があったんだろう。こういう小学校が他にもいくつかあったので、恐らく地域的に、半ズボン登校を推奨していたのかもしれない。
まあ、九州は暖かいのでこういうのは別にいいんだけど、中には辟易するような慣習もあるようだ。(文:松本ミゾレ)
7時半に学校に着き、50分ほどの授業を受ける
11月5日放送の「マツコ会議」(日本テレビ)で、「マツコも驚くイマドキ女子高生のリアルな現実…福岡&渋谷編」と題して興味深い特集をやっていた。
番組に取材された博多の女子高生が、「東京にはないと思うんですけど、朝課外ってのがあるんですよ」と話している。朝課外とは何か。彼女曰く、「1時限目の前に0時限目があるんですよ」という。
朝課外とは、朝早く学校に向かい(家から遠い場合は始発での登校は当たり前)、7時半頃から行われる課外授業。朝の時間を使って学校で40~50分ほどみっちり勉強させられる、というものだ。
いちいち朝早く起きてバタバタと身支度をして他所の学生よりも早くに学校に行き、勉強しなきゃならないなんて、学生からしたら普通に嫌だろう。
高校生からは「朝課外で4時半起きでぶちギレ」という声も
ツイッターにも朝課外に苦しむ高校生の声があった。
「朝課外ある。切実に九州以外の皆様羨ましいです。なぜ1時間も早く学校に行くのでしょうか」
「朝課外どころか放課後課外、春夏冬の課外が九州だけとか、そのせいで4時半起きの私なんかブチ切れるわ」
こういう具合に、大体当事者たちからは不満ばかり出ているのが実情となっている。そりゃそうだ。全国的に見てもやらないのが普通とされている朝早くからの勉強を、自分たちばかりが押し付けられているんだもの。
冒頭で書いたように、僕は九州出身だ。しかし、朝課外なんて聞いたこともなかった。ネット上の情報を見る限り、福岡だけの限定的なものだという声も目立つ。
ただ、一方で別の県出身者が「0時限目なら俺の地元でもやっていた」という発言もしており、もうよく分からない。
進学校なら都道府県を問わず、こういうことをやっていても不思議じゃないし……ただ、あくまでも「朝課外」と呼ばれる0時限目を取り入れているのは、福岡だけ、ということなのかもしれない。
ただ、勉強がしたい学生は、いちいち朝早く学校に出向かなくても、早起きして家でなんぼでもやっている。朝課外なんてあってもなくても、生徒の学習姿勢は向上しないように思える。早起きすることで、1時限以降の授業が眠くなったら本末転倒だ。
それに、朝早く登校して、本来不要な勉強を強いるなんて、なんだかブラックな印象も抱いてしまう。朝課外に慣れた学生は、休日出勤とかサービス残業にもさほどの抵抗を感じないような人材に成長しそうだし……。